元2022 6月 日本
世界脳神経外科学会(WFNS)基準でのグレードⅤのくも膜下出血患者は予後不良であることがおおい。
その機能転帰の予測因子はあきらかになっていないので、くわしくしらべてみたそうな。
2008-2019年のWFNSグレードⅤのくも膜下出血患者の記録を解析した。
次のことがわかった。
・144人の患者が対象となった。・このうち、15.3%がmRS0-3の転帰良好で、84.7%は転帰不良だった。・動脈瘤の外科手術は、臨床的に改善傾向が見られる患者に適用され、転帰良好患者の全員、転帰不良患者の21.3%におこなわれた。・GCSが最低の3、脳浮腫スコア高、両側の瞳孔反射の欠如、高血圧、が転帰不良と有意に関連していた。
最重症グレードのくも膜下出血患者のうち15%は転帰良好だった。意識がまったくない、高脳浮腫、瞳孔反射がない患者は転帰不良だった、
というおはなし。
感想:
くも膜下出血は軽症だとFAST(顔腕口)症状があらわれず、
頭痛だけだからふつうは病院にゆかず我慢しているうちに自然に治る。
おもに意識がなくなるような最重症患者が救急車で担ぎ込まれるので死亡率が高くみえる。
しかし脳のそとでの出血なので脳梗塞や脳内出血のようにすぐに脳組織の壊死がおきるわけではない。
だから重症であっても後遺症もなく完全に回復できる患者が少なくない。
