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2015年7月23日

禁煙に成功できる脳卒中の部位が明らかに


Smoking cessation behaviors three months following acute insular damage from stroke.
2015  7月  アメリカ

島皮質は薬物中毒を促す働きがあるとされている。そこで、脳卒中で島皮質に損傷を負った患者の禁煙成果について調べてみたそうな。


脳梗塞で入院した現役喫煙者156人について梗塞位置を3人の神経放射線医が判定し、喫煙状況との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・梗塞位置は、島皮質が38人、118人はそれ以外の場所だった。

・島皮質に損傷のある患者グループでは、3ヶ月間の禁煙成功やニコチン中毒症状が収まっているケースが多かった。

・喫煙再開までの平均日数は、17.5日 vs. 10.4日で島皮質損傷グループが長かった。

・禁煙成功者のなかでも、島皮質損傷はニコチン中毒脱出との有意な関連があった。


島皮質が喫煙やニコチン中毒に関わっているらしいことが示された、


というおはなし。
島皮質

感想:

wikipedia見たらすでに 似たようなことが書いてあった。

2015年7月22日

被殻出血患者の遂行機能障害について


Executive Dysfunction in Patients with Putaminal Hemorrhage.
2015  7月  日本


前頭葉-皮質下回路は線条体、大脳基底核、視床へリンクしており、その中心部に被殻がある。

そこで、被殻出血の患者の前頭葉機能について調べてみたそうな。


被殻出血患者15人について前頭葉の働きを調べる複数の認知機能検査を行ったところ、


次のことがわかった。

・失語、失行、空間無視患者は含まなかった。

・前頭葉機能テストの語音整列、語彙の流暢さ、運動系列でスコアが明らかに低かった。

・ウィスコンシンカード分類テストでも同様に いくつかのカテゴリでスコアが有意に悪かった。

・行動障害は見られなかった。


被殻出血は行動障害を伴わない前頭葉機能不全の原因になっていた。被殻出血が前頭葉-皮質下回路に影響し遂行機能障害を起こしていたと考えられた、


というおはなし。

前頭葉

感想:

なんのことやらよくわからなくて検索すると、、
前頭葉兆候

前頭葉機能の認知リハビリテーション(pdf)
このあたりを読んでみるに、自分は被殻出血になる以前から前頭葉に問題があった気がしてならない。

そういえばアメリカ人の自称専門家に右前頭部の脳回が普通の人より1本多いって言われたことがある。

わたしの脳↑

2015年7月21日

上肢機能の回復を促す準備刺激とは


Primed Physical Therapy Enhances Recovery of Upper Limb Function in Chronic Stroke Patients.
2015  7月  ニュージーランド

上肢リハビリ直前の磁気パルス準備刺激の効果について調べてみたそうな。


慢性期脳卒中で片麻痺の患者18人について45分間の上肢理学療法の直前にシータバースト磁気刺激を与えた。

偽刺激グループも設けて、これを2週間行い 1ヶ月後、3ヶ月後の機能改善度、皮質運動興奮性、脳機能MRIの結果を比較した。


次のようになった。

・上肢機能を示すアクション・リサーチアームテストのスコアは1か月後も改善値を保っていた。

・治療2週間の中盤から成果が現れ始め 用量効果を示していた。

・1か月後、上肢機能の改善度と 皮質運動興奮性バランスおよび損傷脳側の前運動皮質の活動増加との関連が認められた。


リハビリ直前にシータバースト準備刺激を与えることで慢性期脳卒中患者の上肢機能が改善し、1ヶ月間以上効果が持続した。通常のリハビリ単体では十分な効果が得られなかった、


というおはなし。

iTBS



感想:

この研究者グループは準備刺激が好きで、かつて両手パタパタ法を提唱していた。
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

こんかい、通常ならTMS治療の話になるところを「準備刺激」にキーワードをすり替えている。タイトルにTMSと載せると時代遅れに見えてだれも読んでくれなくなるからではないだろうか。


おまけ:シータバーストとはなんなのか

2015年7月20日

閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、


Quality of life in patients with locked-in syndrome: Evolution over a 6-year period.
2015  7月  フランス

閉じ込め症候群は 意識を保ちながら四肢麻痺および意思疎通が困難な状態を指す。

脳卒中で閉じ込め症候群になった患者の生活の質(QoL)について調べてみたそうな。


2007年に67人の閉じ込め症候群患者(51人は脳卒中が原因)にアンケート調査し、6年後の2013年にも再度同様のアンケートを送ったところ、


次のようになった。

・2013年には39人から回答を得られた。

・閉じ込め症候群患者のQoLは他の重症患者に比べると満足度が高かった。

・70%の患者は6年間でQoLが安定または改善したと報告した。

・気管切開や胃瘻の造設はQoLに影響しなかった。


予想に反して、閉じ込め症候群患者のQoLは比較的高く 安定していた、


というおはなし。

閉じ込め症候群QoL
安楽死希望が2013に消滅



感想:

かつて身近にそういう人がいたので、この話をきいて少し救われた気がする。


[閉じ込め症候群]の検索結果

2015年7月19日

脳卒中後のウツと不安 その違い


Post-stroke depression and post-stroke anxiety: prevalence and predictors.
2015  7月  ドイツ

脳卒中後の情動障害であるウツと不安の割合と特徴を調べてみたそうな。


289人の脳卒中患者について面談し、発症後数週間内および発症以前の精神状態を調査した。


次のことがわかった。

・脳卒中後ウツは31.1%に、脳卒中後不安は20.4%に見られた。

・ウツと不安の両者には、脳卒中発症前、後ともに明らかな関連があった。

・発症前にウツだったからといって、脳卒中後ウツになるわけではなかった。

・対照的に、発症前不安症だった患者は脳卒中後不安になりやすかった。


脳卒中後の情動障害であるウツと不安の密接な関連と予測しやすさの違いを明らかにすることができた、


というおはなし。



感想:

いまさらながらにウツと不安の違い→「ウツ」はやる気がでなくて悲観的。「不安」はやる気あるけどパニクって息苦しい、

そんな感じ。

2015年7月18日

日本人脳卒中患者に骨髄幹細胞を移植してみた


Intravenous Autologous Bone Marrow Mononuclear Cell Transplantation for Stroke: Phase1/2a Clinical Trial in a Homogeneous Group of Stroke Patients.
2015  7月  日本

脳卒中患者への幹細胞治療の安全性について人体実験してみたそうな。


20-75歳、発症10日以内の脳卒中患者6人に、各人の骨髄から抽出した単核球細胞2-3億個を静脈から注射して、1か月後の回復度を調べた結果、

2015年7月17日

1年以内に再入院する患者の割合と特徴


Readmissions after stroke: linked data from the Australian Stroke Clinical Registry and hospital databases.
2015  7月  オーストラリア

脳卒中患者が再入院する割合を調べてみたそうな。


脳卒中患者と救急患者データベースをリンクさせて解析したところ、


次のことがわかった。

・788人の患者記録(女性46%、脳卒中83%他TIA、平均年齢76)について、

・42%が1年以内に再入院した。

・そのうちの12%は脳卒中またはTIAの再発だった。

・初回脳卒中入院以前に別の病気で入院した患者やTIAで入院した患者で、1年内再入院が多かった。


脳卒中患者の再入院は珍しくなく、併せ持っている病気との関連が強かった、


というおはなし。



感想:

この場合の再発率は42%x12%=5%程度。きっと再発にビビって実は大したことないのに救急車呼ぶ人々が再入院率を押し上げているんだろな。

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