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2013年5月2日

ボツリヌス療法とCI療法は上肢リハビリにほとんど役立たないことが判明


A meta-analysis evaluating the effectiveness of two different upper limb hemiparesis interventions on improving health-related quality of life following stroke.
2013  4月  イギリス

脳卒中患者の上肢麻痺治療法の効果を定量的に評価してみたそうな。


ボツリヌス療法とCI療法について信頼の置ける研究を厳選して、そのデータを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・ボツリヌス療法2件の研究データからは健康関連QOLについて意味のある改善結果は得られなかった。

・CI療法4件の研究データからも日常生活、手の機能いずれについても明らかな改善が見られなかった。

・他の側面(可動性、やる気、社会参加など)についても同様に目立った効果はなかった。


ボツリヌス療法やCI療法をいくらやっても生活で実感できるレベルの改善は得られないことがわかった

というおはなし。





感想:

業界の空気を読めない研究者がときどきこういうことを言い出す。

非常識だ、まったくけしからんと思う。

2013年5月1日

血圧のモーニングサージは不眠が原因だった


Morning Blood Pressure Surge and Nighttime Blood Pressure in Relation to Nocturnal Sleep Pattern and Arterial Stiffness.
2013  4月  アメリカ

血圧のモーニングサージは脳卒中のもと、と言われている。


これと夜間血圧、睡眠状況、動脈硬化との関連を調べてみたそうな。

25-60歳の健常人30人について、携帯血圧計で24時間測定した。
同時に、動脈硬化度を測定し、睡眠覚醒判定器を使用、モーニングサージは計算で求めた。


次のようになった。

・モーニングサージの高い上位4分の1の8人は他と較べて、朝の収縮期血圧が高く、夜の拡張期血圧が低かった。

・収縮期血圧のサージは不眠で就寝時間の長い人に見られた。

・モーニングサージは動脈硬化とはあまり関連が見られなかった。



血圧のモーニングサージは、夜間不眠と関連があるかも知れない


というおはなし。



2013年4月30日

脳卒中を経験すると自分で家に帰れなくなる可能性について


Is navigation ability a problem in mild stroke patients? Insights from self-reported navigation measures.
2013  4月  オランダ

脳卒中患者が方向オンチになりやすいものか調べてみたそうな。


62人の軽症脳卒中患者について、経路探索能力を調べるアンケート調査を行い、384人の健常人データと比較した。


次のようになった。

・29%に経路探索能力障害が見られた。

・健常人ではその割合は20%だった。

・これは生活の質QOLとも関連があった。


脳卒中患者は軽症でも方向オンチになりやすいことがわかった


というおはなし。

図:軽症脳卒中で方向オンチ


感想:

幸いそういう経験はない。

2013年4月29日

脳卒中のなりやすさは子供時代に住んでいた場所で決まる


Effect of duration and age at exposure to the Stroke Belt on incident stroke in adulthood.
2013  4月  アメリカ

アメリカの東南部には脳卒中が多く、脳卒中地帯と呼ばれる。

人生のどの時期をそこで過ごすと脳卒中になるのか調べたそうな。


約2万5千人を対象として6年ほど追跡した調査結果を解析したところ、

次のようになった。

・脳卒中地帯で過ごした期間が長いほど脳卒中になり易かった。

・しかし、31-45歳の居住経験は脳卒中と関連がなかった。

・0-18歳に脳卒中地帯で暮らしたことのある人は2割ほど脳卒中リスクが高かった。


子供のころの生活環境が脳卒中のなりやすさに大きく影響するのだろう


というおはなし。

写真:脳卒中地帯



2013年4月28日

上肢リハビリは両手でやった方がいいと思うの


Bilateral coupling facilitates recovery of rhythmical movements from perturbation in healthy and post-stroke subjects.
2013  4月  アメリカ

脳卒中で麻痺が残った腕はリズミカルに振ることがむつかしい。

両腕をシンクロさせてリズミカルに動かすことが脳卒中患者の上肢リハビリに役立ちそうか調べてみたそうな。


慢性期脳卒中患者と健常人について、立った状態で肩関節を軸に片腕または両腕を前後に一定の周期で振らせる。

途中、異なる周期で電磁石を使い一瞬だけ片腕の振りを強制的に妨害する。
このあと再び元の周期の腕振りに戻るまでの時間を計測、比較した。


次のようになった。

・健常者では、妨害を受ける腕の左右に関わらず、片腕よりも両腕を振っていたときに腕の振り周期が早く戻った。

・脳卒中患者では、麻痺腕に妨害を加えたときにのみ、両腕振りでの回復が片腕の場合より早かった。

・これは非麻痺腕の動きが麻痺腕の乱れからの回復を促したと考えられた。

・さらに脳卒中患者ではリズム妨害の直後、両腕の振り幅がいったん狭くなった。

・これらの結果は、両腕振りが単体の運動系として制御されていることを示す、と考えられた。



片腕のリズムの乱れが両腕の協調によって収まった。

両腕を振ったり、麻痺していない腕をリハビリ訓練に加えることで回復が促されるかも知れない


というおはなし。





感想:

わかる気がする。

歩きながら普通に両腕を振るのは意識しないとむつかしい。

また、階段登り降りや自転車こぎはなんでもないのに、

両足でジャンプするのはいまだに非常な困難がある。


麻痺側ばかり訓練しても絶対に超えられない壁があることを実感している。


2013年4月27日

【真相】脳卒中で死にたくなかったら太れ!


The obesity paradox in stroke: Lower mortality and lower risk of readmission for recurrent stroke in obese stroke patients.
2013  3月  デンマーク

一般に、肥満は疾病率、死亡率が高いとされる。しかし、肥満の脳卒中患者の死亡率は低い。


そこで肥満と脳卒中の再発との関連を調べてみたそうな。


過去10年間の脳卒中患者4万5千人あまりについて、肥満度(BMI)、死亡者、脳卒中の再発入院者を追跡調査し、関連を解析した。


次のようになった。

・平均年齢72、平均BMI 23、27%死亡、8.3%脳卒中再発だった。

・過体重、肥満のグループで死亡率が著しく低かった。

・反対に、標準よりも低体重だと死亡率が非常に高かった。

・脳卒中の再発入院率も肥満グループで明らかに低かった。


標準体重に比べ肥満だと脳卒中死亡率ばかりか再発率も低いことが確認できた


というおはなし。




感想:

たびたびでてくる肥満パラドックス。

太ろうと頑張っているのだが太れない。





メタボとはなんだったのか?
写真:肥満




2013年4月26日

学歴の高い患者ほどリハビリに不満であることが判明


Match and mismatch between objective and subjective improvements in upper limb function after stroke.
2013  4月  オランダ

脳卒中患者の上肢リハビリで、客観的な改善度と患者自身の認識とのズレについて調べてみたそうな。


39人の脳卒中患者を17週間フォローして、上肢機能の改善程度、主観的上肢使用状況報告と、それらの評価の一致度を確認して関連を解析した。


次のようになった。

・上肢運動機能と主観的使用状況との間には強い関連があった。

・学歴と本人のやる気が客観的、主観的評価の一致におおきく影響していた。

・やる気のある低学歴患者は一致度が高く、やる気のない高学歴患者ほど客観的改善度評価に納得しなかった。



客観評価(現実)と本人の認識(理想)がズレるのは当然のことなので、
施術者と患者とのコミュニケーションが大事だよ


というおはなし。




感想:

たぶんそういう内容。

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