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2011年10月26日

脳卒中後の疲れやすさはしばらくの間 改善しない…


The Course of Fatigue during the First 18 Months after First-Ever Stroke: A Longitudinal Study.
2011  10月  ノルウェー



脳卒中後慢性疲労の時間経過について調べたそうな。



脳卒中後の慢性疲労感は

エネルギー切れになって、燃え尽きたような感覚であり、

悲しさや弱さ といったものとは異なる。



これらを客観的に測定する指標は乏しく、

アンケートの自己申告により評価する。




95人の脳卒中患者について、

性別、身体機能、抑うつ感、疲労度、慢性疲労の前歴

などについて、発症18ヶ月後まで追跡調査した。




その結果、

慢性疲労感の度合いは時間に依らずほぼ一定であった。

また、性別や抑うつ感による違いもほとんどなかった。


特に、慢性疲労の前歴のある患者はその疲労度が大きかった、


というおはなし。




感想:

たしかに、急な気分の落ち込みの頻度は大きく下がったけど、


疲れやすさはあまり改善していない印象がある。


脳の中のモーターがいきなり止まっちゃったような感覚になる。

2011年10月25日

上肢訓練で失語症も治る、一石二鳥のリハビリ戦略とは


Language changes coincide with motor and fMRI changes following upper extremity motor therapy for hemiparesis: a brief report.
2011  10月  アメリカ



上肢運動リハビリが言語機能へ及ぼす影響を調べたそうな。



脳卒中で片麻痺、失語症の患者5人について、

上肢運動訓練を4週間継続した。(2.5時間/日)




その結果、

3人の患者で言語機能の著しい改善が見られた。

また、この3人は上肢運動機能の改善も著しかった。




脳機能MRIによると

この3人の言語を司る脳の領域が左脳から右脳へ

移動していることが確認できた。




上肢運動訓練をすると言語機能も改善されるという

仕組みは未だわからないけど、


解明されればリハビリの効率化につながるだろう、



というおはなし。

2011年10月24日

首が太い脳梗塞患者が1年以内に全て死亡


Neck circumference, a bedside clinical feature related to mortality of acute ischemic stroke.
2011  10月  ブラジル




脳梗塞患者の死亡率と身体的特徴との関連を調べたそうな。


急性期脳梗塞患者89人について、

脳卒中の重症度、

ボディマス指数、首周りの長さ、ウエストヒップ比、

睡眠時無呼吸症の有無 

などについて調べ、1年間追跡した。



その結果、

1年以内に8.9%の患者が死亡した。

首周りの長さが、男性43cm、女性38cm 

より大きい患者は全て死亡していた。



首周りの長さと睡眠時無呼吸症、糖尿病

などとの関連が見られた。


しかし肥満は少なかった。(11%)



首が太い脳梗塞患者は死亡率が高い


というおはなし。

首周囲長と脳梗塞死

2011年10月23日

骨髄間質細胞で脳梗塞を治療するためには


Intracerebral, but not intravenous, transplantation of bone marrow stromal cells enhances functional recovery in rat cerebral infarct: An optical imaging study.
2011  10月  日本



骨髄間質細胞には神経疾患の治療可能性がある。



脳梗塞の場合に、どうやって骨髄間質細胞を移植したら

より効果的であるか、を調べたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミに、

7日後、骨髄間質細胞を、


・静脈に300万個注入  または

・脳へ直接100万個注入

する2つのグループにわけて

4週間 経過を観察し、比較した。




その結果、

骨髄間質細胞注入後、

運動機能が著しく回復し、

かつ 骨髄間質細胞が組織に定着したのは

脳に直接注入したグループだった。



脳梗塞治療目的での骨髄間質細胞の移植は

脳へ直接注入する必要があることがわかった、


というおはなし。




骨髄間質細胞は様々な組織に分化できる
写真:骨髄間質細胞

2011年10月22日

騒々しい場所に長く居ると脳卒中になりやすい


Exposure to workplace noise and the risk of cardiovascular disease events and mortality among older adults.
2011  10月  オーストラリア


騒音の多い環境と脳卒中との関連を調べたそうな。


2942人の被験者について

職場の騒音状況、心血管系疾患等についての調査を行った。



激しい騒音に 1-5年ほど曝されているひとは、

脳卒中になる危険性および死亡率が

騒音の無い環境のひとに比べ非常に高かった、


というおはなし。




2011年10月21日

低周波治療器+ストレッチで手首痙縮を改善する


The efficacy of electrical stimulation in reducing the post-strokespasticity: a randomized controlled study.
2011  10月  トルコ
皮膚表面からの電気刺激が 脳卒中後の手首筋肉の痙縮を改善できるかどうか調べたそうな。


アシュワーススケール2-3の片麻痺患者を次の2グループに分けた。
・手首のストレッチのみ

・手首のストレッチ+伸展筋への電気刺激
電気刺激は、

周波数100Hzのパルスを間欠的に15分間、を目安とした。


その結果、

ストレッチに電気刺激を加えたグループでの

痙縮改善効果が著しかった、


というおはなし。

図:電気刺激とストレッチ 痙縮治療


アシュワーススケール
0:筋緊張に増加なし
1:軽度の筋緊張の増加あり。屈伸にて、引っかかりと消失、あるいは可動域終わりに若干の抵抗あり
1+:軽度の筋緊張あり。引っかかりが明らかで可動域の1/2以下の範囲で若干の抵抗がある。
2:筋緊張の増加がほぼ全可動域を通して認められるが、容易に動かすことができる。
3:かなりの筋緊張の増加があり、他動運動は困難である。
4:固まっていて、屈曲あるいは伸展ができない。


感想:

この電気刺激仕様は、市販の低周波治療器のそれとほとんど同じである。



これを医療機関でやってもらうと、

低周波治療器が数十台買えるくらいの費用が生じる、と予想する。


写真:低周波治療器

2011年10月20日

急性期脳卒中患者の3%が即座に自殺を決断


A Study of Suicidal Thoughts in AcuteStrokePatients.
2011  10月  ポルトガル



急性期脳卒中患者の自殺願望の有無について調べたそうな。



発症後4日以内の脳卒中患者177人について、


15%の患者が自殺を考えた。


・さらにそのうちの22%は自殺を遂行するための

具体的な計画を持っていた。





分析の結果、これらの患者に共通する要因として、


低い教育レベル

・糖尿病

・気分障害の既往歴

・うつ


が考えられた。





急性期脳卒中患者の自殺行動に注意せよ!



というおはなし。







感想:

この割合でいくと

100人の急性期脳卒中患者がいたら

3人はわずか数日間のうちに自殺計画済み、ってことになる。


しかし、急性期じゃ身体も自由に動かないし、監視もきびしいから

本当に実行に移すのはそのうちの 1%程度だろう。


この時、自殺率としては 10万人中30人になる。




日本人の年間自殺率が10万人中24人だから


ほとんど違わない。



なんとも複雑なきぶん。

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