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2015年9月3日

片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方


Effects of modified sit-to-stand training on balance control in hemiplegic stroke patients: A randomized controlled trial.
2015  8月  中国
椅子からの立ち上がり訓練に効果的な方法を実験してみたそうな。


脳卒中片麻痺患者50人を2グループに分けた。

*比較グループ:両足を左右対称に置く
*実験グループ:麻痺足をうしろに置く

1回30分間の訓練を週5回、4週間継続した。

訓練前後でのバランス能力を比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループ共に立位バランスが明らかに改善した。

・立ち上がりに要する時間は実験グループが0.9秒短かった。

・体重負荷の非対称性の改善度は 0.06 vs. 0.17で実験グループが大きかった。

・重心動揺長は実験グループが小さかったが、重心動揺面積は大きかった。

・バランス機能評価スコアは 5.8 vs. 8.4 で実験グループが優れていた。


麻痺足を後ろに置いて立ち上がり訓練をすると脳卒中片麻痺患者のバランス能力がより改善する、


というおはなし。

図:立ち上がり訓練

感想:

やってみたけど麻痺足をうしろはけっこうキツイな。

2015年9月2日

脳卒中患者の腿にキネシオテープ貼ってみた その効果は


Effects of Kinesio Tape application to quadriceps muscles on isokinetic muscle strength, gait, and functional parameters in patients with stroke.
2015  7月  トルコ

脳卒中患者の腿に貼ったキネシオテープの効果を調べてみたそうな。


24人の脳卒中患者をキネシオテープの有無で2グループに分けた。

キネシオテープは両側の大腿四頭筋に4週間貼り続けた。

並行して通常のリハビリを週5ペースで行い改善度を比較した。


次のようになった。

・膝の等速曲げ伸ばし運動時のピークトルクは両グループで明らかに増大したが、

・麻痺側の脚のトルク変化分は、キネシオテープグループで有意に大きかった。

・さらに上回るトルク増大を、キネシオテープグループの非麻痺脚で確認した。

・歩行、バランス、移動能力、QoLの向上度はグループ間で有意な差はなかった。


脳卒中患者の大腿四頭筋へ貼ったキネシオテープは等速性運動に効果的だったが、機能的改善効果は見られなかった、


というおはなし。

キネシオテープ

感想:

足首には貼ってみたい気もする。ただ、目立つところに貼らないと気分が高揚しないんだろうな、、

2015年9月1日

不整脈が脳梗塞になる季節がわかった


Cold weather linked to increased stroke risk in atrial fibrillation patients
2015  8月  台湾

気温と脳梗塞との関連を、心房細動患者について調べてみたそうな。

先週の欧州心臓病学会での発表内容。


289559人の心房細動患者を約3年間フォローして、気温と脳梗塞との関連を月ごと、季節ごとに解析したところ、


次のようになった。

・この間に34991件の脳梗塞が起きた。

・平均気温の低い月で脳梗塞リスクが高かった。

・脳梗塞は冬に多く、夏に最も少なかった。

・秋も少なかった。

・2週間内の5℃を超える気温低下で脳梗塞が起きやすかった。

・平均気温30℃の月に比べ20℃を下回ると脳梗塞が明らかに増えた。


心房細動患者は涼しい季節になると脳梗塞を起こしやすくなる、


というおはなし。
図:心房細動
感想:

いっぱんに脳梗塞は夏に多いというから変だな、、と思ったら過去記事にもあった。
脳梗塞の季節がやってまいりました。 水分、すいぶん
心原性の脳梗塞は夏よりも冬におおい。

水分が不足して血液ドロドロになるから脳梗塞、っていう説はアテにならないってことだよな。

2015年8月31日

昼寝で血圧が改善することが明らかに


Midday naps associated with reduced blood pressure and fewer medications
2015  8月  ギリシャ

昼寝と高血圧との関連を調べてみたそうな。

おとといの欧州心臓病学会での発表内容。


平均年齢61、高血圧症の患者386人の昼寝時間を調査し、24時間血圧の測定結果との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・昼寝をする者は昼寝しない者に比べ収縮期血圧が4-5%低く、

・夜間就寝中は血圧がさらに低下した。

・この血圧低下分は数mmHgと小さかったが、心血管疾患リスク10%減に相当した。

・昼寝グループは、動脈硬化の目安になる脈波伝搬速度が11%低く、

・左心房の径も5%小さかった。

・60分間昼寝する者は平均4mmHg収縮期血圧が低下し、就寝中血圧の低下度も大きかった。


昼寝習慣は24時間の平均血圧および就寝中の血圧の低下と関連があり、心臓や動脈へのダメージが少ないと考えられた。たっぷり昼寝をとることで降圧薬を減らせるかもしれない、


というおはなし。

昼寝と血圧


感想:

会社経営者は社員に昼寝を義務付けるべき、、と思ったけど、そのまえに在宅勤務と人工知能ロボットが普及して義務化は必要なくなるだろな。

2015年8月30日

手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!


Effects of a 12-hour neuromuscular electrical stimulation treatment program on the recovery of upper extremity function in sub-acute stroke patients: a randomized controlled pilot trial.
2015  8月  中国
脳卒中患者の上肢への神経筋電気刺激療法(NMES)は刺激時間が長いほど効果的であるという報告がある。

そこで、12時間コースを作って効果を調べてみたそうな。


脳卒中亜急性期で片麻痺の患者45人を3グループに分けた。

*12時間NMES+通常リハビリ
*30分間NMES+通常リハビリ
*通常リハビリのみ

12時間NMESグループは関節が動かない程度の弱い電気刺激を肩へ、夜の就寝中に継続する。30分間NMESグループは日中に刺激する。

これを週6日x4週間続けたのち運動機能、痙縮度を比較したところ、


次のようになった。

・12時間NMESグループで手や手首の運動機能、痙縮度がもっとも改善された。

・肩や肘の改善度にグループ間の差は見られなかった。


12時間NMESグループで上肢の 特に手や手首の運動機能がより改善した。この治療法は就寝中にできるので超おすすめ、


というおはなし。



感想:

ふつう治療時間の上限は医療機関の都合で決まるから12時間はありえない。

そこで低周波治療器の電極を肩に貼って、いちばん弱い設定にして寝る。朝起きたら手が動く。

こういうアイデアは好きだな。

2015年8月29日

小児の脳卒中 最悪の発症時期は、、


Age at stroke onset influences the clinical outcome and health-related quality of life in pediatric ischemic stroke survivors.
2015  8月  カナダ

ちいさな子供は脳の急速な発達段階にある。子供の脳卒中の発症時期と長期的な影響の違いを調べてみたそうな。


脳梗塞を経験した子供90人を、その発症時期別に3グループに分けた。

*出産前後期(31人)
*新生児期(36人)
*幼年期(23人)

数年後の神経症状と健康関連QoLを調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・年齢中央値は、新生児期0.5日、幼年期3.7歳だった。

・出産前後期に脳卒中を経験したグループがもっとも回復が悪く、運動機能、日常生活動作も最低レベルだった。

・一方、新生児期に脳卒中を経験したグループがもっとも回復が良く、健康関連QoLも高かった。


小児の脳卒中は発症時期により回復度が大きく異なった。出産前後期の脳卒中は最も回復がよくなかった、


というおはなし。

写真:周産期


感想:

生まれる直前と直後とでは見た目以上に違うんだな、、

2015年8月28日

安静時の心拍数でわかる脳卒中のなりやすさ


Heart rate and ischemic stroke: the REasons for Geographic And Racial Differences in Stroke (REGARDS) study.
2015  8月  アメリカ

心拍数と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


平均年齢64、脳卒中でない男女24730人を7.6年間追跡調査したところ、


次のことがわかった。

・この間に646人が脳梗塞になった。

・安静時心拍数(拍/分)が10高くなるごとに脳梗塞リスクも10%高くなった。

・心拍数61未満に比べ、"61-70"、"70より高い" 人では 脳梗塞リスクがそれぞれ29%、37%高かった。

・この関連は年齢、性別、人種、運動習慣、血圧を考慮に入れてもなお変わらなかった。


安静時心拍数が高いと脳梗塞リスクも高かった。心拍数を減らせば脳卒中予防になるのかは不明、


というおはなし。

写真:心拍

感想:

自慢じゃないけど心拍数はたかい。

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