~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2012年1月21日

脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について


Endogenous neurogenesis after intracerebral hemorrhage.
2012  1月  スペイン

脳の損傷が内因性の神経新生を促すことが哺乳類で確認されている。

主に脳室近傍で新たに生まれた神経細胞が、

脳の損傷部位に移動する。


人為的に脳出血をおこさせたネズミについて

この神経新生現象を調べてみたそうな。


その結果、

脳出血後72時間-7日間で

神経新生が活発になることがわかった。

しかしこれらほとんどの細胞は3週間以上経つと死んでしまう。


一方で脳出血後1年以上経ってもこの神経新生が

細々と続くこともわかった。


これらの現象を人間の脳出血治療に

生かせるようになるかもしれない、   


というおはなし。
図:新生した脳神経細胞の移動


感想:

外から幹細胞でも入れないと再生しないものと思っていたけどそうでもないようだ。↓↓↓
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに

脳卒中で海馬の神経新生に異常

梗塞で死んだ脳組織が勝手に再生するタイミング

2012年1月20日

PTまえのrTMSで訓練がはかどる


Low-frequency rTMS promotes use-dependent motor plasticity in chronicstroke: A randomized trial.
2012  1月  イタリア



反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)が理学療法(PT)に

与える影響を調べてみたそうな。



30人の慢性期脳卒中患者について、

脳の健常側への低頻度rTMSを10日間施行した。


また、rTMSは

・本物の刺激グループと

・偽の刺激グループに分けて


さらに、

・PTの前に刺激、または

・PTのあとに刺激、

のグループに分けた。


3ヶ月後までの上肢機能の回復具合と

脳神経の興奮程度を評価、比較した。



その結果、

・いずれのグループの上肢機能が改善した。


・偽刺激グループの効果は小さく一時的だった。


・特に、理学療法の前に磁気刺激を受けたグループで

 著しく訓練効果があがった。




理学療法訓練の直前にrTMSをすることで

リハビリがはかどることがわかった、


というおはなし。

2012年1月19日

ビデオを見るだけのミラーニューロン上肢リハビリ


Clinical Relevance of Action Observation in Upper-Limb Stroke Rehabilitation: A Possible Role in Recovery of Functional Dexterity. A Randomized Clinical Trial.
2012  1月  イタリア




ミラーニューロンを利用した脳卒中後の上肢リハビリ

の可能性について調べてみたそうな。



脳卒中後30日前後の患者30人を

・実験グループ と

・比較グループ

に分けた。



実験グループには、

通常のリハビリに加え、

上肢を使った他人の日常動作ビデオを見せた。

ビデオの後、2分間、同様の動作を行うよう指示した。



比較グループでは、

通常のリハビリに加え、

人物の写っていない静止画を見せた。

その後、実験グループの患者と同様の

肩、肘の動作を行わせた。





実験前と4週間後、5ヶ月間後

の上肢機能をさまざまな角度から評価した。





その結果、

・両グループ共に機能向上が認められた。

・特に実験グループでのボックスブロックテスト

スコアの向上が著しかった。





ミラーニューロンの働きを応用した

ビデオ動作観察による上肢リハビリの効果を

確認することができた、



というおはなし。






感想:

カンフー映画を観た後に

手足の動きがキビキビするのは

そういうわけだったのか。


写真:ミラーニューロン

2012年1月18日

感覚麻痺があるとイメージトレーニングが難しくなる


Reduced Upper Limb Sensation Impairs Mental Chronometry for Motor Imagery After Stroke : Clinical and Electrophysiological Findings.
2012  1月  ドイツ




脳卒中リハビリへのイメージトレーニングに関心が高まっている。



感覚麻痺患者のイメージトレーニング効果

について調べてみたそうな。



・健常人と

・感覚麻痺のある患者、

・運動麻痺のみの患者について


箱の中にある15個のブロックを一方の側から

別の側に手で移動させるテストを行い

要した時間を測定した。



イメージで移動させる時間も測定して、

実際の移動にかかった時間とのズレの割合を評価した。


また、磁気刺激検査により

イメージ時の脳脊髄の興奮性も調べた。





その結果、

・感覚麻痺があると移動に時間がかかった。


・感覚麻痺患者は麻痺手についての

イメージ能力の低下が認められた。


・感覚麻痺患者のイメージ時の

脳脊髄興奮性が異常なまでに低かった。







脳卒中で感覚麻痺を持っていると

心理的な時間処理能力が異常に低下する

ことがわかった、


というおはなし。




感想:

これはよくわかる。


麻痺手に関して物事が今どういう

状況にあるのか想像ができない、

ってことだと思う。



触覚が入ってこないと、

動作を持続することができなくて、

例えば、カバンを持っていても

いつのまにか手を離してしまうんだよね。

2012年1月17日

患者『僕ぁ しあわせだなー』、妻『あんたのせいで人生台無しよ!』


Life satisfaction of couples 3 years after stroke.
2012  1月  オランダ




脳卒中患者とその配偶者の生活満足度

について調べたそうな。



脳卒中になったばかりの患者夫婦78組について

その生活満足度を3年間、継続的にアンケート調査した。




その結果、

・生活全般に不満を感じている割合は、

配偶者50%、患者28%だった。



・患者の社会参加の程度と配偶者の生活満足度

が患者の満足度に著しく関連していた。




慢性期脳卒中患者の生活満足度は

配偶者共に低下する。

特に配偶者は患者よりも満足度が下がる。



配偶者を含めてサポートするリハビリ計画が

必要ではないだろうか、



というおはなし。

2012年1月16日

マレーシア伝統のリハビリマッサージ方法


Urut Melayu for Poststroke Patients: A Qualitative Study.
2012  1月  マレーシア




マレーシアの伝統的マッサージ:Urut Melayu

脳卒中リハビリに応用してみたそうな。



既にマレーシアの3箇所の病院で採用されていて、

3年が経ち、さらなる拡大を計画中。



これを経験した17人の脳卒中患者と

施術者2人に面談してその効果を分析した。



その結果、

患者に概ね気に入られていることがわかった。


このマレーシア式マッサージは脳卒中後の

代替療法の1つとして普及する可能性がある。


このマッサージができる要員をもっと増やさねば、


というおはなし。



感想:

Urut Melayu がどんなものか調べてみた。


似たようなことをしている理学療法士をみたことがある。

2012年1月15日

インタラクティブメトロノームセラピーの脳卒中リハビリ効果


A pilot study of rhythm and timing training as a supplement to occupational therapy in stroke rehabilitation.
2011  12月  アメリカ




インタラクティブメトロノーム(IM)セラピー

脳卒中リハビリに応用してみたそな。



IMセラピーはパソコンから聴こえてくる音のタイミング

にあわせて手を叩いたり、足を鳴らしたりして、

聴こえた音とのタイミングの一致具合がリルタイムに

スコア表示されるというものである。



・IMセラピーを、通常の作業療法に加えたものと、

・作業療法のみ


の場合とで、その効果を比較した。




週に3日、10週間継続した結果、



機能回復の点で両者に違いはなかった。



IMセラピーは作業療法を楽しくするための

余興として行なってもいいかもね、


というおはなし。



インタラクティブメトロノームセラピーとは






感想:

"ダンスダンスレボリューション"、"太鼓の達人" など、

似たようなことができるゲーム機はすでにたくさんあるので、

今ひとつインパクトに欠ける印象。



しかし tDCS よりは取り組む姿勢に誠意が感じられる。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *