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2023年10月6日

ドッペルゲンガー、脳卒中患者が感じた”もう一人の自分”

2023  8月  トルコ


「目に見えないドッペルゲンガー」は、自分の身体が錯覚的に複製されることを指す。

身体イメージ障害は、知覚の歪みや身体意識の低下を伴う。

文献的には、臨場感障害(feeling of presence:FOP、実在しない誰かがいるというありありとした感覚)が脳卒中にともなって現れることはまれであり、

FOPと身体イメージ(個人が作成した身体の感情状態)や身体スキーマ(中枢神経上に統合される身体情報)の障害の併発はほとんど報告されていない。

脳卒中とドッペルゲンガーを併発した例が3つあったそうな。



つぎのようになった。

ケース 1

・62歳の右利きの女性は、突然左腕が自分のものでないと感じた。

・その後、キッチンで左側に誰かがいると感じ、その「人」が自分自身のドッペルゲンガーであると認識した。

・彼女は、その「人」の顔や上半身が自分と全く同じであることに気づいた。

・患者はまた、軽度の発語障害と左半身の麻痺を経験し、MRI検査で右側の上頭頂葉に小さな梗塞が見られた。約36時間後、症状は完全に解消した。

ケース 2

・65歳の右利きの男性が、左側の上半身に奇妙な感覚とコントロール上の問題を感じた。

・彼はその「人」(自分自身のドッペルゲンガー)がいたずらをしているように感じた。

・患者には左側に軽度の痺れがあり、MRIでは右側の上頭頂葉に小さな梗塞が見られた。症状は24時間以内に解消した。


ケース 3

・57歳の右利きの男性は、突然左手と足にしびれを感じた。

・その後、別の「自分」(ドッペルゲンガー)が現れ、何かの働きかけを繰り返した。

・この患者は触覚刺激への麻痺があり、MRIでは右側の上頭頂葉に梗塞が確認された。症状は48時間以内に回復した。


全例に右上頭頂葉の梗塞がみつかった。臨場感障害をともなう身体イメージや身体スキーマの障害は、右上頭頂葉に病変がある場合に発症する可能性がある、


というおはなし。
ドッペルゲンガー

ドッペルゲンガー

ドッペルゲンガー

ドッペルゲンガー


感想:


当初は、麻痺して垂れ下がっていただけの左腕とは別の想像上の左腕が突然現れて、見舞客に手を振って見送っていた思い出がある。

このとき手を振る反動で生じる体の揺れまで感じた。





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