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2011年7月28日

己のバカさ加減に自覚が無いのが高次脳機能障害の特徴


Driving ability instrokepatients with residual visual inattention: A case study.
2011 7月 フィンランド




3人の右脳梗塞患者について

自動車運転再開の可否を判断するために


行動性無視検査:Behavioural Inattention Test (BIT)

というテストを行った。


その結果、

いずれも空間無視がなかったので路上に出て再評価したところ、

運転可能であると結論した、 というおはなし。





感想:

行動無視検査を検索したらこんな文献があった。

Behavioural Inattention Testを用いた高齢ドライバーの認知機能評価に関する基礎的研究



読むと、


この種の検査をするとあまりに単純な内容ゆえ

痴呆の検査と勘違いされて検査拒否に遭うことがよくある
、と書いてある。




自分も発症直後、STから同じような検査を延々とされて、

これにいったいなんの意味があるのかわからない!

と文句を言って検査を中断させた思い出がある。

2011年7月27日

言語障害には鍼灸治療もプラスしなさい


Post-stroke speech disorder treated with acupuncture and psychological intervention combined with rehabilitation training: a randomized controlled trial.
2011 6月  中国




脳卒中後の言語障害への

鍼灸+心理カウンセリング の効果を調べたそうな。



120人の脳卒中患者を40人ずつ次の3グループに分けた。


・比較グループ:通常の言語リハビリのみ

・グループ1:鍼灸治療のみ

・グループ2:鍼灸治療+心理カウンセリング+通常の言語リハビリ





鍼灸治療はツボ:Jinjin,Yaye,Lianquan を主に刺激した。(位置は下図参照)


21日間の治療の後、

顕著な治療効果があった患者の割合は、


・比較グループ:2.5%

・グループ1:15%

・グループ2:50%



であった。


言語障害の治療には通常のリハビリに加えて

鍼や心理カウンセリングなども行うとその効果が大いに増す。



良さそうなことはなんでも試してみなさい、


というおはなし。



ツボ: Jinjin, Yaye, Lianquan(CV23) の位置
写真:言語障害に効くツボ
写真:言語障害に効くツボ

2011年7月26日

脳梗塞 片麻痺 小児 子供の学習リハビリ


Does stroke impair learning in children?
2011 7月  ブラジル



子供の年間脳卒中発症率は10万人中 数人と稀である。



脳卒中を経験した子供の学習能力を調べたそうな。



29人の脳卒中経験のある子供について

読み書き、計算能力を健常な子供と比較した。


・彼らの平均年齢は9.6歳で、

・29人のうち20人は2歳前後で発症した。

・18人は脳梗塞で、

・7人は再発歴あり。

・6人はテストに返答できないほどダメージがあった。

・脳卒中経験者はすべてのテストでスコアが著しく低く、

・認知機能の発達の遅れも見られた。




脳卒中を経験した子供には特別な教育サポートが必要である、



というおはなし。

図:子供脳卒中の認知機能

2011年7月25日

降圧薬をちゃんと飲まない人の脳卒中リスクは6割増し


Low Medication Adherence and the Incidence of Stroke Symptoms Among Individuals With Hypertension: The REGARDS Study.
2011  7月  アメリカ



血圧を下げる薬をきちんと飲んでいない人が

どれだけ危険なのかを調べたそうな。




降圧薬治療を受けている9950人について、

服薬遵守の程度を0,1,2,3,4 とランク付けして分類した。

数字がおおいきほど服薬を守っていないことを示す。



脳卒中固有の以下の症状の有無を6ヶ月ごとに電話インタビューし、

4年間追跡調査した。

・身体の一方の側の脱力感

・しびれ感

・片目または両目の失明

・視野半分の喪失

・他人の言う事がわからなくなる

・話したり書いたりができなくなる





調査の結果、

服薬遵守の程度が悪くなるにしたがって、

脳卒中症状を経験した人の割合が

15%(ランク0)→25%(ランク3,4)  に増えた。



これはきちんと薬を飲んでいる人に比べ、

服薬を守らないと脳卒中になる危険性が6割増える

ことに相当することがわかった、


というおはなし。








感想:

考えていたより服薬遵守の効果は小さいな…

と思った。




降圧薬を飲むと

頻尿、口渇、しびれ増加

など都合の悪いことがいくつかある。




今後はもっと適当に薬を飲もうと思う。

2011年7月24日

脳梗塞の季節がやってまいりました。 水分、すいぶん


Seasonal Variation of Stroke Incidence in Japan for 35631 Stroke Patients in the Japanese Standard Stroke Registry, 1998-2007.
2011  7月  日本




脳卒中の季節変動を調べたそうな。


163の施設が参加する日本人の脳卒中データベースから

原因が明らかな脳卒中事例35631件(1998-2007)

を選び解析した。



次のようなことがわかった。


・心臓が原因でない脳梗塞は冬より夏に多い。

・ラクナ脳梗塞は冬より夏に多い。

・アテローム血栓性脳梗塞も同様に夏に多い。

・心原性脳塞栓と脳出血は夏より冬に多い。





要するに 脳梗塞は夏、脳出血は冬に起きる、


というおはなし。



写真:水分補給

2011年7月23日

くよくよ心配ばかりする人ほど脳卒中になりやすい


Optimism associated with lower risk of having stroke
2011 7月 アメリカ



楽観志向と脳卒中との関連を調べたそうな。



脳卒中ではない50歳以上の6044人について

その楽観的度合いを16ポイント評価した。



2年間の追跡調査の結果、


人生に対する楽観的度合いが1ポイント増えるごとに

脳卒中リスクが9パーセント下がることがわかった。





人生はぜったいにうまくゆく

と考えている人ほど健康になる、


というおはなし。




写真:楽観主義

Dispositional Optimism Protects Older Adults From Stroke: The Health and Retirement Study.

2011年7月22日

嚥下障害があると自宅で暮らすのはキツイ


Influence of Dysphagia on short-term outcome in patients with acute stroke.
2011 7月  日本



脳卒中後の嚥下障害の有無が退院後の行き先とどう関連するかを調べたそうな。



409人の脳卒中患者について、

その退院時点で、

・140人は自宅に帰った。

・250人はリハビリ専門の別の病院に移った。

・12人は死亡した。

・205人は通常の食事が摂れるようになり、

・96人は嚥下障害のままで栄養チューブを使わざるを得なかった。

・自宅に帰ることのできた140人のうち127人は通常の食事ができた。

・嚥下障害専用食や経腸栄養の必要な患者の多くは自宅に帰ることができなかった。

・自宅に帰ることのできた患者の自立度はそれ以外の患者に比べ高かった。




嚥下障害の有無は自宅に戻ることが出来るかどうか

を決める重要なポイントである、


というおはなし。

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