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2019年11月28日

反対側へのシータバーストと慢性期脳卒中の機能回復


Low-intensity contralesional electrical theta burst stimulation modulates ipsilesional excitability and enhances stroke recovery
2019  10月  ニュージーランド

脳の両半球は互いのはたらきを抑制しあっているという考え方があって、脳卒中によりいっぽうの脳半球がダメージを負うと反対側からの抑制に歯止めが効かなくなりダメージを負った脳のはたらきがさらに悪化するという。

このアンバランスを正すために反対側にrTMSをあてて過剰な抑制が起こらないようにする臨床実験が数おおくおこなわれてきたが、いまだ一致した結果が得られていない。

動物実験では反対側の脳に電極から直接シータバーストパルスをあてることで過剰抑制を低下させ脳卒中の運動機能を回復させることに成功している。

これらの実験は急性期のものしかなかったので、慢性期であらためてその効果を確認してみたそうな。

2019年3月7日

Brain誌:半側空間無視のシータバーストと比例回復則


Theta burst stimulation in neglect after stroke- functional outcome and response variability origins
2019  2月  スイス

脳卒中で半側空間無視の患者の、過活動状態にある健常側の脳半球のはたらきを磁気刺激などの非侵襲的な方法で抑えると 無視症状が緩和されるという報告がいくつかある。

ただしこの効果はすべての患者にあてはまるものではなく個人差がおおきい。

そこで、健常脳を抑制する条件と、効果があらわれる個人の特徴をくわしくしらべてみたそうな。



亜急性期の右脳の脳卒中で、左の半側空間無視の患者30人と無視症状のない30人について、

右脳の後頭頂葉に連続シータバースト磁気刺激をあたえた。

適した刺激量をさぐるため、1バーストトレイン44秒の磁気刺激を4日間で計8トレインまたは16トレイン、偽刺激 の3グループにわけて実験した。

無視症状と日常生活動作ADL、機能的自立度FIMを3ヶ月後までフォローした。

損傷の位置と拡がりを画像ボクセル解析VLMSでしらべた。

また比例回復則(proportional recovery rule)で予想される回復程度(~70%)とも比較した。



次のようになった。

・全体としてシータバースト刺激グループ(8と16トレイン)で無視症状のあきらかな低下が見られ、効果が3ヶ月以上持続して、

・彼らは身体機能の回復もすぐれていた。

・個人レベルではシータバーストの効果が見られない者は脳梁の、とくに背側注意ネットワークのある後頭頂葉に損傷がおよんでいた。

・シータバーストにより無視症状と機能的自立度があきらかに改善した者の脳梁構造は無傷に保たれていた。

・さらに比例回復則から予測されるADLと無視症状の回復幅はシータバーストにより大きくなっていた。

無視症状のある脳卒中患者で左右脳半球の結合が保たれている場合は、健常脳への連続シータバースト刺激により無視症状はおおきく改善する


というおはなし。

図:脳梁の健全性


感想:

比例回復則はリハビリの有無にかかわらず 運動機能や無視 失語について 機能低下したぶんの70%が数ヶ月間で自発的に回復するという経験則をさす。これに従うものをFitter、はずれる者をnon-Fitterと呼ぶ。

シータバーストにより non-FitterがFitterになるわけではなく、70%の期待回復度が100%ちかくになるようだ。


でもこんな↓はなしもあるからうのみにはできない。
半球間抑制のアンバランスは片麻痺の原因ではなかった

2018年11月3日

シータバーストで半側空間無視がよくなる


The effect of theta-burst stimulation on unilateral spatial neglect following stroke- a systematic review
2018  10月  カナダ

半側空間無視の治療には視覚走査訓練、プリズムメガネ、アイパッチ、投薬などの方法があるがいずれも効果が短く、状況限定的である。

いっぽう非侵襲的な脳刺激法として経頭蓋磁気刺激(TMS)が治療に用いられることがある。これは脳半球間の拮抗モデルにもとずいて、片方の脳半球を活性化または抑制することで脳卒中によるバランスの崩れをただすという考え方で 半側空間無視にも期待されている。

さらに初期のTMSでは刺激パルスが単発的だったのにたいし、機器の進歩により高速にパルスを繰り出せるようになった。とくに可塑性が促されるとされる脳波のシータ波(4-7Hz)相当のリズムをもったTMSパルスの群れをシータバースト刺激(TBS)と呼ぶ。

シータバーストを間欠的(iTBS)または連続的(cTBS)にあたえる方法があり、それぞれシナプスの長期増強(LTP), 長期抑制(LTD)効果が得られるとされている。

そこで半側空間無視治療へのTBSの効果をこれまでの研究からまとめてみたそうな。


おもに脳卒中で半側空間無視になった患者へのTBS治療に関する論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者148人を含む9の論文がみつかった。

・8件がcTBSで1件がiTBSによるものだった。

・いずれの刺激法でも半側空間無視がおおきく改善していた。

・TBSに視覚走査訓練を加えてもさらなる改善は見られなかった。

・症状のとらえかたや治療手順に研究ごとのばらつきがおおきかった。

脳卒中の半側空間無視の治療にはシータバースト刺激が有効そうにみえた。しかしエビデンスの質は高いとはいえなかった、


というおはなし。

図:脳の可塑性

感想:

効果あるのかもしれんけど、1日ほんの数10分間の刺激を2週間やってもらうために なん10万円も支払うことが見合うのかどうか、、、が問題。
新しい磁気刺激治療法 シータバーストとはなんなのか

2012年6月6日

新しい磁気刺激治療法 シータバーストとはなんなのか


Intermittent theta burst stimulation over ipsilesional primary motor cortex of subacute ischemic stroke patients: A pilot study.
2012  5月  台湾



脳卒中リハビリに役立つ新しい磁気刺激方法を開発したので早速患者に試してみたそうな。


12人の脳梗塞患者を6人ずつ、

・磁気刺激グループ

の刺激グループ

に分けて10日間治療を行った。

並行して通常のリハビリも行った。


新しい磁気刺激は、

間欠的シータバーストiTBS :intermittent theta burst stimulation)

という方法を採用し、

合計で1200個のパルス刺激をダメージを負った脳の運動野に与えた。(iTBS1200




この効果を、

治療直後と60日後に6つの評価方法と

脳磁図検査で検証した。




その結果、

・この磁気刺激治療は発作や悪影響なしに完了した。

・2つの評価基準で偽刺激グループに比べ改善が確認できた。

・他の4つの評価基準では両グループで違いはなかった。

・脳磁図検査では運動に関連した脳の働きの増加が、治療直後に確認できた。




このあたらしい磁気刺激方法は

脳卒中リハビリにさらなる革命をもたらすかもしれない



というおはなし。





感想:

最近は磁気刺激というとrTMSよりもTBS(シータバースト刺激)のほうがよくでてくる…気がする。


調べてみると、シータバースト刺激(TBS)ってこんな感じで、




この図では、各パルスは細かい4つの子パルスの束からできている。


この一連のパルス(シータバースト)を5Hzで2秒間(=40発)与えて、

20秒ほど間を開けて(間欠)


また繰り返す・・・・・・


と、11分で1200発打ち終える。



TBSがいままでのrTMSと異なる点は、

1パルスを構成する子パルスの数が増えているところにある、と考える。


いっぱいパルスを当てることができるので、

rTMSよりも長い持続効果が期待されている。



一方、パルス数が増えた分、安全性の観点から

磁気強度を大幅に下げることになると思う。


そのため、被験者がその最中に磁気刺激を受けていることが

まったくわからないほどに刺激が弱いかもしれない。




いままでのTMSは電気ショック療法の延長だったけど、

TBSは 少し お上品な刺激法である、


と 勝手に推測してみた。

2020年3月14日

rTMS vs. シータバースト 認知障害


High-frequency versus theta burst transcranial magnetic stimulation for the treatment of poststroke cognitive impairment in humans
2020  3月  台湾

脳卒中後の認知障害は30-40%の患者にみられるという。

また、背外側前頭前野への磁気刺激はパーキンソン病患者の認知機能の注意、視空間ドメインの改善をもたらすとされている。

これを脳卒中で認知障害をしめす患者について、高周波数(5Hz)のrTMSとiTBS(シータバースト)のことなる磁気刺激条件で効果に差があるものか、実験してみたそうな。

2019年5月6日

シータバーストで上肢リハビリ


Intermittent theta burst stimulation enhances upper limb motor function in patients with chronic stroke- a pilot randomized controlled trial
2019  4月  台湾
脳卒中を経験した50-60%はリハビリをおこなったとしても運動機能になんらかの麻痺がのこる。

rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)は非侵襲的に運動機能の回復をうながすことができると期待されてきたが、さいきんのメタアナリシスでは上肢機能の改善効果はなにもないことが示された。

いっぽうrTMSの別の一形態である iTBS(間欠的シータバースト磁気刺激)はその効果がより持続するとしてあらたに期待されている。

半球間競合モデルにもとずいて、損傷脳半球の運動野をiTBSで活性化する、または反対側の脳半球の運動野をcTBS(連続シータバースト磁気刺激)で抑制する使い方が考えられているが、いまだ結論に一致をみない。

そこで脳卒中後の上肢機能についてiTBSの効果をランダム化比較試験してみたそうな。



30-70歳で慢性期脳卒中で片麻痺の患者22人について、

損傷脳半球の運動野へのiTBSまたは偽刺激(コイルの向きを変える)を1日1セッションx週5回x2週間の計10セッションおこなった。

刺激強度は運動しきい値を超えないように設定し、被験者がどちらの刺激をうけているのかわからないようにした。

介入前後の
Modified Ashworth Scale (MAS),
Fugl-Meyer Assessment Upper Extremity (FMA-UE),
Action Research Arm Test (ARAT),
Box and Block test (BBT),
Motor Activity Log (MAL) を評価したところ、



次のようになった。

・iTBSグループで痙縮度MASと上肢機能FMA-UE、上肢アクティビティのARAT、手の巧緻性BBTスコア が偽刺激グループよりもおおきくスコアをのばした。

・上肢使用頻度のMALはグループ間の差はみられなかった。

損傷脳半球への間欠的シータバースト磁気刺激は慢性期患者の上肢の痙縮をやわらげ、上肢運動機能の特に巧緻性を改善した。こんごに期待したい、



というおはなし。
図:iTBS刺激
Magstim Rapid stimulator



感想:

半球間競合モデルにはちょっと疑いがある↓。
半球間抑制のアンバランスは片麻痺の原因ではなかった
iTBSもこれ↓のなかまだから推して知るべしか。
[結論] rTMSの上肢リハビリ効果について

2018年12月3日

JAMA Neurol.:小脳への磁気刺激で歩行リハビリ


Effect of Cerebellar Stimulation on Gait and Balance Recovery in Patients With Hemiparetic Stroke- A Randomized Clinical Trial
2018  11月  イタリア

脳卒中患者の歩行リハビリを促すあきらかに有効な方法はいまだ存在していない。

近年、動物実験で小脳への刺激が歩行能力の改善につながることが示されている。
また人のfMRIで麻痺側の小脳の活動と歩行の改善度が正の相関をもつことがわかってきた。

そこで脳卒中患者の小脳に、rTMSの一種でシナプスの長期増強をもたらすとされる間欠的シータバースト磁気刺激(iTBS)を与えたときの歩行能力の変化をくわしくしらべてみたそうな。


中大脳動脈域の脳卒中で慢性期の片麻痺患者34人について、
損傷脳半球と対側の小脳へiTBSを3週間継続した。

偽刺激グループにはコイルを90度傾けて対応した。

さらに3週間後までバランスや歩行能力、皮質活動をフォローしたところ、


次のようになった。

・リアル刺激グループで、バランス能力を示すBBSスコアが 34.5→43.4→47.5とおおきく改善した。

・運動機能(FMA)や生活自立度(BI)には変化はなかった。

・麻痺していない足の横方向への歩幅があきらかに減少した。

・後頭葉の活動が高くなった。

小脳への間欠的シータバースト磁気刺激で脳卒中片麻痺患者のバランス能力と歩行パラメータが改善した、


というおはなし。

図:小脳 間欠的シータバーストTMS

感想:

15年ほど前に じぶんの右手の指をうごかしたときのfMRI(←動画)。右の小脳がおおきく反応していて「こういうものなのか、、」とおもった。

[シータバースト]の関連記事

2019年11月13日

連続シータバースト刺激が脳を護る仕組み


Phasic GABA signaling mediates the protective effects of cTBS against cerebral ischemia in mice
2019  11月  中国

脳卒中の慢性期ではシナプス結合の再編が重要で、これには神経伝達物質が関与する。

脳虚血を起こすとグルタミン酸作動性のシグナリングが増加し、興奮毒性から神経細胞が死滅する。

神経伝達物質であるGABA(Gamma-Amino butyric acid)はこの興奮毒性を抑え神経保護をもたらすと考えられている。

いっぽう、経頭蓋磁気刺激(TMS)の一種である cTBS(連続シータバースト刺激)にはシナプスの長期抑制効果が確認され脳卒中の回復に期待されている。

このメカニズムをあきらかにするべくGABA抑制の点からくわしくしらべてみたそうな。



人為的に脳梗塞をおこしたネズミの後頭頂葉へ5HzのcTBSを30日間与えた。

GABAの影響をしらべるために受容体阻害薬のビククリン(Bicuculline)を用いた。
空間認知能力はモリス水迷路テストでしらべた。



次のようになった。

・錐体ニューロン間のGABAはcTBSに反応した。グルタミン酸作動性の興奮は変わらなかった。

・cTBSは持続性(tonic)ではない律動的(phasic)抑制効果をもたらした。

・GABA受容体を介した律動的抑制は脳卒中の慢性期に高まり回復を促した。

・cTBSによりもたらされた律動的抑制効果は空間認知能力も改善した。

cTBSは律動的GABAシグナリング抑制をもたらし脳卒中後の機能回復をうながした、


というおはなし。

図:空有間認知cTBS GABA



感想:

いまいちよくわからないけど
バーストものには縁があるので勉強してみた。

[シータバースト]関連記事

メモ:
Combining Theta Burst Stimulation With Training After Subcortical Stroke

2015年7月21日

上肢機能の回復を促す準備刺激とは


Primed Physical Therapy Enhances Recovery of Upper Limb Function in Chronic Stroke Patients.
2015  7月  ニュージーランド

上肢リハビリ直前の磁気パルス準備刺激の効果について調べてみたそうな。


慢性期脳卒中で片麻痺の患者18人について45分間の上肢理学療法の直前にシータバースト磁気刺激を与えた。

偽刺激グループも設けて、これを2週間行い 1ヶ月後、3ヶ月後の機能改善度、皮質運動興奮性、脳機能MRIの結果を比較した。


次のようになった。

・上肢機能を示すアクション・リサーチアームテストのスコアは1か月後も改善値を保っていた。

・治療2週間の中盤から成果が現れ始め 用量効果を示していた。

・1か月後、上肢機能の改善度と 皮質運動興奮性バランスおよび損傷脳側の前運動皮質の活動増加との関連が認められた。


リハビリ直前にシータバースト準備刺激を与えることで慢性期脳卒中患者の上肢機能が改善し、1ヶ月間以上効果が持続した。通常のリハビリ単体では十分な効果が得られなかった、


というおはなし。

iTBS



感想:

この研究者グループは準備刺激が好きで、かつて両手パタパタ法を提唱していた。
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

こんかい、通常ならTMS治療の話になるところを「準備刺激」にキーワードをすり替えている。タイトルにTMSと載せると時代遅れに見えてだれも読んでくれなくなるからではないだろうか。


おまけ:シータバーストとはなんなのか

2012年7月28日

半側空間無視の治療はTMSのシータバーストで決まり


Theta burst stimulation reduces disability during the activities of daily living in spatial neglect.
2012  7月  イギリス



脳卒中後の半側空間無視は

右脳損傷によって半球間相互抑制のバランスが崩れて、

左側の健常な脳が過活動になるため

視野に偏りができると考えられる。



経頭蓋磁気刺激TMS)は過活動にある

健常側の脳の働きを抑制することができる。


この抑制効果が日常生活動作の改善に

つながるかどうか、調べてみたそうな。






半側空間無視のある脳卒中患者の健常側の頭頂葉に

連続シータバースト刺激を1日8セット×2日間与えた。


偽刺激を与えるグループも用意して同様の治療手順を施した。





その結果、

・日常生活動作の37%に改善が見られた。

・この効果は少なくとも3週間持続した。

・この効果により神経心理学的なテストスコアも向上した。

・偽刺激グループにはこれらの改善効果は見られなかった。







連続シータバースト刺激は半側空間無視患者の

リハビリに非常に有効であることがはっきりした



というおはなし。




感想:

かなり自信があるみたい。


過去の記事を思い出した。


半側空間無視が磁気刺激で治る理由

半側空間無視が磁気刺激で治る



2019年9月19日

シータバースト刺激が脳卒中に良い理由


Beneficial Effects of Theta-Burst Transcranial Magnetic Stimulation on Stroke Injury via Improving Neuronal Microenvironment and Mitochondrial Integrity
2019  9月  中国

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、低い頻度では神経活動を抑制し高頻度では活性化すると考えられている。

うつなどの精神疾患にも応用され アルツハイマー病やパーキンソン病ではβアミロイドを減らしBDNFなどの神経促進タンパクを増やす効果が報告されている。

脳梗塞でのrTMSの影響メカニズムをくわしくしらべてみたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミに3時間後からrTMSの5Hzのバーストパルスを5日間与えた。

この前後での行動、梗塞体積、脳組織の変化を観察した結果、



次のことがわかった。

・行動障害と梗塞体積があきらかに減少した。

・シナプス減少や神経退化も少なくなった。

・グリア細胞の増殖や炎症性サイトカイン、酸化ストレスによる神経ダメージも抑えられた。

・ミクログリア、アストロサイトの型が 傷害性から保護性にシフトした。

・抗炎症性のサイトカインが増加し、ミトコンドリアの細胞膜の健全性が維持されアポトーシス経路が抑制された。

rTMSのシータ刺激による脳虚血へのつよい神経保護作用がしめされた。炎症-酸化-ミトコンドリアの微小環境への改善効果が関係しているようだ


というおはなし。

図:磁気刺激 脳梗塞


感想:

ネズミ頭部に対するヘルムホルツコイルの巨大さ(上図)が気になった。

脳全体を刺激するシータリズムがミクロレベルにいいのか。

[シータバースト]の関連記事

2016年3月22日

磁気刺激が脳卒中の神経ネットワークに与えるえいきょう


Shaping Early Reorganization of Neural Networks Promotes Motor Function after Stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者への磁気刺激治療が脳活動にどう影響するのか調べてみたそうな。


発症から16日以内、手に麻痺のある脳卒中患者26人について1回45分の理学療法訓練を5日間行った。

各訓練の直前に5分間のシータバースト磁気刺激を 損傷脳側の運動野に与えた。
比較グループではつむじのあたりを刺激した。

直前、直後、3ヶ月後までの各段階での手の機能、安静時の脳機能MRIを測定したところ、


次のことがわかった。

・運動野へ刺激を受けたグループで握力が明らかに強くなった。

・運動ネットワーク結合度と手の機能回復には関連があり、

・特に比較グループで両半球間および半球内の結合性が低下した。これは運動野刺激グループには見られなかった。

脳卒中患者への理学療法訓練の直前にシータバースト磁気刺激を追加することで運動ネットワークの質の低下を食い止めたのかもしれない、


というおはなし。

図:結合度変化iTBSによる


感想:

最近ネットワーク評価おおい。たぶんデータ取得が異常に簡単で あとはソフトウェアの力だけで表現の自由度の高いグラフィカルな結果が得られるとこがウケてるんだと思う。
ディフュージョンテンソル描画も同じで、、、

2012年5月18日

磁気刺激で失語症が改善するんだゾ ☆(ゝω・)v


Theta Burst Stimulation Over the Right Broca's Homologue Induces Improvement of Naming in Aphasic Patients.
2012  5月  スイス



失語症患者への経頭蓋磁気刺激の効果について調べたそうな。


脳卒中で失語症の右利き患者18人について


脳波計測で特定した右脳ブローカ野への

経頭蓋磁気刺激治療(シータバースト)

その前後での画像命名課題など言語機能の評価を比較した。


また、

偽の磁気刺激との比較、

脳卒中後の異なる時期での比較も行った。




結果は、

・偽ではない本当の磁気刺激により命名課題の正確さとスピードが著しく向上した。

・この改善は、脳卒中の亜急性期患者で顕著だった。




この治療法は使えるかも知れない、


というおはなし。





感想:

おもしろそう。


ブローカ野を磁気刺激したときに言葉が出なくなる実験


2015年10月26日

脳のここをやられていると運動イメージ訓練が効かない


Motor imagery-based skill acquisition disrupted following rTMS of the inferior parietal lobule.
2015  10月  カナダ

運動イメージ訓練 いわゆるメンタルリハーサルは脳卒中リハビリで効果のある治療法の1つである。

これには脳の様々な部位が関わっているが、なかでも視空間プロセスを司る左側の下頭頂小葉に大きく依存していると考えられれている。

そこでこの部位を磁気刺激(TMS)で抑制した場合に 運動イメージ訓練の効果がどうなるか調べてみたそうな。


27人の脳卒中患者について、運動イメージ訓練ベースの潜在系列学習を行わせ、その前後での反応時間を測定した。

患者は2グループに分け、
一方には左側の下頭頂小葉へ抑制効果を持つシータバーストTMSを与え、
もう一方はTMSコイルを外に向けて偽刺激グループとした。


次のことがわかった。

・反応時間の改善度は、偽刺激グループで36.1ms、本刺激グループでは7.7msだった。


左側の下頭頂小葉の働きを抑制したところ、運動イメージ訓練の効果が弱まった。この部位が運動イメージ訓練に重要な役割を担っているであろうことが確認できた、


というおはなし。


写真:下頭頂小葉下頭頂小葉


感想:

下頭頂小葉には角回という脳のひだが含まれていて、そこは 刺激すると体外離脱を体験できることで有名な部位でもある。

刺激されてみたい、、

2011年12月28日

半側空間無視が磁気刺激で治る理由


Excitability out of balance: Treating hemineglect with transcranial magnetic brain stimulation.
2011  12月  アメリカ




半側空間無視のリハビリは難しい。


注意を促す訓練の繰り返しや脳への外部刺激によって

視野への適切な注意行動を取り戻す試みがなされている。




特に脳への外部刺激による方法は、

左右の脳が互いの働きを補ったり、

足を引っ張ったりしながらバランスをとって活動

しているという仮定に基づいている。




一方の脳の梗塞によって、

健常側の脳への抑制が効かなくなり、

バランスが崩れると視野への関心が偏ると考えられる。




反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いて、

損傷側の脳の活動を高める、または

健常側の脳の活動を抑制することで

この崩れたバランスを正すことができる。




rTMSによるシータバースト刺激は脳の興奮を

安全かつ効果的に抑制し、

半側空間無視を改善することができるかもしれない、



というおはなし。

2012年6月23日

磁気刺激治療20年間のまとめ


Effects of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation on Motor Functions in Patients With Stroke: A Meta-Analysis.
2012  6月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激rTMS)を使った脳卒中患者の

上肢麻痺治療効果について過去の研究をまとめてみたそうな。



研究データベースから1990-2011の関連する論文を厳選抽出、

解析して、rTMS治療の効果を検証した。





次のことがわかった。

・主に運動機能の改善に効果があった。

・皮質下梗塞のケースで効果があった。

・低頻度rTMSのほうが高頻度rTMSより効果的である。

・副作用はほとんどなかった。

・最近では間欠的シータバースト刺激がより効果的とされている。





磁気刺激治療にはもっともっと研究が必要だ、


というおはなし。

2020年7月26日

rTMSの痙縮改善効果 メタアナリシス

2020  7月  中国


脳卒中後の痙縮にrTNS(反復経頭蓋磁気刺激)やiTBS(間欠的シータバースト)が有効であるとする報告がいくつかある。

これらRCTのメタアナリシスも存在するが最新の研究成果がふくまれていないので、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。

2012年3月16日

rTMS磁気刺激治療の効果は... ほんの数%?


Theta Burst Stimulation in the Rehabilitation of the Upper Limb: A Semirandomized, Placebo-Controlled Trial in Chronic Stroke Patients.
2012  3月  イギリス




脳卒中リハビリへの

反復経頭蓋磁気刺激(TBS:シータバースト刺激)治療の

効果とその持続力について調べたそうな。



41人の慢性期脳卒中患者について、

TBS治療+理学療法 のセットを

10日間継続した。


比較のために偽の磁気刺激を用いたグループも作った。




4, 30, 90日後に

手指の器用さや握力等を調べるテストを行い

偽の磁気刺激グループと比較した。



その結果、

両グループで持続的な改善が見られたものの、

その差は10%にも満たなかった。





磁気刺激治療による上肢麻痺改善効果は

期待したほど無い ことがわかった、


というおはなし。




感想:

知ってた。

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