元2021 7月 イタリア
脳梗塞や一過性脳虚血発作の患者にたいして、再発予防のために抗血小板薬の2剤併用療法、たとえばアスピリンにくわえてクロピドグレルなどP2Y12阻害薬の組み合わせ、を推すエビデンスが増えてきた。
そこで、脳梗塞再発予防のための抗血小板薬の2剤併用療法(DAPT:Dual Antiplatelet Therapy)とアスピリン単剤治療での比較を、メタアナリシスからこころみたそうな。
軽症の急性脳梗塞またはTIAのうち、
血栓溶解療法や血栓除去術の適応とならない患者へのDAPTおよびアスピリン単剤治療をくらべたランダム化比較試験を厳選して、
データを統合、再解析した。
次のようになった。
・患者21459人を含む4つの研究を対象とした。・クロピドグレルのDAPT試験が3つ、チカグレロルのDAPT試験が1つだった。・DAPTの期間は、21日間が1試験、1ヶ月間が1試験、残り2試験では3ヶ月間だった。・DAPTは脳梗塞の再発リスクを有意に減少させたが、・命にかかわるような大出血のリスクも有意に高かった。・頭蓋内出血リスクは3倍、全死亡リスクも高かった。
軽症脳梗塞やTIA患者への抗血小板薬の2剤併用療法では、アスピリン単剤治療にくらべて、より脳梗塞の再発予防にはなるものの、大出血で死亡するリスクが高かった、
というおはなし。
感想:
たとえ患者が出血で死んでも、再発を防げるのならヨシ!ってことなんやね。
