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2025年8月28日

歩行改善の夢は幻?──ボツリヌス注射に揺れる期待と失望

2025  6月  イタリア


脳卒中のあとによく見られる「つっぱり(痙縮)」は、とくに足首やふくらはぎに出やすく、足先がつま先立ちや内側にねじれたような形になる。こうした状態は歩きにくさや転びやすさを招き、介護する人の負担にもなる。

そこで、筋肉のつっぱりをやわらげる治療として「ボツリヌス毒素(BoNT)注射」が広く使われてきた。けれども「つっぱりが減っても、歩けるようになるのかどうか」ははっきりしていなかった。そこで、その点を改めてくわしくしらべてみたそうな。

2024年12月29日

高価な無駄!?ボトックス治療が慢性期脳卒中に効かない現実

2024年  11月  オーストラリア


脳卒中後の上肢痙縮に対するボトックス治療は広く行われているが、慢性期脳卒中患者における効果は明確でない。

特に、重度の上肢障害を抱える患者に対する有効性については不明な点が多いのでくわしくしらべてみたそうな。

2024年9月30日

ボトックス治療の限界!効果が薄れ5年以内に脱落の事実

2024  9月  イタリア


脳卒中後に生じる痙縮は、多くの患者にとって大きな課題である。

この筋肉の硬直は日常生活に支障をきたし、生活の質を低下させる。

ボトックス(ボツリヌス毒素A)は、この痙縮を緩和する治療法として広く使用されているが、その長期的な効果は不明確な部分が残っている。

そこで、ボトックス治療が長期間にわたってどのように効果を発揮するのかを検証するため、最大14年間にわたる患者のデータをくわしくしらべてみたそうな。

2022年4月28日

ボツリヌス注射+集中リハビリの長期結果

2022  4月  オーストラリア


ボツリヌス毒素の注射は痙縮を軽減する効果が示されているが、注射だけでは日常生活動作の改善にはつながらないことがメタアナリシスであきらかになっている。

そして、注射後にリハビリ介入した場合の改善可能性を検証するランダム化比較試験 InTENSEフェイズ3の長期結果がでたそうな。

2020年8月10日

ボツリヌス注射と上肢運動パフォーマンス

2020  7月  アメリカ


脳卒中経験者の20-40%は痙縮を経験し、その97%は中等度以上の痙縮レベルという。

痙縮があると筋力が低下し、運動能力も低下する。

ボツリヌス神経毒(BoNT)注射は局所的な痙縮に対する第一選択の治療法として考えられている。

そこで、脳卒中経験者での痙性上腕二頭筋の力制御に対するBoNT注射の効果を定量評価してみたそうな。

2020年4月22日

上肢麻痺ボツリヌス療法のメタアナリシス


Botulinum Toxin Type A for Upper Limb Spasticity in Poststroke Patients- A Meta-analysis of Randomized Controlled Trials
2020  4月  中国

脳卒中のあとの痙縮の発生率は3ヶ月時点で20%、12-18ヶ月では36%に見られるという。

痙縮治療のための全身投与薬たとえばバクロフェンなどは正常な筋力の低下をもたらし効果も長続きしない。

ボツリヌス毒素A型の注射は肘、手首、指などの特定の筋肉にたいし筋緊張を軽減する効果があり脳卒中後の痙縮治療に期待されている。

そこで、ボツリヌス毒素A型の痙縮治療効果について、これまでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2020年1月6日

ボツリヌス療法にダイナミックスプリントは意味無し


Effects of dynamic lycra orthosis as an adjunct to rehabilitation after botulinum toxin-A injection of the upper-limb in adults following stroke: A single-blinded randomized controlled pilot study
2019  12月  トルコ
脳卒中後の上肢の痙縮にたいして、ボツリヌス毒素の注射とリハビリテーションの組み合わせが効果的であるとすすめられている。

しかしどのようなリハビリを組み合わせるべきはよくわかっていない。

ダイナミックスプリントの一種であるライクラ軟性装具(dynamic lycra orthosis)は その素材による保温性、圧力、ストレッチ力により筋緊張を調整し 感覚運動機能を改善する効果があると考えられている。

そこでボツリヌス毒素注射にライクラ軟性装具を組み合わせたリハビリをおこなったときの効果を実験してみたそうな。

2019年12月11日

Stroke誌:ボツリヌス注射+上肢訓練=効果ゼロ


Effect of Additional Rehabilitation After Botulin Toxin-A on Upper Limb Activity in Chronic Stroke
2019  12月  オーストラリア

メタアナリシスによると ボツリヌス毒素Aには痙縮を和らげる効果はあるが日常生活動作の改善には結びつかないという。

臨床ガイドラインではボツリヌス注射後のリハビリ訓練を勧めている。しかしこの指針の科学的根拠は確認されていない。

そこで、ボツリヌス注射後に3ヶ月間の運動リハビリを追加したときの効果をきっちりと検証してみたそうな。 InTENSE (Intensive Therapy Efficacy After Neurological Spasticity Treatment)トライアルのフェーズ3に相当する。

2019年11月24日

ボツリヌス療法の二重盲検ランダム化比較試験


Exploratory Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial of Botulinum Therapy on Grasp Release After Stroke (PrOMBiS)
2019  11月  イギリス

脳卒中後の痙縮は屈筋の過剰収縮によりおきる。

これまでボツリヌス毒素A型(onabotulinumtoxinA)が痙縮をやわらげるという報告がいくつもあった。しかしいずれも比較対照群を設けず盲検にもなっていない調査ばかりであった。

この効果を確定するべく、二重盲検のランダム化比較試験 PROMBISトライアルをおこなっていみたそうな。

2018年7月4日

ボツリヌス療法で上肢機能は改善するのか?


Does botulinum toxin treatment improve upper limb active function?
2018  6月  イタリア

脳卒中後の痙縮は機能障害や能力障害のおもな原因であり、とくに上肢での影響がおおきい。

痙縮はボツリヌス毒素の筋肉注射により局所的に緩和できる。しかしこれによって上肢機能が改善するかどうかについては結論がでていない。

そこでこれまでの研究を総括してみたそうな。

2018年1月11日

ボツリヌス療法の歩行改善エビデンス


A systematic review: efficacy of botulinum toxin in walking and quality of life in post-stroke lower limb spasticity.
2018  1月  オーストラリア

脳卒中経験者にとって歩行の改善はもっとも関心のたかいテーマである。下肢痙縮へのボツリヌス療法の歩行とQoL改善効果についてはいまだあきらかでない。

そこでこれまでの研究についてシステマチックレビューをおこなってみたそうな。

2015年12月25日

ボツリヌス療法、痙縮、疼痛の関連


Relationship Between Botulinum Toxin, Spasticity, and Pain: a Survey of Patient Perception.
2015  12月  カナダ

痙縮と疼痛のある脳卒中患者へのボツリヌス療法の効果を調べてみたそうな。


痙縮のある131人の患者について、疼痛の強さ、痙縮との関連、ボツリヌス療法後の主観的改善程度を評価したところ、

2014年6月14日

手の痙縮 ボツリヌス療法後の過ごし方


Adhesive taping vs. daily manual muscle stretching and splinting after botulinum toxin type A injection for wrist and fingers spastic overactivity in stroke patients: a randomized controlled trial.
2014  6月  イタリア

手の痙縮を改善するのに効果的なボツリヌス療法後の過ごし方を調べてみたそうな。


脳卒中で上肢麻痺の患者70人についてA型ボツリヌス毒素を注射した。

その後、

*手首、指の屈筋のテーピンググループ
*毎日{ストレッチ+関節ほぐし運動+スプリント}グループ

に分けて10日間の治療のち、さらに2週間、1か月後まで改善効果をフォローした。


次のようになった。

・毎日ストレッチグループに比べ、テーピンググループでは2週間後、1ヶ月後も手首、指の痙縮スコアは小さかった。

・さらにテーピンググループでは安静時の指の位置が1か月後まで著しく改善していた。


ボツリヌス療法後の過ごし方として、手首、指の屈筋のテーピングは、毎日{ストレッチ+関節ほぐし運動+スプリント}よりもずっと効果的であることがわかった、


というおはなし。

指テーピング



感想:

ボツリヌス療法後は、外からの力の干渉は好ましくないってことなんだろな。

2013年5月2日

ボツリヌス療法とCI療法は上肢リハビリにほとんど役立たないことが判明


A meta-analysis evaluating the effectiveness of two different upper limb hemiparesis interventions on improving health-related quality of life following stroke.
2013  4月  イギリス

脳卒中患者の上肢麻痺治療法の効果を定量的に評価してみたそうな。


ボツリヌス療法とCI療法について信頼の置ける研究を厳選して、そのデータを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・ボツリヌス療法2件の研究データからは健康関連QOLについて意味のある改善結果は得られなかった。

・CI療法4件の研究データからも日常生活、手の機能いずれについても明らかな改善が見られなかった。

・他の側面(可動性、やる気、社会参加など)についても同様に目立った効果はなかった。


ボツリヌス療法やCI療法をいくらやっても生活で実感できるレベルの改善は得られないことがわかった

というおはなし。





感想:

業界の空気を読めない研究者がときどきこういうことを言い出す。

非常識だ、まったくけしからんと思う。

2012年12月31日

ボツリヌス毒素を脳に直接打ち込む計画が着々と進行中


Intracerebrally Applied Botulinum Neurotoxin in Experimental Neuroscience.
2012  10月  ドイツ



ボツリヌス毒素は神経筋疾患や美容目的で広く利用されている。


ボツリヌス毒素はシナプス間の伝達物質の放出をブロックすることができるので

現在、新たな応用として

ボツリヌス毒素を中枢神経系へ直接注入する方法が検討されている。



すでにネズミの脊髄や神経核、大脳辺縁系と皮質神経回路への

ボツリヌス毒素の影響が研究されている。



これら動物実験の結果から

疼痛、癲癇、脳卒中、パーキンソン病への応用が期待されている、


というおはなし。





感想:

2013年のあたらしいトレンドはコレにちがいない。


頭に針を突き立ててボトックスを注入、

脳が麻痺して全ての悩みから解放される。

2012年12月21日

体外衝撃波療法とボツリヌス療法を組み合わせたら上肢の痙縮が治った


Sbote Study: Extracorporeal Shock Wave Therapy Versus Electrical Stimulation After Botulinum Toxin Type A Injection For Post-Stroke Spasticity-A Prospective Randomized Trial.
2012  12月  イタリア



体外衝撃波療法は整形分野での疼痛治療に用いられている。

これとボツリヌス療法を組み合わせてみたそうな。



上肢に痙縮のある脳卒中患者について、

ボツリヌス療法にプラスして、

・電気刺激療法   または、

・体外衝撃波療法


を5日間施し、痙縮の回復程度を90日後まで追跡し、比較した。



次のようになった。


電気刺激グループに比べ、

体外衝撃波グループでは痙縮が著しく緩和され、

その効果が90日後にも充分に持続していた。






体外衝撃波療法はボツリヌス療法の効果を

大いにアップさせることがわかった



というおはなし。






感想:

週間天気予報によると、今日は世界終了の日。
写真:週間天気予報



この日を迎えられて とても感慨深い。

2012年11月2日

ボトックス注射で日常生活が改善するかな?


Consequences of neurologic lesions assessed by Barthel Index after Botox(R) injection may be underestimated.
2012  10月  アメリカ



ボツリヌス療法の効果が日常生活動作に反映されるのか調べてみたそうな。


脳卒中などの脳損傷による痙縮対策として

ボトックス注射を受けた患者の記録を見直し、

バーセルインデックス(日常生活動作から自立度を評価する指数)

との関連を解析した。



結果は、


痙縮改善の程度とバーセルインデックスとの間に何の関連も見られなかった。






ボツリヌス療法は痙縮を緩和できるのかも知れないけれど

日常生活動作に反映されるほどではないことがわかった


というおはなし。





感想:

期待しすぎると

ガッカリするよ…


ってことなんだと思う。



バーセルインデックス


2012年10月18日

ボツリヌス療法で肩の痛みは治るのか?


Does Botulinum Toxin Type A Decrease Pain and Lessen Disability in Hemiplegic Survivors of Stroke with Shoulder Pain and Spasticity?: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.
2012  10月  アメリカ



脳卒中で肩の痛みと痙縮に悩まされている患者への

ボツリヌス療法の効果を調べてみたそうな。




肩の痙縮と痛みのある37人の脳卒中患者を、

A型ボツリヌス毒素または生理食塩水を筋肉注射する

グループに分けて2,4,12週間後の状態を比較した。




次のようになった。


・両グループともに痛みが減少したが、その程度にグループ間で差はなかった。

・ボツリヌスグループでは手を洗う動作が改善した。

・同様に、ボツリヌスグループで着衣動作が改善した。






ボツリヌス療法は脳卒中後の肩の痛み

の改善には役に立たないことがわかった



というおはなし。






感想:

この研究で評価基準になった
Disability Assessment Scale(DAS)
について

図:disability assessment scale

どうとでも解釈できる基準をもちこまないと治療効果を検出できない。それがボツリヌス療法。


つまりこれは、

劇的な改善は最初からまったく想定していない、

ってことなんだと思った。

2012年3月9日

ボツリヌス療法は超早期でもOK


Botulinum Toxin Injection for Hypertonicity of the Upper Extremity Within 12 Weeks AfterStroke: A Randomized Controlled Trial.
2012  2月  フィリピン




ボツリヌス療法は、脳卒中後6ヶ月以上経った患者の

上肢痙縮緩和に用いられることがある。



超早期のボツリヌス毒素療法

の効果と安全性について調べたそうな。



発症後2-12週の脳卒中患者163人について、

・ボツリヌス毒素グループ

・偽薬グループ

に分けて、痙縮した筋肉に注射した。



通常のリハビリを続けつつ、

4週間後に痙縮の程度と運動機能

について評価した。



その結果、

・ボツリヌス毒素グループで痙縮が緩和された。

・副作用等はなかった。

・運動機能については両グループで違いはなかった。





ボツリヌス毒素療法は超早期脳卒中患者でも

痙縮緩和効果が期待できる、


というおはなし。

2012年1月6日

ブレインニューロ・ボツリヌスリハビリテーションとは


Cortical Activation Changes in Patients Suffering from Post-Stroke Arm Spasticity and Treated with Botulinum Toxin A.
2011  12月  チェコ




ボツリヌス毒素療法は脳卒中後の

上肢の痙縮を緩和する効果がある。



ひょっとしたら脳の運動神経系への影響も

あるかもしれないので確認してみたそうな。



慢性期脳梗塞で上肢痙縮中の5人の患者について、


・ボツリヌス毒素療法前、

・4週間後、

・11週間後


での脳機能MRIを撮影し、

大脳皮質の活動領域の変化を観察した。





その結果、

治療前と治療直後の脳の活動領域には

大きな違いが見られた。

また、薬の効果が切れかけている11週間後の

状態は、治療前のそれとよく似ていた。




ボツリヌス毒素による痙縮治療は、

単に筋肉に働きかけるだけでなく、

大脳皮質を含む感覚運動神経系

のどこかのレベルにも作用している

かもしれない、


というおはなし。







感想:

こういう研究があると、

ボツリヌス療法が一時的な対症療法ではなく、

どこか 奥の深い治療法に見えてくる。



そのうち

あたまに "ニューロ" や "ブレイン" が

付くようになるかもしれない。