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2015年7月30日

運動をイメージする力で手が動くようになるのだろうか


Effect of Motor Imagery on the F-Wave Parameters in Hemiparetic Stroke Survivors.
2015  6月  イラン

神経活動電位のF波は運動皮質の興奮性を反映すると考えられている。

そこで 運動イメージ法を使った脳卒中リハビリの効果を F波について検証してみたそうな。


発症後72時間以内の脳卒中片麻痺の患者21人について、

麻痺した手の指を動かすイメージをしている間のF波を、腕をとおる正中神経、尺骨神経で測定した。

麻痺していない側でも同様の測定を行い 比較した。


次のことがわかった。

・麻痺手と非麻痺手でF波は大きく異なっていた。

・運動イメージ中の麻痺手のF波持続性が両神経で改善し、

・F波反応強度も正中神経で改善した。


運動イメージ中のF波強度と持続性が改善された。運動イメージリハビリは脳卒中で弱った運動神経の働きを回復するのかもしれない、


というおはなし。



感想:

「凄絶」なはずの脳卒中リハビリが「想う」だけで済むわけがないとフツーは考える。一方で運動イメージ法やメンタルプラクティスを超える効果的な治療法が存在していないのも事実。
上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2015年7月29日

指先の触覚感度を鋭くするノイズ刺激強度がわかった


Application of vibration to wrist and hand skin affects fingertip tactile sensation.
2015  7月  アメリカ

脳卒中患者の指先の触覚は、手首や手の甲に振動刺激を与えることで改善できる。

この振動刺激に適した強さを調べてみたそうな。


12人の健常者について、手首、手の甲、親指の腹など4箇所別々にホワイトノイズ刺激を与えた。

ホワイトノイズの強度は認知できる閾値の60%から120%まで変化させた。

各々の組み合わせ時の人差し指および親指先の触覚感度を測定した。


次のようになった。

・ホワイトノイズはその位置によらず指先の触覚感度におおきく影響を与えた。

・閾値の60%強度のとき指先の触覚感度はもっとも向上し、

・120%では逆に感度が低下した。

・80%では感度に明らかな変化が無かった。

・ノイズ強度と触覚感度の関係は確率共鳴現象のそれを示していた。

・ノイズ位置に依らないことからより高次の神経プロセスに関係していると考えられた。


離れた位置へのノイズ刺激によって指先の触覚感度を改善できた。ノイズ刺激が閾値の60%強度のとき触覚感度がもっとも向上した、


というおはなし。

指先触覚刺激

感想:

これ↓の続報。
確率共鳴現象によって脳卒中で麻痺した指先の感覚を簡単に改善してしまう方法が明らかに
おもしろい。別の種類の刺激でもいけるんじゃないのかな、、

2015年7月28日

短下肢装具利用者にロッカーシューズを履かせたら


The effect of different shoes on functional mobility and energy expenditure in post-stroke hemiplegic patients using ankle-foot orthosis.
2015  7月  イラン

脳卒中片麻痺患者の短下肢装具に適した靴形状を調べてみたそうな。


30人の患者を、
*短下肢装具+船底型ソールの靴(ロッカーシューズ)
*短下肢装具+普通の靴
ロッカーソールシューズ
の2グループに分け、移動能力、エネルギー消費を測定したところ、


次のようになった。

・ロッカーシューズグループでは酸素コストおよびタイム Up & Go が明らかに改善し、

・最も心地よく感じる歩行速度は増加した。


短下肢装具を使う患者がロッカーシューズを履くと、移動能力が向上し、エネルギー効率も上がる、


というおはなし。

感想:

ロッカーソールシューズ、ロッカーボトムソールズとも呼ぶ。90年代に発案されたが、転倒しやすくなる点が普及しない理由と考える。


ロッカーシューズ専門家の解説

2015年7月27日

覚せい剤アンフェタミンをキメると半側空間無視が治る可能性について


The Time-Dependent and Persistent Effects of Amphetamine Treatment upon Recovery from Hemispatial Neglect in Rats.
2015  7月  アメリカ

半側空間無視は右脳損傷患者のおよそ40%に見られる神経心理学的な障害である。

ネズミの無顆粒皮質を破壊すると人の半側空間無視と同様の症状を作り出すことができる。

一方、動物実験ではアンフェタミンが脳の可塑性をうながし、非損傷側からの軸索成長により脳ダメージが大きく回復するという報告がある。

そこで、アンフェタミンが半側空間無視に効くのか、その治療タイミングについて動物で実験してみたそうな。


次のようになった。

・アンフェタミンを5日以内に注射したグループは食塩水グループよりもずっと早く半側空間無視が治った。

・注射タイミングが7日ほど遅れても効果はあった。

・回復効果は少なくとも60日間持続した。


半側空間無視にはアンフェタミンが効くかもしれない、


というおはなし。

アンフェタミン

感想:

「キメる」って言葉を使ってみたかっただけ。 ボツリヌス毒素とどっちが危険かねぇ、、

2015年7月26日

肥満パラドックスはくも膜下出血でもアリ?


Body-Mass Index (BMI) and Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage: Decreasing Mortality with Increasing BMI.
2015  7月  イギリス

肥満の脳梗塞患者、脳内出血患者の生存率がなぜか高いことを「肥満パラドックス」と呼ぶ。

脳動脈瘤が原因のくも膜下出血でもおなじことが言えるのか調べてみたそうな。


2002-2011のくも膜下出血患者305人分の記録から、肥満度BMIと死亡率との関連を解析したところ、


次のようになった。

・BMI30以上の肥満グループでは高血圧、糖尿病、クリッピングが標準体重グループよりも多かった。

・標準体重→過体重→肥満の順で、短期死亡率はそれぞれ 17%→12%→8%、

・長期死亡率はそれぞれ 34%→26%→19%だった。


くも膜下出血患者ではBMIが高いほど短期、長期死亡率が低かったが機能回復度には差はなかった、


というおはなし。


感想:

脳卒中の細かい原因の違いにはよらないで、とにかく太ってるひとは脳ダメージを受けても簡単には死なないってことか。

2015年7月25日

脳卒中からの回復が良い性別と脳半球の組み合わせは、


Sex and Hemisphere - A Neglected, Nature-Determined Relationship in Acute Ischemic Stroke.
2015  7月  ドイツ

左右脳半球の接続の強さは男女で異なる。

この男女差と脳半球の左右の違いが血栓溶解療法の結果に影響するものなのか調べてみたそうな。


脳梗塞で血栓溶解療法を受けた患者1231人について、3ヶ月後の回復度と性別、損傷脳半球との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・右脳損傷男性の回復良好者数は、右脳損傷女性の1.54倍。

・右脳損傷女性の回復良好者数は、左脳損傷女性の0.72倍。

・右脳損傷男性の回復良好者数は、左脳損傷男性の1.35倍。


血栓溶解療法後の回復度は男女で異なり、損傷を受けた左右脳半球の違いにもよる、


というおはなし。

男女脳半球


感想:

ようするに右脳損傷の男性がいちばん治りがイイみたい。

2015年7月24日

片頭痛なのに喫煙する人は脳卒中になる


Migraine and risk of stroke in older adults
2015  7月  アメリカ

片頭痛と脳卒中との関連を高齢者について調べてみたそうな。


平均年齢68のニューヨーク市の1292人を11年間追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・20%がただの片頭痛持ちで、6%は前兆を伴う片頭痛だった。

・片頭痛と脳卒中との関連は見られなかった。

・現役喫煙者に限定すると脳卒中リスクは高くなり、

・片頭痛+現役喫煙者の脳卒中リスクは非喫煙者の3.17倍になった。

片頭痛があってタバコを吸っている人は非喫煙者に比べかなり脳卒中になりやすい、


というおはなし。

片頭痛と喫煙

感想:

wikipediaで "片頭痛" みるとけっこうボリュームある。

特にグルテン原因説には関心を持った。

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