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2011年10月28日

身体パラフレニア:自分の腕じゃないみたい!


Mirror-view reverses somatoparaphrenia: Dissociation between first- and third-person perspectives on body ownership.
2011  10月  イギリス

脳卒中で右脳に損傷を負った患者は自らの身体が

他人のものであるかのような感覚を持つ場合がある。

これを "身体パラフレニア" と言う。


身体パラフレニアのある患者に

鏡を見せた場合の反応を調べたそうな。


右脳損傷で左片麻痺の脳卒中患者5人について、

(うち2人は身体パラフレニアがある患者)

・左腕を直接見る場合と、

・前に置いた鏡に映して見る場合とで

その身体所有感覚を調査した。


結果は、

身体パラフレニアのある患者は、


・自分の左腕を直接見る場合は他人の腕のように感じた。

・鏡に映すと自分の腕のように感じた。

・この切り替えはほとんど一瞬で起きた。

・患者自身はこの身体所有感覚の変化に疑問を感じなかった。

・この切替えに際し実験者が腕に触れても同じ結果だった。


身体が他人のもののように感じる理由は、

自身の感覚統合能力の低下によるもの、と考えられた。


つまり、身体パラフレニアは自身の身体に対する

客観的感覚と主観的な視点との神経学的な

乖離現象であると推測できる。


乳児が初めて鏡に映る自分を理解できないのと同様の

仕組みがあるのかも知れない、


というおはなし。

写真:身体パラフレニア



感想:

これがヒドくなるとエイリアンハンドシンドロームになるのかな。

わたしも、

左手足が自分のものではなく、

高性能の義手、義足であるかのような感覚は常にある。

2011年10月27日

脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う


Fatigue after stroke: manifestations and strategies.
2011  10月  デンマーク

脳卒中経験者が日常生活の中で "疲労"についてどのように感じているのかを調べたそうな。


25人(男15、女17)の脳卒中患者について、

発症後、半年、1年、2年毎に面談を行い 疲労について調査をした。



その結果、

脳卒中患者達は
・通常の生活で経験する疲労  と

脳卒中後に現れたスペシャルな疲労  
とを、明らかに区別して感じていることがわかった。


脳卒中後に感じる疲労は患者にとって初めて経験するものであり、

快復の障害にもなりうるので対策が必要、


というおはなし。

図:脳卒中後の疲労とリハビリテーション



感想:

脳卒中後○○ というときに、すこしまえは "うつ" だったんだけど、最近は "疲労" の記事が多い。

この記事では

tiredness と fatigue という違いで表現されている。

どちらも疲労なんだけど、前者はスポーツしたあとの筋肉的な疲労で、後者は倦怠感に近いニュアンスがある。

もちろん脳卒中後は fatigue

2011年10月26日

脳卒中後の疲れやすさはしばらくの間 改善しない…


The Course of Fatigue during the First 18 Months after First-Ever Stroke: A Longitudinal Study.
2011  10月  ノルウェー



脳卒中後慢性疲労の時間経過について調べたそうな。



脳卒中後の慢性疲労感は

エネルギー切れになって、燃え尽きたような感覚であり、

悲しさや弱さ といったものとは異なる。



これらを客観的に測定する指標は乏しく、

アンケートの自己申告により評価する。




95人の脳卒中患者について、

性別、身体機能、抑うつ感、疲労度、慢性疲労の前歴

などについて、発症18ヶ月後まで追跡調査した。




その結果、

慢性疲労感の度合いは時間に依らずほぼ一定であった。

また、性別や抑うつ感による違いもほとんどなかった。


特に、慢性疲労の前歴のある患者はその疲労度が大きかった、


というおはなし。




感想:

たしかに、急な気分の落ち込みの頻度は大きく下がったけど、


疲れやすさはあまり改善していない印象がある。


脳の中のモーターがいきなり止まっちゃったような感覚になる。

2011年10月25日

上肢訓練で失語症も治る、一石二鳥のリハビリ戦略とは


Language changes coincide with motor and fMRI changes following upper extremity motor therapy for hemiparesis: a brief report.
2011  10月  アメリカ



上肢運動リハビリが言語機能へ及ぼす影響を調べたそうな。



脳卒中で片麻痺、失語症の患者5人について、

上肢運動訓練を4週間継続した。(2.5時間/日)




その結果、

3人の患者で言語機能の著しい改善が見られた。

また、この3人は上肢運動機能の改善も著しかった。




脳機能MRIによると

この3人の言語を司る脳の領域が左脳から右脳へ

移動していることが確認できた。




上肢運動訓練をすると言語機能も改善されるという

仕組みは未だわからないけど、


解明されればリハビリの効率化につながるだろう、



というおはなし。

2011年10月24日

首が太い脳梗塞患者が1年以内に全て死亡


Neck circumference, a bedside clinical feature related to mortality of acute ischemic stroke.
2011  10月  ブラジル




脳梗塞患者の死亡率と身体的特徴との関連を調べたそうな。


急性期脳梗塞患者89人について、

脳卒中の重症度、

ボディマス指数、首周りの長さ、ウエストヒップ比、

睡眠時無呼吸症の有無 

などについて調べ、1年間追跡した。



その結果、

1年以内に8.9%の患者が死亡した。

首周りの長さが、男性43cm、女性38cm 

より大きい患者は全て死亡していた。



首周りの長さと睡眠時無呼吸症、糖尿病

などとの関連が見られた。


しかし肥満は少なかった。(11%)



首が太い脳梗塞患者は死亡率が高い


というおはなし。

首周囲長と脳梗塞死

2011年10月23日

骨髄間質細胞で脳梗塞を治療するためには


Intracerebral, but not intravenous, transplantation of bone marrow stromal cells enhances functional recovery in rat cerebral infarct: An optical imaging study.
2011  10月  日本



骨髄間質細胞には神経疾患の治療可能性がある。



脳梗塞の場合に、どうやって骨髄間質細胞を移植したら

より効果的であるか、を調べたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミに、

7日後、骨髄間質細胞を、


・静脈に300万個注入  または

・脳へ直接100万個注入

する2つのグループにわけて

4週間 経過を観察し、比較した。




その結果、

骨髄間質細胞注入後、

運動機能が著しく回復し、

かつ 骨髄間質細胞が組織に定着したのは

脳に直接注入したグループだった。



脳梗塞治療目的での骨髄間質細胞の移植は

脳へ直接注入する必要があることがわかった、


というおはなし。




骨髄間質細胞は様々な組織に分化できる
写真:骨髄間質細胞

2011年10月22日

騒々しい場所に長く居ると脳卒中になりやすい


Exposure to workplace noise and the risk of cardiovascular disease events and mortality among older adults.
2011  10月  オーストラリア


騒音の多い環境と脳卒中との関連を調べたそうな。


2942人の被験者について

職場の騒音状況、心血管系疾患等についての調査を行った。



激しい騒音に 1-5年ほど曝されているひとは、

脳卒中になる危険性および死亡率が

騒音の無い環境のひとに比べ非常に高かった、


というおはなし。




2011年10月21日

低周波治療器+ストレッチで手首痙縮を改善する


The efficacy of electrical stimulation in reducing the post-strokespasticity: a randomized controlled study.
2011  10月  トルコ
皮膚表面からの電気刺激が 脳卒中後の手首筋肉の痙縮を改善できるかどうか調べたそうな。


アシュワーススケール2-3の片麻痺患者を次の2グループに分けた。
・手首のストレッチのみ

・手首のストレッチ+伸展筋への電気刺激
電気刺激は、

周波数100Hzのパルスを間欠的に15分間、を目安とした。


その結果、

ストレッチに電気刺激を加えたグループでの

痙縮改善効果が著しかった、


というおはなし。

図:電気刺激とストレッチ 痙縮治療


アシュワーススケール
0:筋緊張に増加なし
1:軽度の筋緊張の増加あり。屈伸にて、引っかかりと消失、あるいは可動域終わりに若干の抵抗あり
1+:軽度の筋緊張あり。引っかかりが明らかで可動域の1/2以下の範囲で若干の抵抗がある。
2:筋緊張の増加がほぼ全可動域を通して認められるが、容易に動かすことができる。
3:かなりの筋緊張の増加があり、他動運動は困難である。
4:固まっていて、屈曲あるいは伸展ができない。


感想:

この電気刺激仕様は、市販の低周波治療器のそれとほとんど同じである。



これを医療機関でやってもらうと、

低周波治療器が数十台買えるくらいの費用が生じる、と予想する。


写真:低周波治療器

2011年10月20日

急性期脳卒中患者の3%が即座に自殺を決断


A Study of Suicidal Thoughts in AcuteStrokePatients.
2011  10月  ポルトガル



急性期脳卒中患者の自殺願望の有無について調べたそうな。



発症後4日以内の脳卒中患者177人について、


15%の患者が自殺を考えた。


・さらにそのうちの22%は自殺を遂行するための

具体的な計画を持っていた。





分析の結果、これらの患者に共通する要因として、


低い教育レベル

・糖尿病

・気分障害の既往歴

・うつ


が考えられた。





急性期脳卒中患者の自殺行動に注意せよ!



というおはなし。







感想:

この割合でいくと

100人の急性期脳卒中患者がいたら

3人はわずか数日間のうちに自殺計画済み、ってことになる。


しかし、急性期じゃ身体も自由に動かないし、監視もきびしいから

本当に実行に移すのはそのうちの 1%程度だろう。


この時、自殺率としては 10万人中30人になる。




日本人の年間自殺率が10万人中24人だから


ほとんど違わない。



なんとも複雑なきぶん。

2011年10月19日

歩行リハビリはたくさん訓練すればイイってものでもない


Effects of Augmented Exercise Therapy on Outcome of Gait and Gait-Related Activities in the First 6 Months After Stroke: A Meta-Analysis.
2011  10月  オランダ




脳卒中後6ヶ月以内の患者に

歩行リハビリの時間を増やしたら

歩行や日常動作がより改善するかどうか

調べてみたそうな。



研究データベースを検索して、関連する研究4966件の中から

14件(被験者総数725人)を厳選した。





解析の結果、

大した効果は確認できなかった。





発症6ヶ月以内の脳卒中患者に

たくさん歩行訓練を施しても

やっただけの見返りは得られませんよ、


というおはなし。






感想:

以前、リハビリ病院で出会った超能力理学療法士

『君は歩けるようになるから、今はできるだけ歩かないようにしなさい』

と わけのわからないことを言われたのを 思い出す。

2011年10月18日

パン、ポテト、スイーツが好きな男性は脳卒中に注意


Dietary Glycemic Load and Glycemic Index and Risk of Coronary Heart Disease and Stroke in Dutch Men and Women: The EPIC-MORGEN Study.
2011  10月  オランダ




食べ物のグリセミック負荷、グリセミック指数と

脳卒中を含む心血管系疾患との関連を調べたそうな。



糖尿病でない 男性8855人、女性10753人について、

食事内容をアンケートし、11.9年追跡調査した。



この間に

・男性

冠動脈疾患:581件

脳卒中:120件、


・女性

冠動脈疾患:300件

脳卒中:109件

があった。


炭水化物の主な摂取源はパン、ポテト、スイーツだった。



解析の結果、

・グリセミック負荷は男性の冠動脈疾患に、

・グリセミック指数は男性の脳卒中に、

それぞれ関連があった。




女性には同様の関連は見られなかった。





炭水化物ばかり摂る男性は心血管系疾患に注意しなさい、



というおはなし。






グリセミック負荷→グリセミック指数に炭水化物の重量をかけた値で、血糖値を上昇させる程度をあらわす指標である。

グリセミック指数→炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値である。

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