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2022年7月1日

クリップ治療後の長期再発率は

2022  6月  韓国


治療した動脈瘤の再破裂(Recurrent aneurysms)はくも膜下出血再発の主な原因である。

しかし長期的なクリップの耐久性や再破裂の予測因子についてはよくわかっていないので、10年以上フォローしてくわしくしらべてみたそうな。



1993-2010年に動脈瘤性くも膜下出血で入院し、クリップ治療を受けた1601人のうち生存中の435人を対象とした。



次のことがわかった。

・10年以上のフォロー期間中の再発率は年0.77%だった。

・塞ぎきれなかったネックレムナントや飲酒、現在喫煙、初回くも膜下出血時の多発性動脈瘤の存在が再発の危険因子だった。

・さらに新規脳動脈瘤の発生は、40.9% vs. 11.5%で再発群におおかった。


くも膜下出血のクリップ治療後10年以上の長期フォローでの再発率は年0.77% だった。新規に瘤ができて破裂している可能性も少なくない、


というおはなし。
動脈瘤の再発の図


感想:

一般人のくも膜下出血発生率はせいぜい年0.03%。

だから再発率 0.77%は20倍以上であり めっちゃ高い。


くも膜下出血では瘤からの出血を直接目視しているわけではなく、そのときにたまたま見つかった瘤を塞いでいるだけ。

実は隠れた別の位置に出血源があるかもしれず、さらに新たに瘤ができて破裂する可能性もある。

そう考えると瘤治療してもくも膜下出血の再発率がぜんぜん低くないことにも納得がゆく。