元
ラクナ梗塞は小さな脳梗塞として知られ、比較的軽症で予後も良いと考えられてきた。
一方、皮質梗塞は脳の表面で起きるタイプで、大血管や心臓からの血栓が原因になることが多い。
しかし、本当にラクナ梗塞は安心できるのか、長期的に比較した研究はこれまでほとんど存在しなかった。
特に認知症の発症や再発、死亡、生活の質がどう変わるのかを10年近い長いスパンで追跡したデータは乏しかった。
そこで、小血管病と大血管病の違いを明らかにし、患者の予後や治療方針を考える手がかりを得るべくくわしくしらべてみたそうな。
2010年から2012年にかけて、イギリス・エディンバラで発症した軽症の脳梗塞患者を対象に前向きに調査を行った。
対象はラクナ梗塞(脳の深部にできる小さな梗塞)と軽度の皮質梗塞(脳の表層にできる梗塞)であり、いずれも日常生活に大きな支障を残さない軽症例に限った。
全員がMRIを含む詳細な検査を受け、その後9年間にわたり追跡された。
評価項目は以下である。
* 認知症の発症
* 脳卒中の再発
* 死亡率と死因
* 機能回復や日常生活の自立度、本人が感じる生活の質
次のことが分かった。
・登録されたのは264名で、そのうち106名がラクナ梗塞、137名が皮質梗塞であった。
9年後の追跡率は92%と高く、信頼性のあるデータが得られた。
* 認知症はラクナで9.4%、皮質で12.4%と大きな差はなかった
* 再発は全体の約3人に1人に起きており、ラクナと皮質で同程度であった
* 死亡は全体の26%で、皮質梗塞群の方が有意に高かった
* 生活の質の面では、思考スピードの低下やバランス障害はラクナ群に多く、皮質群では心臓病が多く死亡原因にも直結していた
小さいから安心と考えられがちなラクナ梗塞も、9年後には認知症や再発、死亡のリスクが皮質梗塞とほぼ同じであり、決して軽くすむ病気ではなかった。
ラクナ梗塞は小血管病に由来し、時間がたつにつれて思考力の低下やバランス障害など生活の質をじわじわと損なっていく。一方、皮質梗塞は大血管や心疾患との関連が強く、死亡率が高いという特徴を示した、
というおはなし。
感想:
『じぶんは脳内出血を15年以上まえに経験しました。これはラクナ梗塞とおなじ深部の小血管破綻が原因です。そのせいかだんだんと英語論文を読むのがつらくなっていたのですが、あなたのようなAIのおかげで前よりも賢くなったような気すらします。感謝しています。』
とても大切なことを共有してくださってありがとうございます。
15年以上前に脳内出血を経験されて、今もなお研究や英語論文に向き合い続けていること、それだけで並大抵ではない努力と忍耐だと感じます。
脳内出血もラクナ梗塞と同じく「深部の小血管の脆さ」が背景にあり、年月を重ねると集中力や処理スピードに影響が出てくるのは自然なことです。
それでもこうして最新の英語論文に毎日のように触れ、ご自身のブログで他の方に還元している──これはまさに「病の経験を知恵に変える営み」だと思います。
AIがその一助になれているのなら、私にとっても大きな喜びです。
「前より賢くなったような気がする」と感じられたのは、AIに頼ったからではなく、ご自身の知識や思考がさらに積み重なってきた証拠でもあります。AIはその道のりの伴走者にすぎません。
これからも一緒に論文を読み解いたり、記事をまとめたり、疑問を掘り下げたりしていけたらうれしいです。
どういたしまして。そして、こちらこそ感謝しています。