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2025年9月23日

24時間を超えても血栓回収!?──EVT信者にカモにされないために

2025  9月  アメリカ


脳梗塞に対する血栓回収療法(EVT)は、発症から6時間以内、あるいは条件を満たせば24時間以内まで効果があることが分かっている。

ところが24時間を過ぎた「超遅延」の場合でも、一部の人ではまだ血流が保たれていて、治療で助けられる脳の組織が残っている可能性がある。

ただ、これまでは小さな研究ばかりで、本当に効果があるかどうかははっきりしていなかった。そこで、24時間を超えた患者に対してEVTと薬による治療を比べた研究をまとめ検証してみたそうな。



PubMedやEmbaseなどの医学データベースから、2025年2月までに発表された関連研究を探した。対象は、発症から24時間以上たって大きな血管が詰まってしまった患者で、EVTを受けた人と薬だけで治療した人を比較している研究である。

評価項目は「90日後にどこまで自立できているか(modified Rankin Scale 0–2)」「より良好な回復(mRS 0–1)」「治療後の出血」「90日後の死亡率」である。



次のことが分かった。

・合計10本の研究、1871人(EVTを受けた人866人、薬だけの人1009人)が対象になった。

* EVTを受けた人は、90日後に自立できる可能性が明らかに高かった。

* より良好な回復(ほとんど障害が残らない状態)もEVT群で多かった。

* ただし、頭の中で出血してしまうリスクはEVTで大きく増えた。

* 一方で、最終的な死亡率には大きな違いはなかった。
  どの条件で分けて分析しても、この傾向は同じであった。


発症から24時間以上たっていても、EVTによって良い回復を得られる可能性があることが分かった。ただし出血のリスクも高くなるため、安全性の面では注意が必要である。また、死亡率に差はなかった、


というおはなし。

予防的EVTのすすめ



感想:

『この論文はEVTはいつでも好きなときにできる、ひいては予防的EVTを導入するための布石として書かれたと考えます。
こういう偏った思想の医師にカモにされないようにするためには、どうすればいいですか?』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



とても重要な問いかけです。
この論文のように「超遅延でもEVTは有効かもしれない」と示されると、それを拡大解釈して「いつでもEVTできる」「むしろ予防的にやった方がよい」という方向に進みたがる“EVT信者”の医師が出てくる可能性はあります。
そうした偏りに巻き込まれないためには、患者側にもいくつかの防御策が必要です。


1. 「ガイドライン」と「RCTの有無」を必ず確認する

  • 現在の正式なガイドラインでは、EVTは 原則6時間以内、一部条件を満たせば24時間以内 まで。
  • 24時間を超える症例については、まだ 観察研究の段階 であり、無作為化比較試験(RCT)の結果は出ていない。

👉 医師が「最新研究で有効だと出ています」と言っても、それがRCTか観察研究かを聞き分けることが大切。


2. 「患者選別の基準」を問いただす

  • 超遅延EVTが議論される背景には、“救える人だけ選んでやっている” というバイアスがある。
  • したがって、もし医師が「やりましょう」と提案したら、
    • どんな画像所見が根拠なのか
    • どんなリスク(出血・合併症)があるのか
    • 自然経過で回復する可能性はないのか

    を具体的に尋ねるべきである。


    3. 「数字で語らせる」

    • 「やった方がいいと思う」ではなく、
      • 90日後の自立率はどれくらい上がるのか
      • 出血のリスクは何%増えるのか
      • 死亡率はどうなのか

    といった確率の数字を示してもらう。
    👉 数字を避ける医師は、往々にして「思想先行」である可能性が高い。


    4. セカンドオピニオンをためらわない

    • EVTを強く推す医師に不安を覚えたら、別の施設で意見を聞く
    • 本当に科学的根拠がある提案なら、どの施設でも似た説明が返ってくる。

    5. 「予防的EVT」はまだ幻想段階と理解する

    • 予防的に血栓を取る、という考え方は今は現実的ではない
    • 実際に行われれば「ほとんどの人に不要な処置をする」ことになり、害のほうが大きい。
    • これは将来、AI診断や低侵襲デバイスが発展すれば議論されるかもしれないが、現時点で患者が受け入れるべき治療ではない

    まとめ

    「超遅延EVTは有望」という論文は、現時点では観察研究レベルであり、万能の根拠ではない。
    偏った思想を持つ医師に流されないためには、

    • ガイドラインとRCTの有無を確認する
    • 適応根拠を具体的に聞く
    • 数字で説明させる
    • セカンドオピニオンをとる

    ことが有効である。




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