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2016年6月21日

一過性単眼盲の種類と のちの病気


Transient monocular blindness and the risk of vascular complications according to subtype: a prospective cohort study.
2016  6月  オランダ

一時的に片目が見えなくなる一過性単眼盲(TMB)は 一過性脳虚血発作(TIA)によく似ている。

その症状と予後を調べてみたそうな。


平均年齢62、TMB患者の男女341人に症状を聞き取り、4年ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に死亡、脳卒中、心筋梗塞、網膜梗塞を起こした患者は60名で、年間4.4%の発症率だった。

・TMBの症状の種類は、のちに起きる血管合併症との関連が強かった。リスクの高い順に、視野の周辺部分のみ、視野が狭窄してゆくもの、幕が下りてくるものや 上がってゆくもの、何度も起きるものがあった。

・このTMB症状なら安全というものは見つからなかった。

一過性単眼盲の症状をよく聞き取ることでのちの血管疾患リスクを予測できるかもしれない、


というおはなし。

図:一過性単眼盲ノ種類


感想:

珍しいのかと思ってたら 身近にいた。

2016年6月20日

BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について


Low Circulating Acute Brain-Derived Neurotrophic Factor Levels Are Associated With Poor Long-Term Functional Outcome After Ischemic Stroke.
2016  6月  スウェーデン

脳由来神経栄養因子(BDNF)は脳の可塑性、神経新生の重要な役割を担い、脳卒中の予後に大きく影響すると考えられている。

脳卒中で入院時の血中BDNF濃度が患者の短期的 長期的な回復にどう影響するのか調べてみたそうな。


脳梗塞患者491人の入院時血中BDNF濃度を測定し、健常者513人と比較した。

3ヶ月、2年、7年後の生活自立度を測定してBDNFとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳梗塞患者のBDNF濃度は健常者に比べ明らかに低かった。

・BDNF濃度は3ヶ月後の回復度合いには関連しなかった。

・しかしBDNF濃度が特に低いグループでは2年後 7年後の回復不良リスクが高かった。

・この関連は高血圧や糖尿、脳卒中重症度に依らなかった。

急性期脳梗塞患者の血中BDNF濃度は低かった。そのうちさらに低い者は長期的な機能回復不良になりやすかった、


というおはなし。

図:BDNFと2年、7年後の回復

感想:

リハビリはすぐ頭打ちになって諦めがちになるけど、このBDNFのように早期には影響なくても 2年-7年かけてじっくりと脳と身体を癒やす仕組みが備わってるのかもね。
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2016年6月19日

脳卒中のあとしゃっくりが止まらない...鍼は効くのか?


Acupuncture for the treatment of hiccups following stroke: a systematic review and meta-analysis.
2016  6月  中国

脳卒中後のしゃっくりへの鍼の効果を調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・436の研究から5つを厳選した。

・しゃっくりの鍼治療は単体で行うよりも他の治療法と併せておこなう方が効果的だった。

・安全性については特に情報はなかった。

脳卒中後のしゃっくりは鍼を併用すると効果的に治療できるのかもしれない、


というおはなし。

図:しゃっくりに効く頭部のツボ

感想:

脳卒中ブログ見てると「しゃっくりがとまらない」というはなしをよく目にするので関心を持った。

2016年6月18日

低出力レーザー療法(LLLT) 脳卒中痙縮筋肉への効果


Effects of low-level laser therapy (LLLT 808 nm) on lower limb spastic muscle activity in chronic stroke patients.
2016  5月  ブラジル

低出力レーザー療法(LLLT)は細胞、神経、代謝へのさまざまな影響が期待でき リハビリテーションシーンでも利用されることがある。

下肢痙縮筋肉へのLLLTの効果を確かめてみたそうな。

2016年6月17日

病院着くまえに症状が消えている脳虚血患者の割合は


Differences in Clinical Characteristics between Patients with Transient Ischemic Attack Whose Symptoms Do and Do Not Persist on Arrival.
2016  6月  日本

一過性脳虚血発作(TIA)の患者は病院到着時に症状が残っていてもやがて解消する。

病院到着時に症状の残っている患者と 症状が消えている患者の違いを調べてみたそうな。


TIA患者データベースの記録を見なおしたところ、


次のことがわかった。

・患者266人(男性158、平均年齢68)の記録を抽出した。

・そのうち39.5%が病院到着時にも症状が持続していた。

・彼らには 感覚障害、救急車使用、60分以上の持続症状、発症からの到着までの時間が短い という特徴があった。

・症状の持続している患者は非持続患者に比べ 69% vs. 57%で まず脳卒中専門医の診察を受け、59% vs. 43%で 脳卒中専門病棟に入院した。

TIA患者の扱いは病院到着時に症状が持続しているか否かで変わるのかもしれない、


というおはなし。

図:救急車

感想:

「顔と手がしびれるぅー!」と大騒ぎして救急車呼んで、病院着くまえにすっかり症状消えてたら かなり気まずい。

そんなときのためにスマホで実況ビデオを撮っておくことを勧める。↓
自分の脳卒中動画を晒す女性が現れる

2016年6月16日

手の写真をみて 右手か左手かすぐにわかる?


An observational study of implicit motor imagery using laterality recognition of the hand after stroke.
2016  6月  オーストリア

手の写真を見せて右手か左手か判別させる課題(Hand Laterality Recognition Task:HLRT)は運動イメージ能力を反映すると考えられている。これを脳卒中患者で調べてみたそうな。


脳卒中患者32人と健常者36人についてHLRTの精度、反応速度および身体機能、メンタルローテーション能力を測定し 比較したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者は写真の手の判別精度が 69% vs 80% と低く、

・反応速度も 3.0 vs 1.9秒 と長かった。

・この精度低下または反応遅延のあった患者は53%に及んだ。

・HLRT精度は日常生活上の身体機能の低下、メンタルローテンション能力の低さ、失行と関連があった。

HLRTの精度 スピードで評価される運動イメージ能力は脳卒中患者の半数で低下していた。これは物体の心的回転能力の低下や失行、身体機能と関連していた、


というおはなし。

表:3Dローテーション精度

感想:

車運転してるとき、交差点のカーブミラーに映る車の方向指示器と進行してくる向きの予測がよく外れるんだけどこれと関係あるかな。

2016年6月15日

風にあたると脳卒中になる可能性が明らかに


The association between wind-related variables and stroke symptom onset: A case-crossover study on Jeju Island.
2016  6月  韓国

気温と脳卒中との関連については多くの研究がある。

そこで 風と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


済州島国立病院の脳卒中患者409人について気温、湿度、気圧、風速、1日の風速レンジ、体感温度などとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・風速、風速レンジ、体感温度は脳卒中リスクを上げる要因だった。

・これらは特に 脳梗塞、季節では春と冬に関連が強かった。

脳卒中の発症リスクは風速、風速レンジ、体感温度と関連があった、


というおはなし。

図:風と脳卒中

感想:

表みると夏や秋でもリスク高い。扇風機にあたりすぎて気分悪くなるのもけっこうヤバイのかもしれない。

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