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2016年9月14日

多剤投与と薬物相互作用 脳卒中患者の場合


Potentially Serious Drug-Drug Interactions in Older Patients Hospitalized for Acute Ischemic and Hemorrhagic Stroke.
2016  9月  イタリア

いまや高齢者への多剤投与は珍しくなく 薬物相互作用の危険性は常にある。

脳卒中患者について薬物相互作用の可能性と 脳卒中との関連を調べてみたそうな。


65歳以上の急性期脳卒中患者146人について、入院時の投薬内容を調べ薬物相互作用の種類 および脳梗塞、脳出血との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・薬の平均投与数は5.8で、

・582種類の薬物相互作用の組み合わせが確認でき、

・18種類では軽度、415種類は中程度、149種類は深刻な危険度だった。

・患者の61%が1種類以上の深刻な薬物相互作用にさらされていた。

・脳梗塞患者では 深刻な薬物相互作用を1種類以上持つ割合が、74 vs. 50% で初回患者よりも再発患者に多かった。

・脳卒中を引き起こす可能性の高い薬物相互作用の組み合わせが、脳梗塞患者の17%、脳出血患者の19%に確認できた。

高齢の脳卒中患者で 深刻な薬物相互作用の危険にさらされている割合が非常に高かった、


というおはなし。

図:薬物相互作用 脳卒中患者での


感想:

降圧薬をキッパリと勝手にやめてから1年半以上経つ。

頻尿はただちに解消した。血圧は薬飲むまえよりも明らかに低く つねに140/90辺りにある。

2016年9月13日

BDNFって脳卒中やると少なくなるの?


Decreased Brain-Derived Neurotrophic Factor Serum Concentrations in Chronic Post-Stroke Subjects.
2016  9月  ブラジル

脳由来神経栄養因子(BDNF)は 脳卒中のあとの感覚運動機能の回復に重要な役割を担うタンパク質である。

そこで脳卒中患者についてBDNFの量を健常者と比較してみたそうな。


平均年齢62、発症から6ヶ月以上の脳卒中で片麻痺の患者17名と 同性 同年齢の健常者17名について血液中のBDNF濃度を測定したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者のBDNF濃度は健常者の57%程度だった。

・BDNF濃度と脳卒中からの期間、年齢、QoL、移動能力、上肢機能との関連は見られなかった。

慢性期脳卒中患者の血中BDNF濃度はかなり低下していた、


というおはなし。

図:片麻痺患者のBDNF

感想:

これ↓思い出した。
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について

傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2016年9月12日

脳卒中リハビリ用ロボットアームの効果は...?


Effects of Robot-Assisted Therapy for the Upper Limb After Stroke: A Systematic Review and Meta-analysis.
2016  9月  オランダ

ロボット技術を応用した脳卒中リハビリが数多く試みられている。そこで、上肢麻痺へのロボット支援リハビリのこれまでの成果をまとめてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者1362人を含む44の研究がみつかった。

・深刻な有害事象はなかった。

・麻痺手の運動機能と筋力改善に僅かではあるが有意な効果が認められた。

・筋緊張が増える傾向があった。

・上肢の総合能力と日常生活動作上の改善はなかった。

・肩や肘、肘や手首に特化したロボットで僅かな効果が認められた。

ロボット支援により脳卒中で麻痺した上肢の訓練回数を安全に増やすことができる。しかしその効果はわずかで適応関節範囲は限定的だった。実験条件や方法がまちまちであり上肢リハビリ効果を一般化することはできなかった、


というおはなし。

図:ロボット支援上肢リハビリの効果

感想:

ロボット義手の話なら興味あるけど これはまったく別。

腕が傷ついたわけではなく脳に問題が起きたのに、機械で腕を振り回してどうしようというのか、、、

2016年9月11日

麻痺した手が開く新しい電気刺激法とは


Contralaterally Controlled Functional Electrical Stimulation Improves Hand Dexterity in Chronic Hemiparesis
2016  9月  アメリカ

脳卒中で麻痺して指が開かない状態への 神経筋電気刺激(NMES)と 新しい機能的電気刺激(FES)の効果を比べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上で中等度-重度麻痺の脳卒中患者80人を次の2グループに分けた。

*cNMESグループ:麻痺手に不随意の電気刺激を繰り返し与える。

*CC(対側制御)FESグループ:健常側の手にはめたグローブに内蔵された曲げセンサーに同期した電気刺激が麻痺手に随意的に伝わる。

12週間の治療訓練のさらに6ヶ月後にボックス&ブロックテスト他 上肢機能を評価し比較したところ、


次のようになった。

・ボックス&ブロックテストのスコアは、4.6 vs. 1.8 でCCFESグループが高く 2.8ポイントの差があった。

・上肢の総合能力でグループ間の有意な差はなかった。

・発症から2年未満で10度以上手首と指を開くことのできる中等度麻痺の患者がもっとも回復が良く、

・その条件に限定すると、ボックス&ブロックテストスコアは9.6 vs. 4.1になりその差はさらに広がり5.5ポイントになった。

対側制御FESは従来型のNMESよりも手指リハビリに効果があった、


というおはなし。
図:対側制御FES

感想:

筋電信号を拾ってトリガーにするタイプよりも再現性は桁違いだろね。

健常な手に連動して麻痺手が開く。進化型ミラーセラピー って印象を持った。

2016年9月10日

脳卒中のあと突発性難聴になりやすいは本当?


Risk of sudden sensorineural hearing loss in stroke patients: A 5-year nationwide investigation of 44,460 patients.
2016  9月  台湾

脳卒中のあとの突発性難聴は周囲とのコミュニケーションを困難にしリハビリの妨げとなる。

実際のところ 脳卒中と難聴が関連があるのか、調べてみたそうな。


台湾の健康保険データベースより脳卒中患者11115人と他の病気の患者33345人を抽出し、突発性難聴の有無を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に脳卒中患者の66人が、その他患者の105人が突発性難聴になった。

・発症率は年間1000人あたりそれぞれ、1.19人 vs. 0.63人で2倍の差があった。

・発症後1年間に限定すると脳卒中患者の突発性難聴リスクは5.65倍だった。

脳卒中患者の突発性難聴リスクは高かった。特に脳卒中から1年内ではリスク5倍以上だった、


というおはなし。

図:ヒラリー・クリントン脳梗塞疑惑 突発性難聴 後遺症

感想:

ヒラリー・クリントンが集会で着けていたイヤフォンが脳梗塞後の難聴をカバーするため?というニュース疑惑とちょうど重なって関心をもった。

2016年9月9日

脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった


Adiposity and ischemic and hemorrhagic stroke
2016  9月  イギリス

肥満度BMIと脳梗塞、脳出血との関連を大規模に調べてみたそうな。


平均年齢57のイギリス女性1300万人について12年間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に9993件の脳梗塞、5852件の脳出血があった。

・肥満度BMIが5増えるごとに脳梗塞リスクは1.2倍になり、脳出血リスクは0.9倍になった。

・脳内出血とくも膜下出血はほぼ同様の関連だった。

・過去の研究も似たような傾向を示していた。


イギリス女性では肥満度BMIがあがると脳梗塞リスクが上昇するいっぽう、脳出血リスクは低下した、


というおはなし。
図:肥満度と脳梗塞、脳出血リスク

感想:

グラフみるとBMI 25~27くらいがいちばんオイシイ感じだね。

あと20キロ増やさなくては、、

2016年9月8日

半側空間無視に左手使用を促す方法とは


Rehabilitation of hemineglect of the left arm using movement detection bracelets activating a visual and acoustic alarm.
2016  9月  スペイン

脳卒中で右脳を損傷した患者の多くは半側空間無視を経験する。このとき大して麻痺していなくても左腕に気づかずその使用頻度が低下する。

そこで左腕の使用を促すアラーム機能を備えた加速度センサーブレスレットの効果を実験してみたそうな。


半側空間無視の患者9人について、両腕に加速度センサーブレスレットを着け、両腕の使用頻度の非対称性が大きくなったときアラームが鳴るよう設定した。

このブレスレット装着を1週間継続し、その前後、30日後での歩行時の腕の振り、ボタン留、洗顔、トレイ運び、ナイフ&フォークの両腕動作の非対称性を評価したところ、


次のことがわかった。

・両手使用頻度の非対称性はブレスレット装着時には改善した。

・この効果は視覚フィードバックを要するトレイ運びやフォーク&ナイフ動作で顕著で、歩行時の腕の振りや洗顔動作ではわずかだった。

・アラームをオフにするとすぐに元に戻ってしまった。

半側空間無視の両腕使用を加速度センサーアラームで促したところ、改善は視覚制御の必要な動作に限られ、効果はまったく持続しなかった、


というおはなし。
図:半側空間無視の両腕の非対称性

感想:

いまだに気を抜くと左肩をドアや柱にぶつける。

ポケモンGo プラスが出たらちょと恥ずかしいが左腕に着けてみたい。
触覚はないけど振動刺激ならわかるんじゃないかと思うんだ。

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