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2014年12月28日

脳卒中の早期に集中訓練した効果が脳の活動から確認できた


A Randomized Controlled Trial of the Effect of Early Upper-Limb Training on Stroke Recovery and Brain Activation.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者の75%は上肢の機能障害を経験する。その一方で、最初の1ヶ月間の機能の回復は非常に大きい。

発症後1ヶ月以内の集中的訓練により脳の活動も高まるものなのか実験してみたそうな。


急性期脳梗塞患者23人を、通常リハビリグループと上肢集中訓練グループに分けた。脳の活動を脳機能MRIで3ヶ月後まで観察、比較した。

上肢集中訓練は、発症1週間目から行い 1ヶ月間に計30時間の訓練を行った。


次のようになった。

・集中訓練グループでは、前帯状皮質と病側の補足運動野が活発になり、

・病側と反対の小脳の活動が低下した。

・集中訓練グループでは3ヶ月後までの機能改善程度に被験者間のバラつきが小さく、より確かな効果が期待できた。


脳卒中早期での上肢の集中訓練により、脳のそれらしい部分の活動に大きな変化がもたらされた、


というおはなし。


感想:

10数年前、健康な頃に撮った自分の脳機能MRI を思い出した。(↓これ)

指動かしただけで小脳の同じ側にこんなに反応がでることをそれまで知らなかった。

2014年12月27日

ペットが相棒の高齢脳卒中経験者にインタビューした


Living with companion animals after stroke: experiences of older people in community and primary care nursing.
2014  12月  スウェーデン

高齢者はよくペットを飼っていて、特に病気を患っているひとにとってはその存在意義は大きい。

そこで高齢の脳卒中経験者にとってのペットを飼う意味を身体、心理、社会的側面から調べてみたそうな。


62-88歳で発症後2年以上経つ脳卒中経験者17人(女10、男7)について個別に面談調査した結果、


次のことがわかった。

・「ペットによる有意義な人生への貢献」が共通のテーマとして見えてきた。

・これは次の4つの理由に分類できた。
*リハビリのやる気のもと、
*自分を慕ってくれる誰かがいる、
*家族の一員として、
*安心と安全のもと、、。


脳卒中経験者にとってペットは病気からの回復と有意義な人生のために大切な存在である、


というおはなし。


感想:

高齢だと飼い主が先に逝く→保健所で処分ってことになる。

そのうち高性能AI搭載のペッパー君が活躍するようになると思う。20万円だし。

2014年12月26日

リズムに合わせた歩行訓練がメッチャ効果的と判明


Walking training with cueing of cadence improves walking speed and stride length after stroke more than walking training alone: a systematic review.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者がメトロノームや音楽の一定のリズム(キューイング)に合わせて歩行訓練をしたばあい、ただ歩行するだけの場合よりも効果的なものなのか 調べてみたそうな。


医学研究データベースから過去の関連する論文を厳選して、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・計211人の被験者を含む7件の研究が見つかった。

・キューイングありの歩行訓練の場合、ただ歩行する訓練に比べ

・歩行速度が 0.23m/秒 向上した。

・歩幅は0.21m広くなり、歩数は19ステップ/分増えた。

・歩行対称性も15%改善した。

・1回30分間x週4回x4週間の訓練で効果があった。


脳卒中患者の リズムに合わせた歩行訓練で、単に歩くだけの訓練に比べ スピード、歩幅、歩数、対称性が明らかに向上した。簡単に実行できるのでオススメ、


というおはなし。

リズム歩行



感想:

リズムに乗るまでがたいへんそうだけど、それなりのペースがあるかもな。

2014年12月25日

シビレたほうの手は自分で思ってるほど使っていない 1年経っても


Predicting Daily Use of the Affected Upper Extremity 1 Year after Stroke.
2014  12月  イスラエル

脳卒中患者の手の使用頻度を1年間、追ってみたそうな。


複数の患者について手の機能および使用頻度を退院時および発症12ヶ月後の時点で計測した。

手の使用頻度は 自己申告と手首に着けた加速度計の記録の両方を参照した。


次のようになった。

・退院時から12ヶ月後までの間に麻痺手の機能が大きく改善した。

・自己申告による麻痺手の使用頻度も大きく改善していた。

・しかし、加速度計のカウント上ではまったく改善していなかった。

・麻痺手にくらべ健常な側の手の使用頻度は3倍だった。


手の機能改善にも関わらず、その使用頻度は非常に限られたものだった、


というおはなし。

シビレた手


感想:

なるほどキーボード打っていてわかる。右手のカバーする範囲が左手の倍ちかくある。

2014年12月24日

麻痺脚にウェイトバンドを巻いて歩かせてみたところ、、


The Use of Cuff Weights for Aquatic Gait Training in People Post-Stroke with Hemiparesis.
2014  12月  アメリカ

麻痺した脚に重りを着けたときの歩行が どう変わるのか調べてみたそうな。


平均年令66、脳卒中で片麻痺の患者21人について、次の3つの状況下での水中歩行を記録、解析した。

*膝に重りを着ける
*足首に重りを着ける
*重りをつけない


次のようになった。

・重りを着けたときに平均歩行スピードが著しくアップした。

・歩調、歩幅、関節の動きなどは "非"麻痺脚で変化し、

・麻痺脚での歩行パラメータの変化はほとんどなかった。


麻痺脚に重りを着けると歩くスピードが速くなった。しかし麻痺脚に動作の変化がなかったのはちょっと残念、


というおはなし。


感想:

これって 重りで筋肉が鍛えられたわけではなくて、「おもり着けられちゃったからいつもよりガンバらなきゃ」という気持ちの勢いだけで速くなったんだよね。

ただでさえ動きにくい麻痺脚へのさらなる負荷は健常な脚が代償してしまう、ってことと理解。

2014年12月23日

お米を食べると脳卒中になる可能性について


Rice consumption and risk of cardiovascular disease: results from a pooled analysis of 3 U.S. cohorts.
2014  12月  アメリカ

米(コメ)を経由したヒ素の摂取による健康被害への懸念が高まっている。しかし脳卒中など心血管疾患との関連はよくわかっていない。

そこで白米、玄米の摂取と心血管疾患リスクについて調べてみたそうな。


20万人あまりの健康調査記録から米の摂取量を推定し、心血管疾患の有無を追跡した。


次のようになった。

・20年前後の追跡期間中に1200件あまりの心血管疾患が発生した。

・ライフスタイル等を考慮に入れてなお 米の摂取と心血管疾患リスクとの関連はみられなかった。

・ほとんど米を摂らない人に比べ週に5回以上摂る人の心血管疾患のなりやすさは白米、玄米ともに同じだった。

・対象を白人に限定しても結果は変わらなかった。


白米、玄米の摂取と脳卒中などの心血管疾患との関連はなかった、


というおはなし。

ライス
ライス

感想:

コメのヒ素問題は知らなかったは、、
米国産のコメに「懸念される」濃度のヒ素? 消費者団体が摂取制限勧告(2012 CNN)

2014年12月22日

脳刺激効くの?効果続くの?いつ始めるの?


Enduring Poststroke Motor Functional Improvements by a Well-Timed Combination of Motor Rehabilitative Training and Cortical Stimulation in Rats.
2014  12月  アメリカ

脳への電気刺激とリハビリ訓練を組み合せる効果とベストなタイミングを調べてみたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にして前脚の運動機能を麻痺させた後、

*脳刺激+片脚でエサを取る訓練
*片脚でエサを取る訓練のみ

のグループを設け3週間継続し、運動機能の改善効果を10ヶ月後までフォローした。

脳刺激は経頭蓋直流パルスを100ヘルツ、運動を誘発する強度の半分で行った。

また 実験時期を、梗塞後14日後に開始する早期実験と、3ヶ月後に開始する慢性期実験に分けた。


次のようになった。

・早期実験では、エサ取り訓練のみに比べ脳刺激を与えたグループで機能改善効果が大きかった。

・脳刺激を加えることで効果が10ヶ月後も持続した。

・慢性期実験では、脳刺激の効果は見られなかった。


脳刺激はリハビリ訓練の効果を持続させた。しかしその適用時期で効果は変わる、


というおはなし。


感想:

脳刺激系は試すなら早い方がいいってことなんだろな。

動物は空気を読まないから 人間での結果よりもはるかに信頼できる面がある。

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