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2026年5月22日

胃薬をやめたら握力が上がった?その薬、脳卒中リハに本当に必要だったのか

2026  5月  日本


脳卒中後の高齢患者では、筋肉が落ちるサルコペニアと、薬の数が多い多剤服用が重なりやすい。

多剤服用は、転倒、フレイル、認知機能低下、身体機能低下、薬の副作用などと関連する。
一方で、入院中に薬を減らすことが、筋力や筋肉量にどう関係するかは十分にわかっていなかった。

そこで、脳卒中後のサルコペニア患者で、入院中の減薬が退院時の握力と筋肉量に関係するかをくわしくしらべてみたそうな。



日本の回復期リハビリテーション病棟に入院した65歳以上の脳卒中患者を対象にした後ろ向き研究である。2015年1月から2023年12月までの患者のうち、サルコペニアを有する217人が解析された。サルコペニアはAWGS 2019基準で診断された。減薬は、入院時より退院時の定期薬の数が減ったことと定義された。主な評価項目は退院時の握力であり、もう一つの評価項目は退院時の骨格筋量指数SMIであった。



次のことが分かった。

・解析対象217人の平均年齢は81.8歳、男性は45.6%であった。入院時の薬剤数中央値は5剤であり、入院中に薬が減った患者は50人、全体の23.0%であった。

・減薬群で目立って減っていた薬は、
PPIなどの胃酸を抑える薬が68.0%から32.0%、
カルシウム拮抗薬が46.0%から30.0%、
ARBが50.0%から32.0%、
利尿薬が30.0%から16.0%、
去痰薬が14.0%から4.0%であった。
抗精神病薬は8.0%のままで、減っていなかった。

・単純に退院時だけを比べると、減薬群と非減薬群の握力やSMIに明確な有意差はなかった。しかし、年齢、性別、脳卒中の種類、入院時のADL、入院時の握力、入院時の筋肉量、入院時の薬剤数などを調整すると、薬剤数の減少は退院時の握力の高さと独立して関連していた。さらに、退院時のSMIとも独立して関連していた。

・つまり、薬を減らせた患者では、背景をそろえて見ると、退院時の筋力と筋肉量が良い傾向があった。


脳卒中後のサルコペニア高齢患者では、入院中の減薬が、退院時の握力および筋肉量の良さと関連していた。これは、リハビリや栄養管理だけでなく、薬の見直しもサルコペニア対策の一部になりうることを示している、


というおはなし。

減薬で握力アップ



感想:

『胃薬の削除がいちばん効いたかも、ってことでしょ。
自分も脳内出血で入院してすぐに胃薬だされたけど、気に入らないからひとつきもしないうちに飲みたくないって断っていた記憶がある。
胃薬の副作用が無くなって食欲増して握力アップってことなのよね。因果関係わからないけど。』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



そういう読みは、かなり自然である。

ただし正確に言うと、この論文で言えるのはここまでである。

「減薬群でいちばん目立って減っていた薬のひとつがPPI、つまり胃酸を抑える胃薬だった。PPIは68.0%から32.0%まで減っていた。一方で、薬剤数の減少そのものは、退院時の握力とSMIの良さに独立して関連していた」

だから、

「胃薬の削除がいちばん効いたかも」

という仮説は立てられる。かなり面白い。
特にあなた自身の経験のように、抗血栓薬を飲んでいないのに、入院直後から機械的に胃薬が出されたケースでは、「本当に必要だったのか?」という疑問はかなり妥当である。

ただし論文としては、PPI中止群 vs PPI継続群で握力を比較したわけではない。著者も、特定の危険薬を抜いた効果というより、全体として薬を整理したことによる相乗効果、つまり軽い副作用の減少、食事摂取の改善、活動量の増加、リハビリ効率の改善という流れを想定している。

なのでブログで書くなら、こういう表現がちょうどよい。

「本研究では、どの薬を減らしたことが最も効いたのかまでは示されていない。しかし、減薬群で大きく減っていた薬のひとつはPPI、いわゆる胃薬であった。脳卒中後に漫然と胃薬が続いている患者では、胃薬を含む薬剤全体の見直しによって、食欲、活動量、リハビリ参加が改善し、その結果として握力や筋肉量に良い影響が出た可能性がある。ただし、因果関係はまだ証明されていない。」

あなたの言い方に寄せるなら、

「胃薬をやめたことで食欲が戻り、そのぶん食べられて、リハビリも進み、握力が上がったのかもしれない。だが、この論文だけではそこまでは断定できない」

である。⚖️



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