元2023 3月 中国
脳梗塞患者の転帰には栄養状態が影響する。栄養不良の患者には肺炎や感染症、床ずれがよく見られる。
脳梗塞患者は嚥下障害や意識障害のため栄養不良になりやすい。
早期の栄養評価には、NRS-2002やGNRI、などのツールがあるものの、患者相手には必ずしも適切ではない。
CONUT (controling nutritional status)スコアは入院患者の栄養不良評価が容易で予後予測に適しているとする報告がいくつかある。
そこで、CONUTスコアにもっとも影響する因子をくわしくしらべてみたそうな。
CIRCLE臨床試験の記録から入院2日以内の急性脳梗塞患者について、栄養不良評価であるNRS-2002およびCONUT、神経症状の程度NIHSSの記録を、抽出した。
NRS-2002スコアは、BMI、過去3ヶ月間の体重減少、最近1週間の食事摂取量、致死的疾患の有無から算出した。
CONUTスコアは血清アルブミン濃度(たんぱく質代謝)、末梢リンパ球総数(免疫能)、総コレステロール濃度(脂質代謝)から算出され、それぞれの測定値が低いほどスコアは高く、栄養状態は悪い。
次のことがわかった。
・平均年齢62、231人の脳梗塞患者が対象になった。・59.3%137人のCONUTスコアが高く、37.2%86人はBMIが高かった。・50.6%117人のNRS-2002のスコアは3未満で栄養不良リスクは低かった。・低NIHSSおよび若年が低CONUTと関連していた。・とくに高脂血症は低CONUTと独立に関連していた。・BMIとCONUTとの独立した関連は認められなかった。
急性脳梗塞患者の半数以上に栄養不良の危険があった。高脂血症はCONUTの観点からは保護因子であるとわかった。NRS-2002やBMIは脳梗塞患者の栄養不良評価に適さない可能性がある、
というおはなし。
感想:
玉子は脂質が豊富で完全食、たくさんたべてほしい。
年齢が高くなると栄養不足になりがちだから、高脂血症を目指すくらいがちょうどいいってことと理解した。
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