元2025 8月 中国
・脳卒中のない人は、ある人よりビタミンB1の摂取量がやや多かった(1.5 mg/日 vs 1.4 mg/日, p<0.001)。・統計的に調整した結果、ビタミンB1の摂取量が1 mg増えるごとに脳卒中リスクは約37%低下していた(OR=0.63, 95%CI: 0.48–0.83)。・4つの摂取量グループで比べても、最も多く摂っているグループ(Q4)は最も少ないグループ(Q1)に比べてリスクが有意に低かった(OR=0.63)。摂取量とリスクの関係はほぼ直線的で、特に80歳以上ではこの傾向がはっきりしていた。別の条件で分析しても結果はほぼ変わらなかった。
RDA(成人男性1.2 mg/女性1.1 mg)を日本の食材で無理なく満たすには、ビタミンB1の吸収効率や調理による損失も考慮しつつ、主食+肉・魚+豆類+種実類をバランスよく組み合わせるのが現実的である。
1日の例(合計:B1 約1.3〜1.6 mg)
※成人女性RDAを確実に超え、男性RDAにも届く目安
朝
- ごはん(精白米)150g → B1 約0.05 mg
※玄米や胚芽米にすると約3倍(0.15 mg) - 豚ロース薄切り 50g(しょうが焼き) → 約0.45 mg
- 納豆 1パック(45g) → 約0.22 mg
- ほうれん草おひたし 50g → 約0.03 mg
小計:約0.75〜0.85 mg(玄米なら1.0 mg前後)
昼
- 焼きそば(中華麺150g、豚こま30g、野菜)
・中華麺(強力粉製)150g → 約0.09 mg
・豚こま30g → 約0.27 mg
・キャベツ・にんじん → 約0.02 mg
小計:約0.38 mg
夜
- 鯖の塩焼き 80g → 約0.23 mg
- 豆腐の味噌汁(木綿豆腐80g) → 約0.08 mg
- 玄米ごはん 150g → 約0.15 mg
- アーモンド 10粒(12g) → 約0.02 mg
小計:約0.48 mg
合計
- 精白米中心:約1.6 mg
- 玄米・胚芽米多め:約1.8〜2.0 mg
ポイント
- 豚肉(特にヒレ・ロース)はB1含有量がトップクラス(ヒレ100gで0.98 mg)。
- 玄米・胚芽米・雑穀米で主食を置き換えると吸収量アップ。
- 大豆製品(納豆・豆腐)や種実類(ごま・アーモンド)で不足分を補える。
- 調理での損失が大きい(水溶性・熱に弱い)ため、汁ごと食べられる料理(味噌汁、スープ)がおすすめ。
- にんにく・玉ねぎに含まれるアリシンと一緒に摂るとB1の吸収率が向上。
この組み合わせなら、論文でリスク低下がみられた「RDAを少し上回る摂取量」に日本食でも十分到達できる。