~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2020年5月17日

Stroke誌:低周波振動で血栓溶解治療がはかどる

2020  5月  アメリカ

急性脳梗塞患者が遠隔地にいる場合や交通渋滞が予想される場合、ヘリコプターによる移送が行われ、このとき患者は移送中に血栓溶解薬 tPAの治療をうけることがありドリップ シップ(drip and ship)と呼ばれている。

しかしヘリコプターの強い低周波振動がもたらす tPA治療への影響についてはまったくわかっていないので、動物実験でたしかめてみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミ101匹について、
90分後に tPAをあたえて、

低周波シミュレータに乗せる 32匹、
実際にヘリコプターに乗せる 32匹、
静置のコントロール 37匹、 にわけた。



次のようになった。

・コントロールと比べて、低周波シミュレータでは梗塞体積が 31.6 versus 54.9 mm3 であきらかに小さく、回復良好割合も 86% versus 28%でおおきかった。

・しかしヘリコプターに乗せたグループでは、梗塞体積のあきらかな減少はなく、神経症状の回復もみられなかった。

・これはフライト条件の偶然性により20-30Hz帯の振動が少なかったことによると考えられた。

・tPAの代わりに生理食塩水のグループでは低周波振動の影響はみられなかった。

・血液脳関門の透過性にシミュレータとヘリコプターで差はみられなかった。

ヘリコプターを模した低周波振動がtPA治療とのシナジー効果を示した、


というおはなし。

低周波振動シミュレータ



感想:

tPA関係のさきんの記事↓。




ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *