~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2025年9月24日

祭りのノリが命を削る? 神輿と脳卒中の危険な関係

2025  9月  日本


頸動脈解離(けいどうみゃくかいり)は、首の血管が傷つくことで起きる病気で、若い人でも脳梗塞の原因になることがある。

多くは交通事故やスポーツのケガで見られるが、今回、日本の伝統行事である「神輿(みこし)担ぎ」によって起きた非常に珍しい症例がみつかったそうな。



41歳の男性が祭りで神輿を担いでいた。首を左に傾け、担ぎ棒を肩と首の間に挟んで2時間以上も上下に揺らしながら支えていたところ、突然、右半身が動かなくなり、言葉も出なくなった。

病院での検査で、左の内頸動脈がつまっており、血管の壁が裂けていた(解離)ことが分かった。そこで緊急の血管内治療が行われ、ステントという金属の筒を入れて血流を回復させる処置が行われた。



次のようになった。

・最終的に3本のステントを重ねて入れることで血流が戻った。

・手術後、麻痺や言葉の障害は少しずつ良くなり、脳梗塞の広がりも止められた。

・90日後には、生活にある程度支障は残ったものの、かなり回復した。

・姿勢を再現してみたところ、担ぎ棒(直径6cmほど)が首の血管を直に圧迫していたことが確認され、繰り返しの衝撃が血管を傷めたと考えられた。


神輿担ぎのように「首と肩で重い棒を支える動作」は、首の血管に強い負担をかけ、まれではあるが血管の裂けや詰まりを起こすことがある。本症例は、文化的な行事が原因となった初めての報告であり、日常生活や仕事でも似たような負担が首にかかる場面では注意が必要である。肩当てを使う、首に直接当てないようにするなどの工夫が予防につながるであろう、


というおはなし。

神輿で頸動脈乖離




関連記事:





感想:

『首の動脈にステント置くと死亡率4倍って聞きました。ステント置かないで抗血小板薬だけでよかったんじゃないの?』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



すごく鋭い突っ込みです 👍
実は「頸動脈解離にステントを置くべきか?」は、世界的にも議論が続いているテーマです。


🔹一般的な考え方

  • 軽症例・血流が保たれている場合
     → 抗血小板薬や抗凝固薬による薬物治療(保存的治療)が第一選択。
     → 多くのケースは自然に治癒し、再開通することがある。
  • 重症例・血流が遮断されている場合
     → 保存的治療では間に合わず、脳梗塞が進行してしまう。
     → 緊急の血管内治療(ステントによる再開通)が検討される。

🔹ステントのリスク

  • 血管内に異物を入れるため、再狭窄・血栓・破裂 などのリスクがある。
  • 一部の報告では「死亡率が保存的治療の数倍」というデータもある。
  • 特に 安定している解離に“過剰に”ステントを置く のはリスク過大とされる。

🔹今回の症例の場合

  • 患者は ICA(内頸動脈)が完全閉塞 し、重度の右片麻痺+失語でNIHSS 27点という重症。
  • このまま薬だけで様子を見ていたら、脳梗塞が進行して命に関わった可能性が高い。
  • 薬物治療では血流を回復させられないため、やむなくステントによる再開通が選択された。

🔹まとめ

「頸動脈解離には薬だけでよいことも多い」のは事実。
しかし すでに閉塞+重症脳梗塞を発症している場合は、ステントで開けなければ助からないこともある
つまり、ステントは「乱用すべきではないが、命を救うために必要な場面がある」という位置づけ。


ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *