元2020 6月 日本
軽い頭部外傷のほとんどは後遺症もなく回復しているが 近年、高齢者で頭蓋内出血(tICH:traumatic intracranial hemorrhage)にいたるケースがおおく報告されている。
そこで、軽症頭部外傷からtICHになる条件としての抗血栓薬の使用とその後の回復についてくわしくしらべてみたそうな。
2015-2017に軽症頭部外傷で受診した患者1122人を対象に、tICHの発生と転帰を確認した。
次のことがわかった。
・55人 4.9%で tICHがおきた。・114人が抗血小板薬を使用し、49人が抗凝固薬を使用していた。・外傷原因は多い順に、転倒(67%)、階段からの落下(8%)、交通事故(7%)だった。・頭蓋内出血の種類は、硬膜外血腫、硬膜下血腫、くも膜下出血、脳挫傷の組み合わせだった。・抗血小板薬の使用が tICHの発生のリスク因子であり、・tICHの拡大には抗凝固薬の使用が関連していた。・30人 2.6%は退院時に回復不良(mRS3以上)で、 tICHとその拡大が関連していた。