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2014年9月30日

スニッカーズを油で揚げて食べると脳血流が、、、


A randomised crossover trial of the acute effects of a deep-fried Mars bar or porridge on the cerebral vasculature.
2014  9月  イギリス

スコットランドの人は「揚げマーズバー」といってスニッカーズに衣を着けて揚げたものをよく食べる。

揚げマーズバーが脳血流に及ぼす影響を調べてみたそうな。


24人の健常者に揚げマーズバーまたは牛乳粥を食べさせた90分後の脳血流を超音波検査機で測定し、比較した。


次のことがわかった。

・全体的には揚げマーズバーと牛乳粥グループとで顕著な差はなかったが、

・男女別にみると、男性で脳血流が明らかに低下することがわかった。


砂糖と油のかたまりを食べても概ね大したことはないが、男性については脳血流がやや低下する。これは脳卒中リスクになり得るであろう、


というおはなし。


これ
揚げマーズバー


感想:

身体に悪そうなことは実験しなくてもわかる。でも 男性のみ ってところが興味深い。

2014年9月29日

リハビリのやる気を引き出すために両足に加速度計を着けて解析結果をもとに週3回丁寧にアドバイスしてみた


SIRRACT: An International Randomized Clinical Trial of Activity Feedback During Inpatient Stroke Rehabilitation Enabled by Wireless Sensing.
2014  9月  アメリカ

脳卒中患者の日々の歩行状況を詳しく解析してフィードバックしてあげることで、やる気を引き出せるものか 実験してみたそうな。


11カ国16のリハビリ施設に入院中の135人の脳卒中患者について、
両足首に無線接続の3軸加速度計を装着させた。

このデータを解析することで、歩行速度、距離、時間などを定量評価できる。

患者をつぎの2グループに分けて、療法士さんが

*歩行速度のみを通知する、  または
*歩行活動の詳細な解析結果を参照してアドバイスする、

を週に3回ペースで継続した。


次のようになった。

・両グループで、1日あたりの歩行時間(~15分間)および歩行速度(~0.9m/s)に明らかな差は生じなかった。

・それどころか30%の患者は1日の歩行時間が減少傾向にあった。


脳卒中患者の歩行状況をモニターして詳細な解析情報をもとにアドバイスを継続したものの、歩行時間の増加や歩行スピードアップにはつながらなかった、


というおはなし。


感想:

たぶん むつかしいこと言ってもわかんないんだと思う。

カウンセリングだけの遠隔リハもダメだろな、、

2014年9月28日

脳卒中のあとの過活動膀胱を改善するツボの位置は


Electroacupuncture at points Baliao and Huiyang (BL35) for post-stroke detrusor overactivity.
2013  6月  中国

やたらトイレが近くなる過活動膀胱は脳卒中患者で珍しくなく、6ヶ月後でも20%が相当するという。

そこで、過活動膀胱への鍼治療の効果を調べてみたそうな。


脳卒中後に過活動膀胱の患者66人について

仙骨の後ろに並ぶツボ BaliaoおよびHuiyang(BL31-BL35)への電気鍼治療を2週間に10回行った。

半数はツボを外した偽刺激グループとした。


次のようになった。

・リアル鍼治療グループで膀胱コントロール能力が大きく改善し、

・下部尿路症状が緩和され、上部尿路障害リスクが低下した。

仙骨の後ろに並ぶツボ群への鍼刺激は脳卒中後の過活動膀胱の治療に効果的である、


というおはなし。

鍼刺激 仙骨のうしろ


感想:

仙骨の辺りってその種の機能が集まっているのかな。

偶然、昨日のニュースにこんなのみつけた。
「便失禁」の新治療法 保険適用も 患者500万人 仙骨神経を刺激

2014年9月27日

乗馬マシン vs. バランスボール 脳卒中リハビリに効くのはどっち?


The effects of horse riding simulation training on stroke patients' balance ability and abdominal muscle thickness changes.
2014  8月  韓国

乗馬マシンセラピーが脳卒中患者のバランス機能や腹部筋肉に及ぼす影響を調べてみたそうな。


脳卒中で片麻痺の患者30人について

*乗馬マシン
*バランスボール

のいずれかに乗るグループに分け、1回30分間x週3回x8週間の訓練を行った。

その後、バランス機能と 腹部筋肉の厚さを超音波で計測し、比較した。


次のようになった。

・乗馬マシングループではバランス機能が著しく向上した。

・乗馬マシングループでは麻痺側の腹部筋肉厚に変化が見られた。

・バランスボールグループでは有意な変化はなにもなかった。


乗馬マシンセラピーは脳卒中患者のバランス機能と腹部筋肉の非対称性の改善に効果的である、


というおはなし。


この実験に使用したパナソニック社製Core Muscle Trainer(EU6441)JOBA、約20万円



感想:

全身振動マシンよりは効果がありそう。

2014年9月26日

脳卒中を経験した子供の聴覚機能は、、


Central auditory processing outcome after stroke in children.
2014  9月  ブラジル

子供の脳卒中が聴覚機能に及ぼす影響を調べてみたそうな。


脳卒中を経験したことのある7-15歳の23人(男性13人)について、

騒音の中から言葉を聴きとるテストや
両耳から同時に入った数字を聴き分けるテストなど計5種類の聴覚検査を行った。

年齢、性別の一致する健常者で同じ検査を行い比較した。

また、脳の損傷部位との関連も調べた。


次のことがわかった。

・騒音下に単語を聴きとる聴覚補完機能は健常者と同レベルだった。

・しかし選択的注意を要する聴覚能力に著しく欠けていた。


脳卒中を経験したほとんどの子供がなんらかの聴覚障害を示していた。この障害の程度は損傷した脳半球の違いに依らなかった、


というおはなし。



感想:

大人なら失語症になりかねない状況でも、子供は可塑性が半端ないため脳半球を切り替えて適応してしまった。
そういうことかな。

2014年9月25日

低頻度rTMSの慢性期脳卒中への効果について


Does inhibitory repetitive transcranial magnetic stimulation augment functional task practice to improve arm recovery in chronic stroke?
2014  8月  アメリカ

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は脳卒中後の上肢麻痺を非侵襲的に改善できる方法である、と言われている。

これを確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢麻痺の患者22人について、損傷脳と反対側に低頻度rTMSを、週4回x4週間行った。

患者はリアルrTMSと偽rTMSの2グループに分類された。

rTMSの直前に、個別に最適化された上肢運動訓練が1時間行われた。

改善度を比較したところ、


次のようになった。

・リアル、偽rTMSの両グループ間で、上肢機能の改善度に差はなかった。

・脳の皮質興奮性を示す運動誘発電位にもグループ間の差はなかった。


この実験ではrTMSの上肢機能の改善効果は確認できなかった。患者が適していなかったのかも知れない、


というおはなし。

運動誘発電位rTMSによる


感想:

いままで「rTMS万歳!」的な報告ばかりだったのでかえって新鮮に感じた。

2014年9月24日

再発脳梗塞患者はリハビリでどこまで回復できるのか?


Functional gain following rehabilitation of recurrent ischemic stroke in the elderly: Experience of a post-acute care rehabilitation setting.
2014  9月  イスラエル

脳梗塞が再発した患者の機能回復度について調べてみたそうな。


リハビリ病院に入院した高齢脳梗塞患者919人について、入院時と退院時の機能的自立度評価(FIM)を行った。

次のことがわかった。

・716人が初回脳梗塞で、203人(22%)が再発だった。

・入院時および退院時のFIMスコアは両グループでほぼ同じだった。

・年齢、入院日数、退院時のメンタル検査スコア、入院時のFIMスコアのみが機能回復度に関連があった。

・脳梗塞の再発でリハビリ病院に入院した高齢患者は、初回脳梗塞患者に比べてほぼ同等の機能的自立度を得ることができた。


脳卒中の再発は、リハビリ的にはそう悲観する要因ではない、

というおはなし。



感想:

リハビリ病院は 皆が構ってくれてる とても居心地の良い場所である。
明確に意図せずとも、寂しさを紛らわすために再発を主張して入院してくる高齢者は少なくないのではないか。

そういう患者ならきっちり元のレベルに回復するだろう、、 と想像してみた。

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