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2013年1月4日

【上肢麻痺】イメージトレーニングは促通なみの効果しかない


Effect of Mental Practice on the Improvement of Function and Daily Activity Performance of the Upper Extremity in Patients With Subacute Stroke: A Randomized Clinical Trial.
2012  12月  オランダ



脳卒中後の上肢リハビリにイメージトレーンングを

加えたときの効果を調べてみたそうな。




患者を次の2グループに分けた。

・イメトレグループ

→通常のリハビリに加えビデオベースのイメージトレーニングを行う。


・比較グループ

→通常のリハビリに加え、神経促通運動を行う。




これらを1日3回×6週間行い、

上肢の器用さや日常生活動作を評価する3種類のテストで違いを比較した。




次のようになった。

・両グループ共に、2種類のテストスコアが改善した。

・"Frenchay arm test"でイメトレグループのみ著しいスコアアップがあった。

・とは言うものの、両グループ間でトレーニング成果の明らかな違いがあるとは言えなかった。







イメージトレーニングによる効果を確認できたが、

神経促通運動と同程度のものだった、残念



というおはなし。

2013年1月3日

療法士さんは女性と外人には時短しがちであることが明らかに


Gender and being born overseas influences the amount of acute stroke therapy.
2012  12月  オーストラリア



脳卒中発症後2週間以内に受ける理学療法(PT)、作業療法(OT)の

総時間、頻度、強度に影響する要因を調べてみたそうな。



7施設、274人の脳卒中患者データを解析した。


次のことがわかった。

・1日にだいたい40分間のPT,OTを受けていた。

・女性はPT,OTの時間がトータルで2割ほど短かった。

・外国生まれの患者は高強度のPT,OT時間が2割ほど短かった。

・重症な患者ほどPT,OT時間が長かったが、高強度訓練は減った。

・年齢との関連はなかった。





患者の特徴によってセラピー時間が変わっていた。

療法士さんたちが自らの偏見に気づいてくれることを望む



というおはなし。





メモ:ゲリがとまらない。

2013年1月2日

アメリカじゃTIAでヘリコプターに乗れるらしい


Interhospital helicopter transport for stroke.
2013  1月  アメリカ


田舎の病院から都会の病院へ

ヘリコプターで運ばれてきた脳卒中患者の

内訳と傾向について調べてみたそうな。




次のようになった。


・2003-2008に、脳卒中患者347人のヘリコプター移送があった。

・病名内訳は、脳内出血44%、クモ膜下出血24%、硬膜下血腫14%、脳梗塞,TIA9% だった。

・到着後、28%で血管撮影が、32%で神経外科手術、血腫除去、動脈瘤クリップが行われた。

・この間に、脳梗塞やTIAで運ばれてくる患者は3倍に増えた。

・移送前に血栓溶解(tPA)治療を受けている患者も大幅(0%→3%)に増えた。





ヘリコプター移送のおかげで田舎住まいの人でも安心


というおはなし。





感想:

退院後、請求書を見てビックリ。

どうして放っておいてくれなかったのか、

と苦情が殺到する予感。

2013年1月1日

TIAのあと脳卒中が再発する6つのリスク要因とは


Analysis of multiple risk factors for the recurrence of nondisabling stroke.
2012  8月  中国



無障害脳卒中(一過性虚血発作、軽症脳梗塞)のあとに

脳卒中が再発するリスク要因を調べてみたそうな。



2006-2009に無障害脳卒中になった患者620人について、

年齢、性別、肥満度、喫煙、飲酒歴、血圧、手足の衰え、言語障害、糖尿 

等のリスク要因と90日以内の脳卒中再発との関連を解析した。



次のようになった。

発症後90日以内の再発リスク要因、


・1時間以上続く症状

・言語障害

・手足の筋力低下

・BMI25以上

・脳血管障害歴

・超音波検査での頸動脈プラーク






無障害脳卒中のあと再発するリスク要因を6つに絞り込むことができた



というおはなし。

2012年12月31日

ボツリヌス毒素を脳に直接打ち込む計画が着々と進行中


Intracerebrally Applied Botulinum Neurotoxin in Experimental Neuroscience.
2012  10月  ドイツ



ボツリヌス毒素は神経筋疾患や美容目的で広く利用されている。


ボツリヌス毒素はシナプス間の伝達物質の放出をブロックすることができるので

現在、新たな応用として

ボツリヌス毒素を中枢神経系へ直接注入する方法が検討されている。



すでにネズミの脊髄や神経核、大脳辺縁系と皮質神経回路への

ボツリヌス毒素の影響が研究されている。



これら動物実験の結果から

疼痛、癲癇、脳卒中、パーキンソン病への応用が期待されている、


というおはなし。





感想:

2013年のあたらしいトレンドはコレにちがいない。


頭に針を突き立ててボトックスを注入、

脳が麻痺して全ての悩みから解放される。

2012年12月30日

健康なほうの脳を磁気刺激したら、麻痺した手が動き出した


Low frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to the non-lesioned hemisphere improves paretic arm reach-to-grasp performance after chronic stroke.
2012  12月  タイ



rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療の

上肢麻痺改善効果を検証してみたそうな。



発症5年前後で上肢麻痺のある

9人の脳卒中経験者について、

健常側の脳に1ヘルツのrTMSを20分間与えたあとの

手の動き、運動誘発電位等を調べた。

また、比較のための偽刺激の際には、

本刺激と同様の音を発生させるようにした。




次のようになった。


・磁気刺激後、麻痺していない方の指筋肉への運動誘発電位が大きく下がった。

・麻痺手の動作速度、動作範囲が大きくなり、正確さも増した。

・偽刺激ではこのような変化はなかった。

・非麻痺手の運動を抑制することと麻痺手の動作向上との間に相互関連が見られた。





健常側の脳を抑制するrTMSが

麻痺手の運動機能を改善することがわかった



というおはなし。





感想:

最近、rTMS関連の研究を目にする機会が減った気がする。

あらたな進展が無く、途上国にブームが移りつつある感。

2012年12月29日

脳卒中で外国語様アクセント症候群になり一躍世界から注目される爺さん


Englishman wakes up from stroke speaking fluent Welsh
2012  12月  イギリス



脳卒中がきっかけで突然別の言語をしゃべるようになった爺さんがいるそうな。


イギリスの81歳の爺さんが、脳卒中で3週間昏睡したあと

英語をすっぱりと忘れて、ウェールズ語をしゃべるようになった。



彼は第二次世界大戦中にウェールズに疎開していたことがあるものの、

ウェールズ語を勉強したことはなかった。



お医者さん曰く、

これは失語症の一種で外国語様アクセント症候群である、

とのこと。



現在は再び英語を話せるように訓練中、


というおはなし。



その爺さんへのインタビュービデオ




感想:

外国語様アクセント症候群はときどき記事になる。

脳卒中のあとでいきなり関西弁になってたらオレは泣く (;_:)

歯医者にかかったばかりに大阪弁になったらオレは泣く (;_:)



本人がでてくるのは珍しいんじゃないかな。

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