元2021 6月 フランス
脳梗塞のあと、血管内治療により血栓除去に成功したとしても期待される回復を示す患者は半数にも満たない。
この理由をあきらかにするべく、再開通に成功した脳梗塞患者への、血栓除去術の試行回数と新たな塞栓域の拡がりおよび予後不良(mRS2以上)との関連をくわしくしらべてみたそうな。
2016-2019の主幹動脈閉塞による脳梗塞で、吸引やステントでの血栓除去術を受けた患者のうち、再開通に成功した419人を対象とした。
MRIの拡散強調画像により新たな塞栓域および梗塞増加量を評価し、血栓除去の試行回数と3ヶ月後の転帰との関連を解析した。
次のことがわかった。
・血栓除去の試行回数は、1回が224人、2回が107人、3回49人、4回以上は39人だった。・24時間後にあらたな塞栓域が生じた患者は23人で、そのうち血栓除去の試行回数は、1回が2人、2回3人、3回7人、4回以上は11人だった。・24時間後の梗塞の平均増加量は、血栓除去の試行回数が、1回だと10ml、2回では16ml、3回21ml、4回以上だと25mlだった。・3ヶ月後、血栓除去の試行回数が多かった者ほど、障害が残る割合が高かった。
脳梗塞後の血栓除去術の試行回数の増加は、あらたな塞栓域と梗塞量の増加と相関していた。そして再開通の成功にかかわらず転帰不良を招いた、
というおはなし。
感想:
現実はCGアニメのようにうまくはゆかず、カテーテルを動かしているだけで最初の血栓が砕けて散って、その先であらたに詰まり梗塞がどんどん拡がるってこと。