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2011年11月2日

脳卒中後の視野欠損対策は研究途上


Interventions for visual field defects in patients with stroke.
2011  10月  イギリス




脳卒中後の視野欠損は20-57%の患者に見られる。

視野欠損があると自立の妨げになる。



視野欠損対策について調べてみたそうな。




世界中の論文データベースを検索して信頼の置けそうな

研究成果を厳選した。



その結果、

13件の研究が見つかった。

それらの多くは視野欠損を補うための

探索訓練に関するもので、

その評価については まちまちで結論は出せなかった。




脳卒中後の視野欠損については

充分な根拠のある対策法は存在しない、


というおはなし。






感想:

これ、ちょっとちがうけど期待しちゃう。


2011年11月1日

脳卒中後の眼球運動障害はよくあること


Interventions for disorders of eye movement in patients with stroke.
2011  10月  イギリス


眼球運動障害は脳卒中患者のおよそ70%に見られる。

この障害により眼球の位置が定まらず、適切に物を見ることができなくなる。

例えば、物の奥行きや位置感覚が鈍り、本を読んだり細かい作業がしにくくなる。

その結果、リハビリにも良くない影響が出てくる。


脳卒中後の眼球運動障害の治療法についての過去の研究を

洗い出してみたそうな。


その結果、

参考になりそうな研究成果が2件、見つかった。

しかしこれらは薬を使った治療法の研究で、

しかも脳卒中被験者数が5人しかいなかった。


脳卒中後の眼球運動障害の治療法として

有効そうな方法はみつからなかった、

今後の研究が期待される、


といったおはなし。


感想:

自分や他人の経験に照らしてみて、脳卒中のあとの視力低下や複視などの問題についてお医者さんに相談しても 軽くスルーされる。

治してくれるとは期待していないけど、話しても相槌すら打ってもらえないのは 寂しい限り。

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2011年10月31日

GPSで距離確認:今日は何キロ歩いちゃったかな?


Is outdoor use of the six-minute walk test with a global positioning system instrokepatients' own neighbourhoods reproducible and valid?
2011  11月  オランダ




脳卒中患者の歩行リハビリに

GPSが使えるかどうか、調べてみたそうな。



自宅に退院した慢性期脳卒中患者27人について、

その近所の道をつかって6分間歩行テスト(6MWT)を行った。


(6分間歩行テスト:自分のペースで6分間に歩くことができる最大距離を測定する検査)



この距離計測に、GPSとメジャリングホイールを同時に用いて、

2度計測し、その再現性、正確さを検証した。




その結果、

GPSとメジャリングホイールの結果は大変よく一致しており、


知らない土地での6分間歩行テストに

GPSを利用できることが確認できた、   


というおはなし。



感想:

わたしはサイクリングのときにはいつも

アイフォンに入れたランキーパーを使って

GPSで走行距離の確認をしている。

2011年10月30日

脳梗塞の急性期に腎臓病が治る不思議

A Transient Improvement in Renal Function Occurs after Ischemic Stroke. 2011  10月  オーストラリア



脳卒中が腎臓機能に与える影響を調べたそうな。


急性期脳梗塞患者220人について、
血中クレアチニン濃度(Cr)をもって腎臓機能の指標とし、
発症1週間の経過を検査した。


その結果、

・入院時、慢性腎臓病(Cr>1.2mg/dl)とされた患者(62人)の
 Crが平均で0.34mg/dl下がり、腎臓機能が一時的に改善した。

・同様の傾向が糖尿病患者(69人)、心不全患者(89人)についても見られた。

・入院時に腎臓機能が正常とされた患者ではCrの変化はなかった。

・脳卒中の重症度とCrの変化との間に関連はみられなかった。






急性期脳卒中で腎臓の機能が改善することがわかった、

というおはなし。

2011年10月29日

退院後の寿命は、どこで治療を受けたかにはよらない


Survival over 12 years following acute stroke: initial treatment in a stroke unit vs general medical wards.
2011  12月  ノルウェー




脳卒中になったときに、

専門施設で治療を受けた場合と一般病院で治療を受けた場合

とでの長期の死亡率の違いを調べたそうな。




60歳以上、550人の脳卒中経験者について


・脳卒中治療専門施設にかかった患者と


・一般の治療施設にかかった患者とでの


12年後の死亡率を調査した。





その結果、

専門施設では退院するまでは早いけど、

長期の死亡率では両者に違いは見られなかった、



というおはなし。





感想:

でも、短期の死亡率では専門施設の方が低そう。

2011年10月28日

身体パラフレニア:自分の腕じゃないみたい!


Mirror-view reverses somatoparaphrenia: Dissociation between first- and third-person perspectives on body ownership.
2011  10月  イギリス

脳卒中で右脳に損傷を負った患者は自らの身体が

他人のものであるかのような感覚を持つ場合がある。

これを "身体パラフレニア" と言う。


身体パラフレニアのある患者に

鏡を見せた場合の反応を調べたそうな。


右脳損傷で左片麻痺の脳卒中患者5人について、

(うち2人は身体パラフレニアがある患者)

・左腕を直接見る場合と、

・前に置いた鏡に映して見る場合とで

その身体所有感覚を調査した。


結果は、

身体パラフレニアのある患者は、


・自分の左腕を直接見る場合は他人の腕のように感じた。

・鏡に映すと自分の腕のように感じた。

・この切り替えはほとんど一瞬で起きた。

・患者自身はこの身体所有感覚の変化に疑問を感じなかった。

・この切替えに際し実験者が腕に触れても同じ結果だった。


身体が他人のもののように感じる理由は、

自身の感覚統合能力の低下によるもの、と考えられた。


つまり、身体パラフレニアは自身の身体に対する

客観的感覚と主観的な視点との神経学的な

乖離現象であると推測できる。


乳児が初めて鏡に映る自分を理解できないのと同様の

仕組みがあるのかも知れない、


というおはなし。

写真:身体パラフレニア



感想:

これがヒドくなるとエイリアンハンドシンドロームになるのかな。

わたしも、

左手足が自分のものではなく、

高性能の義手、義足であるかのような感覚は常にある。

2011年10月27日

脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う


Fatigue after stroke: manifestations and strategies.
2011  10月  デンマーク

脳卒中経験者が日常生活の中で "疲労"についてどのように感じているのかを調べたそうな。


25人(男15、女17)の脳卒中患者について、

発症後、半年、1年、2年毎に面談を行い 疲労について調査をした。



その結果、

脳卒中患者達は
・通常の生活で経験する疲労  と

脳卒中後に現れたスペシャルな疲労  
とを、明らかに区別して感じていることがわかった。


脳卒中後に感じる疲労は患者にとって初めて経験するものであり、

快復の障害にもなりうるので対策が必要、


というおはなし。

図:脳卒中後の疲労とリハビリテーション



感想:

脳卒中後○○ というときに、すこしまえは "うつ" だったんだけど、最近は "疲労" の記事が多い。

この記事では

tiredness と fatigue という違いで表現されている。

どちらも疲労なんだけど、前者はスポーツしたあとの筋肉的な疲労で、後者は倦怠感に近いニュアンスがある。

もちろん脳卒中後は fatigue

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