~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2015年12月23日

限界まで太った高齢者は脳卒中からすぐに復活できる


Effect of obesity on functional outcomes at 6 months post-stroke among elderly Koreans: a prospective multicentre study.
2015  12月  韓国

脳卒中患者の肥満度と機能的自立度との関連を調べてみたそうな。


急性脳梗塞の患者2057人について、ボディマス指数(BMI)と6ヶ月後の機能的自立度評価(FIM)との関連を年齢層別に解析したところ、


次のことがわかった。

・65歳以上のグループでBMI30を超える極度肥満患者のFIMが有意に高かった。

・65歳未満ではBMIとFIMの関連は見られなかった。

65歳以上の脳梗塞患者の場合、極度肥満であることが6ヶ月後の良好な機能的自立度の目安になっていた、


というおはなし。

写真:極度肥満

感想:

歳をとってなお消化吸収能力の極めて高い優れた内臓をもっているわけで、脳も内臓と考えればそういうこともあるのかな、、、とおもった。

2015年12月22日

肩の痛みを改善する神経筋テーピングとは


Effectiveness of neuromuscular taping on painful hemiplegic shoulder: a randomised clinical trial.
2015  12月  イタリア

脳卒中で肩が痛くなり動かせない患者への神経筋テーピング(neuromuscular taping)の効果を実験してみたそうな。


安静時および動作時に強い肩の痛みのある脳卒中患者32人について、神経筋テーピングの有無で2グループに分け、両グループに通常のリハビリを4週間行い痛みと関節可動域を評価したところ、


次のことがわかった。

・テーピンググループで痛みのスケールが有意に低下し、1ヶ月後も効果が持続していた。

・同様に、関節可動域も30度ほど改善し 効果が持続した。


脳卒中患者への神経筋テーピングで肩の痛みと関節可動域を改善できた、


というおはなし。

写真:神経筋テーピング

感想:

正月に箱根駅伝みてると たまに顔にテーピングしてるランナーがいる。いったいどういう効果を狙っているのか知りたくなるんだけど なぜか調べる気が起きない。

2015年12月21日

よく動いてた患者は治りも良いのだろうか


Do Physically Active Patients Have Better Functional Outcome after Stroke? A Systematic Review.
2015  12月  ブラジル

身体活動は高血圧や糖尿病、肥満に影響することから脳卒中予防にも効果があると考えられている。

そこで、脳卒中発症前の身体活動レベルと機能的回復度についてはどうか調べてみたそうな。


関連する過去の研究を見なおしたところ、


次のことがわかった。

・Ristらによる最も規模の大きい研究では発症前の身体活動と機能的回復度との関連は確認できなかった。

・その次に規模の大きいStroudらの研究では 僅かな関連が見られた。

・Krarupらのもっとも小さい規模の研究3件で発症前の身体活動の機能保護効果が報告されていた。


脳卒中発症前の身体活動と機能回復との関連は結論が出せなかった、


というおはなし。

図:脳筋

感想:

もし関連があるとすると、脳機能のタフさは筋肉と一緒に鍛えることが可能ってことになる。

これ思い出した。↓
スポーツやってた脳卒中患者は再発しないのか?

2015年12月20日

PM2.5は脳梗塞か それとも脳出血か?


Differentiating the effects of characteristics of PM pollution on mortality from ischemic and hemorrhagic strokes.
2015  11月  中国

浮遊粒子状物質(PM)と脳卒中との関連は知られている。

そこで、PMのサイズや成分、脳梗塞と脳出血どちらに影響するのかなど調べてみたそうな。


広州市のデータについて、曜日や祝日、気象条件、インフルエンザなどの要素を考慮して解析したところ、


次のことがわかった。

・PMと脳卒中死亡率との明らかな関連を確認した。

・PM10,PM2.5,PM1と粒子サイズが小さくなるほど影響が強かった。

・特にPM2.5の有機炭素、元素状炭素、硫酸、硝酸、アンモニウム成分が脳卒中死亡率に関連していた。

・PM汚染は脳梗塞よりも脳出血と有意に関連していた。

浮遊粒子状物質の様々な成分が脳卒中死亡率に関連していた。特に脳出血で顕著だった、


というおはなし。



感想:

壮大な人体実験の結果だからな、、、

2015年12月19日

6年後に完全回復できた患者は何%?


Participation in Complex and Social Everyday Activities Six Years after Stroke: Predictors for Return to Pre-Stroke Level.
2015  12月  スウェーデン

どれくらいの脳卒中患者が6年後、発症前のレベルに戻れるものなのか、調べてみたそうな。


脳卒中患者349人を6年間フォローして、応用的日常生活動作(Frenchay Activities Index:FAI)を屋内、屋外活動、職場 について評価したところ、


次のことがわかった。

・121人の調査を完遂できた。

・79.3%は軽症患者だった。

・6年後、84%の患者がFAI≥15の活動的なレベルであると評価された。

・発症以前のレベルよりも回復した患者は35%で、65%はそれより低かった。

・補助なしでの歩行、若いこと、3ヶ月時点での回復が良かったこと、が良好な回復と関連していた。

6年後 35%の脳卒中経験者は発症まえ以上に回復していた。歩行能力の改善と社会参加を促すことが長期的な回復につながるだろう、


というおはなし。

図:社会参加

感想:

軽症患者でも半数以上は6年後も悩んでるってことなんだよな。

2015年12月18日

歯の本数と脳卒中との関連


Tooth loss is independently associated with poor outcomes in stable coronary heart disease
2015  12月  スウェーデン

歯の本数と脳卒中など心血管疾患との関連を調べてみたそうな。


39カ国の冠動脈疾患患者15456人について、残っている歯の本数を申告してもらい その後3.7年間フォローした結果、


次のことがわかった。

・他の要因を考慮に入れてなお、歯が少なくなるほど脳卒中や心血管疾患死亡リスクが増加した。

・失った歯が6本未満の患者に比べ 歯がまったく残っていない患者の脳卒中リスクは67%高かった。

冠動脈疾患患者を対象とした研究では、失った歯の本数が多いほど脳卒中や心血管疾患死亡リスクが高かった


というおはなし。

写真:羽が抜けた


感想:

背景として歯周病がどうのこうのらしい。

過去記事↓
抜けた歯が多いと脳卒中になりやすいの?

歯がない人は脳卒中にだけ注意すれば良いと思う

若年脳卒中患者の特徴 → 歯が少ない

抜けた歯を数えてみて.  4本以上なら脳卒中予備軍決定

2015年12月17日

漢方薬はほんとうに脳卒中にいいのか?


Outcomes after stroke in patients receiving adjuvant therapy with traditional Chinese medicine: A nationwide matched interventional cohort study.
2015  11月  台湾

漢方薬を使っている脳卒中患者は多い。ほんとうに効果があるものかどうか調べてみたそうな。


脳卒中のあと、通常の治療に加えて

*漢方薬治療を受けた入院患者1734人と
*漢方薬治療を受けない入院患者1734人

を比較したところ、


次のことがわかった。

・漢方薬治療を受けた患者は、発症から3ヶ月以内の 尿路感染症、肺炎、てんかん、消化管出血、死亡率が明らかに低かった。

・6ヶ月後についても同様に上記各リスクはすべて低かった。

・入院期間、費用も漢方薬グループは少なかった。


脳卒中のあと漢方薬治療を追加してもらった入院患者の有害転帰は減少した、


というおはなし。


感想:

で、これ↓なんだろうな、、
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう

2015年12月16日

被殻へのダメージはリハビリ後の歩行が遅い!


Does stroke location predict walk speed response to gait rehabilitation?
2015  11月  イギリス

脳の損傷位置がリハビリ後の歩行スピードに影響するものかどうか調べてみたそうな。


50人の脳卒中患者について、断層画像から脳の損傷位置と皮質脊髄路など脳組織に及ぼす範囲を調べた。

6週間のリハビリ後の歩行能力や移動能力を評価し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・皮質脊髄路へのダメージは歩行スピードを除く移動能力に関連していた。

・皮質脊髄路にダメージのないグループでは、被殻、島皮質、外包、それら周辺組織へのダメージが歩行スピードに関連していた。


脳卒中リハビリ後の歩行スピードは 被殻と周辺組織へのダメージがあると遅かった。皮質脊髄路へのダメージは歩行スピードとは関連しなかったが移動能力には影響した、


というおはなし。

図:被殻と歩行スピード


感想:

オレ被殻だからな、、、

2015年12月15日

脳卒中経験者の脚の筋力は健常者の何%なのか?


Lower limb strength is significantly impaired in all muscle groups in ambulatory people with chronic stroke: a cross-sectional study.
2015  11月  オーストラリア

脳卒中経験者の下肢筋力が どのくらいなものか調べてみたそうな。


発症後1-6年 歩行可能な60人の脳卒中経験者について 両下肢の主な12種の筋肉の収縮力を調べ 健常者35人と比較したところ、


次のことがわかった。

・麻痺側の脚のすべての筋力は明らかに弱く 健常者の48%程度だった。

・特に影響が大きかったのは 大殿筋で38%、足首背屈筋 35%、股関節内転筋 38%だった。

・非麻痺脚も足首内回旋筋を除く全ての筋力が有意に弱く健常者の66%程度だった。


脳卒中経験者はたとえ歩行可能であったとしても 両脚のほとんどの筋力が健常者に比べ大きく低下していた、


というおはなし。

図:下肢筋肉

感想:

さいきん 片足首ジャンプ訓練をはじめたら 駅の階段の上りでかつてのような感覚を取り戻すことができて 静かに感動している。

2015年12月14日

ラクナ梗塞の症状がすぐに消えちゃいました


Transient and persistent symptoms in patients with lacunar infarction: results from a prospective cohort study.
2015  11月  中国

症状を伴うラクナ梗塞には 一過性のものと持続性のものがある。両者の特徴を知らべてみたそうな。


症候性のラクナ梗塞でMRIを撮った外来患者251人について6ヶ月間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・77.3%の患者は症状が一過性で、23.7%は持続性だった。

・一過性の患者は若く、症状も軽く、梗塞も小さく、前頭部が多かった。

・生存率は一過性患者が明らかに高く、

・再発も 30.9% vs 54.4% で一過性患者が少なかった。


症候性のラクナ梗塞には一過性のものが多く、症状が持続するタイプよりも死亡率や再発率が低かった、


というおはなし。

図:ラクナ梗塞の再発

感想:

どんな症状であれ その原因を数mmの梗塞と関係付けることに どれほどの説得力があるのかな。

2015年12月13日

脳卒中経験者の運転適格性判定ツール


Usefulness of the driveABLE cognitive assessment in predicting the driving risk factor of stroke patients.
2015  10月  韓国

自動車運転の認知機能上の適格性を評価する装置 DriveABLE(ドライブエイブル)が脳卒中患者に使えるか実験してみたそうな。


運転歴のある42人の脳卒中患者について DriveABLEでの評価に基づき

*安全ドライバー と
*非安全ドライバー

の2グループに分けた。

各々のグループをドライブシミュレーターおよび認知機能検査したところ、


次のことがわかった。

・11人が安全グループ、31人が非安全グループに分類された。

・安全グループは認知機能検査スコアが非安全グループよりも高かった。

・運転技術(ペダルやステアリング操作、スピード制御、衝突事故など)も安全グループが優れていた。

このような評価ツールは脳卒中経験者の運転適格性の判断に使えるかもしれない、


というおはなし。


これ↓



感想:

はやく自動運転を実現してほしいよ。脳に障害抱えた人間が1トン以上の鉄の塊を そこらじゅうで走らせていると思うと怖くてしかたがない。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *