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2013年9月4日

職場騒音と脳卒中との関係について


Occupational Noise Exposure and the Risk of Stroke.
2013  8月  デンマーク

60デシベル未満の交通騒音は脳卒中リスクと関連がある。
そこで、80-86デシベルの職場騒音との関連を調べてみたそうな。


工業労働者116568人と金融関連労働者47679人の職場騒音環境と脳卒中の発生を2001-2007追跡調査した結果、


次のようになった。

・981人の脳卒中患者が発生した。

・工業労働者は金融関連労働者にくらべ脳卒中リスクが27%高かった。

・工業労働環境の騒音の大きさ、騒音持続時間は脳卒中リスクと関連はなかった。


職場騒音と脳卒中との関連は見られなかった。工業労働者のリスク上昇は生活スタイルの違いによるものと考えられる、

というおはなし。




感想:

音源が飯のタネになるかどうかが重要ってこと。

脳の解釈次第で騒音は脳卒中リスクにもなるし癒やしにもなる。


2013年9月3日

脳が可塑っているときは脳波がゆっくりになるのか?


Plastic Changes Following Imitation-Based Speech and Language Therapy for Aphasia: A High-Density Sleep EEG Study.
2013  8月  アメリカ

睡眠時のゆっくりとした脳波は、脳皮質の可塑的変化を反映していると言われている。

そこで、ミラーニューロンの働きを応用したイミテーション言語療法(IMITATE)の効果を、睡眠時脳波で確認してみたそうな。


脳卒中で左脳損傷の13人の患者について、IMITATE前後での言語機能、睡眠時脳波を測定し、比較した。


次のようになった。

・1回のIMITATEで睡眠時のゆっくり脳波が期待通りの位置(下頭頂小葉、運動前野腹側)で増加した。

・脳波の変化が言語テストスコアとよく相関していた。



イミテーション言語療法のあとのゆっくり脳波は、脳の可塑的変化を反映しているのかもしれない、


というおはなし。



感想:

IMITATEって
パソコン画面上の人の口の動きを観察して、真似る。
動作観察療法のなかまらしい。


IMITATE: An intensive computer-based treatment for aphasia based on action observation and imitation

2013年9月2日

【蘇生措置拒否指令】 先生、妻はこのまま逝かせてあげてください


Sex Differences in the Use of Early Do-Not-Resuscitate Orders After Intracerebral Hemorrhage.
2013  8月  アメリカ

一般に、病気の急性期に蘇生措置(延命治療)拒否指令がでる割合は女性の方が多い。

脳内出血患者については良く知られていないので調べてみたそうな。


2006から2010に脳卒中センターに入院した脳内出血患者データを見なおして、入院24時間以内に出された蘇生措置拒否指令と性別との関連を解析した。


次のようになった。

・372人の脳内出血患者データが対象となった。

・22%の患者に蘇生措置拒否指令が出た。

・蘇生措置拒否指令の対象には、女性のほうが男性の3倍以上なりやすかった。

・他の病院から転院して来たケースでは蘇生措置拒否指令が出ることは少なかった。


脳内出血患者の家族が、入院後すぐに延命治療を拒否するケースは女性患者で多くなりがちだった、


というおはなし。



感想:

なぜなのかな。

以前の記事をおもいだした。
【蘇生措置拒否】脳卒中患者はどう扱われるのか?

2013年9月1日

靴の中敷き療法できれいに歩けるようになる


Effect of a textured insole on balance and gait symmetry.
2013  8月  アメリカ

神経障害のある患者は立位バランスが崩れがち。
そこで、靴の中敷を使って歩行の対称性をコントロールできるか実験してみたそうな。

11人の健常な男女について、歩行姿勢をコンピュータ解析する装置を使って、靴の中敷を右または左のみに使用した場合、使用しない場合でのバランス、対称性を評価したところ、


次のようになった。

・中敷きの効果は直ちに出て、立位の対称性が大きく変化した。

・歩幅と歩行の対称性も大きく変化した。

・脳卒中患者への先行研究では、健常側の足裏に中敷きを入れることで歩行の非対称性が改善した。


歩行や姿勢のバランスが崩れた患者には靴の中敷き療法が効果的かも知れない、


というおはなし。



感想:

入院中、担当の療法士さんが中敷き療法が好きで、すごく凝った中敷きを作ってくれた。

そのときは たしかに歩きやすくなった。


2013年8月31日

磁気刺激する脳を反対側にしてみた


Inhibitory Theta Burst Stimulation of Affected Hemisphere in Chronic Stroke: a Proof of Principle, Sham-Controlled Study.
2013  8月  イタリア

磁気刺激によるリハビリは両半球の競合モデルに基いて、損傷側に活性化刺激を、健常側に抑制刺激を与えるのが通常である。

そこで、損傷側の脳に抑制刺激を与えてみたらどうなってしまうのか、実験してみたそうな。

12人の慢性期脳卒中患者について、損傷側脳への抑制磁気刺激、または偽刺激のグループに分けて上肢機能の改善程度を比較した。

併せて通常のリハビリも行った。


次のようになった。

・両グループ共に上肢機能が大きく改善し、3ヶ月後も持続した。

・磁気刺激グループでは、上肢課題実行時間の短縮ぶんが倍以上速くなった。


これまで、損傷側の脳には活性化刺激を与えるという考えが当たり前だったが、抑制刺激を与えても改善効果があることがわかった、


というおはなし。



感想:

この種の改善効果が一体なにに由来するのか?を考えなおすきっかけになる研究だと思った。


2013年8月30日

お腹にお灸すると脳卒中後ウツが治る


Post-stroke depression treated with acupuncture and moxibustion: an evaluation of therapeutic effect and safety
2013  7月  中国

脳卒中後ウツが鍼や灸で治るものなのか、調べてみたそうな。


123人の患者について、以下の3グループに分けて4週間治療を行ったところ、

著しい効果のあった割合は、各々

・鍼+灸、→69%
・抗うつ薬のみ→65%
・鍼+抗うつ薬→71%
だった。


鍼と灸による脳卒中後ウツ治療は抗うつ薬治療に匹敵する効果があることがわかった、


というおはなし。



灸の場所はお腹

2013年8月29日

療法士さんは手に麻酔でも打って感覚麻痺を経験してみればいいと思う


Upper limb post-stroke sensory impairments: the survivor's experience.
2013  8月  アメリカ

感覚麻痺になった患者の体験について調べてみたそうな。


脳卒中で上肢感覚麻痺の脳卒中経験者15人に面談調査し、内容を3人の専門家が分析したところ、


患者の体験には次の3つのテーマが見つかった。

1)私の手に何が起こったのか?
感覚麻痺の大きな衝撃と、今後どう生活したらよいかへの不安。

2)未だリハビリ始まったばかりなのに?
概ね感覚麻痺はリハビリの対象とされず、自分でどうにかしなければならないと知る。

3)いつかは回復するかも?
根気強い努力によって感覚麻痺がゆっくりと回復に向かうだろうという希望を持つ。


感覚麻痺は見た目以上に患者にとって大きな意味を持つ。感覚麻痺対策への患者の希望を汲み取ったリハビリ計画が必要だろう、


というおはなし。



感想:

たしかにその通りで、たたいてもつねっても何も感じないというのは、動かないことよりも受け入れがたい体験だった。

幸い、感覚0(ゼロ)の状態は2-3週間しか続かなかった。

現在は、10段階評価で2か3って感じ。

それでも空気はもちろん風呂の温度もわからないし、人に触れていても気が付かないことがよくある。



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