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2017年3月21日

脳卒中の知識 ヘルスキャンペーンの成果


Public health campaigns and their effect on stroke knowledge in a high-risk urban population: A five-year study.
2017  1月  カナダ

脳卒中のリスク要因や症状にかんする人々の知識は 病気の理解と脳卒中の際の行動に大きく影響する。

いままで これらの知識を啓発するキャンペーンが数多く行われてきた。

都市部の住民について脳卒中の知識レベルのさいきんの変化を調べてみたそうな。


2010と2015に トロント大学病院の循環器科を訪れた患者や付き添い人にアンケートを配った。

脳卒中のリスク要因と初期症状を答えてもらったところ、


次のようになった。

・2010に198人、2015に791人から回答を得た。

・リスク要因としてもっとも多かった回答は 2010が喫煙(58%)、2015は高血圧(49%)だった。

・症状では、2010が言葉のもつれ(57%)、2015は手足のしびれ(67%)がもっともおおかった。

・ほとんどの人がリスク要因と症状について1つ以上答えることができ、

・完全正答者の割合も 77%、76%でほぼおなじだった。

・主な情報源はテレビで 61%、68%だった。

高リスクな人たちへのアンケートでは、脳卒中に関する知識はすでに高いレベルにあり この5年間でほとんど変化がなかった、


というおはなし。
図:脳卒中に出会ったときのアクション今昔

感想:

それ系の診療科を訪れるくらいだから意識高いのはとうぜんだわな。

2017年3月20日

脳卒中の肥満パラドックスってホント?


Obesity paradox in stroke - Myth or reality? A systematic review.
2017  3月  スイス

肥満は脳卒中のリスク要因の1つではあるが 予後に与える影響についてはよくわかっていない。いっぽうで肥満の脳卒中患者は予後が良いとする報告が少なくない(肥満パラドックス)。

そこでこれまでの研究をまとめて肥満と脳卒中予後との関連をしらべてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・被験者299750人を含む25の研究がみつかった。

・死亡率に関する12の研究のうち10で ボディマス指数BMIが高い脳卒中患者は明らかに死亡率が低かった。

・死亡以外の予後(機能回復や再発)に関する9の研究のうち7で過体重の脳卒中患者は回復が良かった。

・血栓溶解治療を受けた患者についての6つの研究では相反する結果がでた。

・多くの研究で肥満の定義やBMIの測定精度、データの偏りに問題があった。

ほとんどの研究で脳卒中患者の "肥満"は生存に有利だった。しかし研究手法に問題も見られた。血栓溶解治療の患者については肥満パラドックスは確認できなかった、


というおはなし。
図:

感想:

肥満の定義として BMIではなく脂肪の割合やウエスト・ヒップ長比をつかうと結果がぜんぜんちがうだろうって書いてあった。

境界域限定のはなしで、痩せているよりはマシですよってことなんだと思う。

2017年3月19日

脳卒中やった女性の性機能をしらべてみた


The evaluation of sexual function in women with stroke.
2017  3月  トルコ

脳卒中を経験した女性にとっても性行為は避けてはとおれない。にもかかわらず性機能障害については話題にされることがすくない。

そこで女性脳卒中経験者の性機能について身体 心理的変化とその関連要因についてしらべてみたそうな。


発症から4年前後で 既婚の女性脳卒中経験者51人について
要介助度、重症度、うつスコア、性機能スコアをしらべ、
同性同年齢の健常者61人と比べたところ、


次のようになった。

・性機能スコア(性的興奮、性欲、膣潤滑、性的満足、オルガスム、性的疼痛)は全体的に 健常者にくらべ低かった。

・うつスコアは高く、脳卒中グループの60.8% 健常者グループの9.8%がうつだった。

・うつスコアが高いと性機能スコアが明らかに低かった。

・要介助度、重症度、年齢、結婚期間、子供の数がおおいと性機能スコアは低かった。

・側頭葉損傷とその左右の違いは性機能スコアと関連しなかった。

・性機能スコアと教育歴に正の相関があった。

女性脳卒中経験者の性機能障害はめずらしくなく、重症度や要介助度、うつレベルに影響をうけた、


というおはなし。

図:脳卒中患者の性機能スコア

感想:

Arousal,Desire,Lubrication,Satisfaction,Orgasm,Pain の意味がわかったよ。

2017年3月18日

メタボリックシンドロームと脳卒中


Metabolic syndrome and stroke: A meta-analysis of prospective cohort studies.
2017  3月  中国

肥満、高血圧、高血糖、脂質代謝異常が複数かさなった状態をメタボリックシンドロームとよび、健康上のリスクと考えられている。
しかしメタボリックシンドロームと脳卒中との関連については まだ結論がでていない。

そこで過去の研究をまとめてみたそうな。


これまでの関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者116496人を含む16の研究がみつかった。

・メタボリックシンドロームがあると脳卒中リスクは明らかに高かった。

・この影響は男性で1.47倍、女性で1.83倍だった。

・また、脳出血よりも脳梗塞でリスクが高くなった。

どうやらメタボリックシンドロームは脳卒中のリスク要因で、とくに女性と脳梗塞でその影響はおおきい、


というおはなし。
図:

感想:

あれほど脅しといてこんなもんなのか。メタボ無能すぎやしないか?

2017年3月17日

Stroke誌:脳卒中後の認知障害に効くツボがわかった


Acupuncture Attenuated Vascular Dementia–Induced Hippocampal Long-Term Potentiation Impairments via Activation of D1/D5 Receptors
2017  3月  中国

鍼刺激が血管性認知症を改善するとの報告がいくつかある。
そこで海馬でのシナプス可塑性のキーになるドーパミンの関与についてしらべてみたそうな。


頸動脈を縛って血管性認知障害にしたネズミについて、3日後から鍼刺激を1日1回x2週間けいぞくした。

水迷路テスト、電気生理検査、脳組織を調べたところ、


次のことがわかった。

・鍼刺激によって認知障害がおおきく改善された。

・とくに、ツボ 足三里(ST36)と百会(GV29)の組み合わせがもっとも効果的だった。

・認知障害によるシナプス増強現象の低下が鍼刺激で抑えられた。

・鍼刺激により海馬のドーパミンが増えた。

・海馬のドーパミン受容体の減少が鍼刺激により増加に転じた。

・これら鍼刺激の効果がドーパミン受容体の拮抗薬により消失した。

鍼刺激による認知機能と海馬のシナプス可塑性の改善効果にはドーパミン受容体の活性化が かかわっていた、


というおはなし。
図:鍼の認知障害治療効果水迷路テストの軌跡

感想:

中国伝統医学系のはなしは偏りが強くてアレなんだけど、Stroke誌ってことで関心をもった。

2017年3月16日

ところで、、再発予防のための薬って効果あるの?


Impact of Secondary Prevention on Mortality after a First Ischemic Stroke in Puerto Rico.
2017  3月  アメリカ

脳卒中の死亡率は初回よりも再発時で高く、とくに脳梗塞は はじめの6ヶ月間がもっとも再発しやすい。
ガイドラインで定められた再発予防のための投薬治療が実際はどんな状況なのか アメリカの自治区でもあるプエルトリコでしらべてみたそうな。


平均年齢70、脳梗塞患者3965人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。
・アメリカ脳卒中協会のガイドラインに沿う投薬治療を受けた患者は全体の1%にすぎなかった。

・たとえば再発予防投薬を受けない患者は、高血圧の75%、高脂血症の56%、心房細動の67%だった。なんの投薬もうけない患者も20%いた。

・平均生存期間は、投薬治療をうけた患者が450日で 投薬なし患者は266日だった。しかし統計学的有意な差ではなかった。

・生存曲線を描いたところ、最初の200日間は両グループとも差はなく、それ以降になると再発予防薬をもらった患者がやや長生きしているようにみえた。

脳梗塞後、じゅうぶんな再発予防治療を受けている患者は少なかった。統計学的に有意なほどではないけれど再発予防治療には死亡率をさげる効果があるような気がする、、、


というおはなし。
図:脳梗塞 再発予防投薬効果

感想:

退院時に処方されるくすりのほとんどには明白な延命効果はなく、気をつけてみればなんとなくそうかな、、、という程度である
ってことなんだね。

2017年3月15日

麻痺がおよんでいないはずの手の機能と左右脳との関係


Assessment of the Ipsilesional Hand Function in Stroke Survivors: The Effect of Lesion Side.
2017  3月  ブラジル

脳卒中のあと麻痺していないはずの手の運動感覚が低下しているという報告がある。

そこで 脳卒中での損傷脳半球の左右と、同側の手の筋力 器用さについてしらべてみたそうな。

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