元2023 1月 スペイン
近年、脳損傷と社会的認知力(他者の感情を正しく認識し、自身の感情を管理する能力)の関係に関心がたかまっている。
脳卒中が社会的認知力に与える影響について、とくに右脳損傷との関連をくわしくしらべてみたそうな。
右脳に脳梗塞を発症した患者41人と、健常者45人を対象に、つぎの2つのテストをおこなった。
EK-60Fテスト:60枚の顔写真を幸福、悲しみ、嫌悪、恐怖、驚き、怒りの6つの基本的な感情に分類する。
IAPSテスト:54枚の日常写真を主観的に快-不快のグレード評価および社会的-非社会的に分類する。
次のことがわかった。
・脳梗塞患者群は健常者とくらべて顔面情動認知の成績が低く、社会的刺激写真への反応も弱かった。・同様に、患者群では驚きを「不快」として、嫌悪を「快」として認識しがちだった。・右脳の尾状核に損傷のある患者では、他の損傷部位にくらべて幸せと悲しみの認知が低かった。同半球の前頭葉損傷では驚きの認知に障害がみられた。
右脳損傷の脳卒中患者では他者の顔面の感情認識力が低下し、主観的感情体験も弱くなった。とくに右脳の尾状核への損傷で他人の幸せや悲しみを認識しにくくなった、
というおはなし。
感想:
まさに右脳のそのあたりをやられたので関心がある。
なるほど気が付かないうちにひどいことを言ってしまっていることがよくある。
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