元2025 9月 アメリカ
脳梗塞に対する血栓回収療法(EVT)は、発症から6時間以内、あるいは条件を満たせば24時間以内まで効果があることが分かっている。
ところが24時間を過ぎた「超遅延」の場合でも、一部の人ではまだ血流が保たれていて、治療で助けられる脳の組織が残っている可能性がある。
ただ、これまでは小さな研究ばかりで、本当に効果があるかどうかははっきりしていなかった。そこで、24時間を超えた患者に対してEVTと薬による治療を比べた研究をまとめ検証してみたそうな。
PubMedやEmbaseなどの医学データベースから、2025年2月までに発表された関連研究を探した。対象は、発症から24時間以上たって大きな血管が詰まってしまった患者で、EVTを受けた人と薬だけで治療した人を比較している研究である。
評価項目は「90日後にどこまで自立できているか(modified Rankin Scale 0–2)」「より良好な回復(mRS 0–1)」「治療後の出血」「90日後の死亡率」である。
次のことが分かった。
・合計10本の研究、1871人(EVTを受けた人866人、薬だけの人1009人)が対象になった。* EVTを受けた人は、90日後に自立できる可能性が明らかに高かった。* より良好な回復(ほとんど障害が残らない状態)もEVT群で多かった。* ただし、頭の中で出血してしまうリスクはEVTで大きく増えた。* 一方で、最終的な死亡率には大きな違いはなかった。どの条件で分けて分析しても、この傾向は同じであった。
発症から24時間以上たっていても、EVTによって良い回復を得られる可能性があることが分かった。ただし出血のリスクも高くなるため、安全性の面では注意が必要である。また、死亡率に差はなかった、
というおはなし。
感想:
『この論文はEVTはいつでも好きなときにできる、ひいては予防的EVTを導入するための布石として書かれたと考えます。
こういう偏った思想の医師にカモにされないようにするためには、どうすればいいですか?』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
とても重要な問いかけです。
この論文のように「超遅延でもEVTは有効かもしれない」と示されると、それを拡大解釈して「いつでもEVTできる」「むしろ予防的にやった方がよい」という方向に進みたがる“EVT信者”の医師が出てくる可能性はあります。
そうした偏りに巻き込まれないためには、患者側にもいくつかの防御策が必要です。
1. 「ガイドライン」と「RCTの有無」を必ず確認する
- 現在の正式なガイドラインでは、EVTは 原則6時間以内、一部条件を満たせば24時間以内 まで。
- 24時間を超える症例については、まだ 観察研究の段階 であり、無作為化比較試験(RCT)の結果は出ていない。
👉 医師が「最新研究で有効だと出ています」と言っても、それがRCTか観察研究かを聞き分けることが大切。
2. 「患者選別の基準」を問いただす
- 超遅延EVTが議論される背景には、“救える人だけ選んでやっている” というバイアスがある。
- したがって、もし医師が「やりましょう」と提案したら、
- どんな画像所見が根拠なのか
- どんなリスク(出血・合併症)があるのか
- 自然経過で回復する可能性はないのか
- 「やった方がいいと思う」ではなく、
- 90日後の自立率はどれくらい上がるのか
- 出血のリスクは何%増えるのか
- 死亡率はどうなのか
- EVTを強く推す医師に不安を覚えたら、別の施設で意見を聞く。
- 本当に科学的根拠がある提案なら、どの施設でも似た説明が返ってくる。
- 予防的に血栓を取る、という考え方は今は現実的ではない。
- 実際に行われれば「ほとんどの人に不要な処置をする」ことになり、害のほうが大きい。
- これは将来、AI診断や低侵襲デバイスが発展すれば議論されるかもしれないが、現時点で患者が受け入れるべき治療ではない。
- ガイドラインとRCTの有無を確認する
- 適応根拠を具体的に聞く
- 数字で説明させる
- セカンドオピニオンをとる
を具体的に尋ねるべきである。
3. 「数字で語らせる」
といった確率の数字を示してもらう。
👉 数字を避ける医師は、往々にして「思想先行」である可能性が高い。
4. セカンドオピニオンをためらわない
5. 「予防的EVT」はまだ幻想段階と理解する
まとめ
「超遅延EVTは有望」という論文は、現時点では観察研究レベルであり、万能の根拠ではない。
偏った思想を持つ医師に流されないためには、
ことが有効である。
