元2022 3月 フィンランド
脳卒中後の神経可塑性と認知機能の回復は、刺激豊富な環境によって促されることが動物実験でわかっている。
最近では、音楽刺激によって脳卒中亜急性期の認知機能が改善するという報告がいくかある。
とくに声楽を含む音刺激が言語ネットワークの構造および機能結合の変化をもたらすという。
そこで、音刺激による言語ネットワーク以外の脳構造への影響をくわしくしらべてみたそうな。
亜急性期の脳梗塞または脳出血の患者38人について、声楽、器楽またはオーディオブックを3ヶ月間聴くように無作為に分けた。
MRIで脳の拡散異方性の程度を画像化して変化を比較した。
次のようになった。
・オーディオブック群と比較して、声楽群、器楽群では、両脳半球での背側および腹側の複数箇所での縦方向への神経構造の異方性が、脳梁と同程度に増加していた。・オーディオブック群では声楽、器楽群と比べて構造変化は認められなかった。