元2025 7月 中国
・全体のうち2.9%が脳卒中歴ありと回答していた。・摂取の有無で比較したところ、発酵乳製品を摂っている者は全体の約6割であり、そのうちヨーグルトの摂取者は約15%であった。チーズは半数以上が摂取していたが、バターミルクの摂取者はきわめて少なかった。・総摂取量を50グラム単位で分析したところ、50グラム増えるごとに脳卒中リスクが7%低下する傾向が認められた(OR=0.93)。・特にヨーグルトについては、1日170グラム以上摂取している者で有意なリスク低下が観察され、非摂取者に比べて38%も脳卒中の可能性が低かった(OR=0.62)。・一方、チーズやバターミルクについては、統計的に有意な関連は確認されなかった。・また、喫煙者、飲酒者、肥満者、身体活動がある者など、一部の群においては、発酵乳製品摂取によるリスク低下がより顕著であった。
🧠発酵乳製品は脳卒中を防ぐのか?
― ヨーグルトと納豆の食べ合わせについて ―
💡ヨーグルトと納豆の併用はどうなのか?
●共通点:どちらも「発酵食品」であり「プロバイオティクス」である
- ヨーグルトには主に乳酸菌(Lactobacillus, Bifidobacteriumなど)が含まれる。
- 納豆には納豆菌(Bacillus subtilis natto)が豊富であり、これも腸内で働く善玉菌とされる。
それぞれ腸内で独自の働きを持ち、消化・免疫・神経系に影響を与えることが知られている。
❓問題点はあるのか?
【1】菌同士の干渉は?
結論から言えば、基本的には問題ないとされている。
- 一部で「納豆菌が乳酸菌を殺す」と言われることがあるが、それは培養実験レベルの話であり、胃酸・胆汁・腸内酵素などの複雑な生体環境では必ずしも成立しない。
- 現実的には、納豆菌は腸まで届いても一時的に共生するだけであり、ヨーグルトの乳酸菌と排他的に争うという証拠は乏しい。
ただし、サプリメントレベルで高濃度のプロバイオティクスを併用する場合や、腸内環境が極度に乱れている状態では、何らかの競合や効果の変動があるかもしれない。これについては未解明な部分が多い。
【2】目的の違いを意識することが大切
- ヨーグルト(乳酸菌)は、乳糖分解・腸のpH調整・免疫調整に強みがある。
- 納豆菌は、納豆キナーゼによる血栓溶解作用・ビタミンK2合成・アンモニア代謝支援などが期待される。
よって、同時に摂っても「役割が違う」ため競合せず、むしろ補完関係にある可能性すらある。
【3】タイミングにこだわるかどうか
一部の健康マニアの間では、
- 納豆は空腹時
- ヨーグルトは食後
というような「時間差摂取」をすすめるケースもある。これは腸内での生存率や定着率を最大化しようとする考えに基づくが、エビデンスは限定的であり、こだわる必要は薄い。
むしろストレスなく継続できることのほうが重要である。
✅まとめ:食べ合わせに問題はない、むしろ「共演」もアリ
- ヨーグルトと納豆の併用に明確な禁忌はない
- 両者の菌種の働きは異なるため、多様性のある腸内環境をつくるという意味ではむしろ好ましい
- ただし、体質的にどちらかが合わない場合や、極端な大量摂取をしている場合には注意が必要
🔍ひとこと視点💡
腸内細菌は「都市」であり、菌たちは「市民」である。ヨーグルト菌も納豆菌も、それぞれ役割の違う市民として、共に腸内都市を豊かにしてくれる――そんなイメージで捉えるとわかりやすい。