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2011年8月24日

睡眠呼吸障害:CPAP vs 経鼻吹送法


Effect of transnasal insufflation on sleep disordered breathing in acute stroke: a preliminary study.
2011  8月  スイス



睡眠呼吸障害は急性期脳卒中患者によくみられ、

予後の悪化につながる。


対策として鼻にマスクをかぶせて空気を送り込む装置

シーパップ(CPAP)があるが、運用がむつかしい。



そこで鼻に管を通して直接気道に空気を送り込む

経鼻吹送法(TNI)の効果を調べたそうな。



睡眠呼吸障害の重い患者10人についてTNIを施行した。




結果、

ほとんどの患者でTNIによる睡眠呼吸障害の改善が見られた。

しかしその効果はCPAPのそれと大差無いため、

CPAPに置き換わるものではないことがわかった、


というおはなし。

2011年8月23日

DHAで脳がよみがえる  - 脳梗塞・リハビリ革命 -


Accumulation of Dietary Docosahexaenoic Acid in the Brain Attenuates Acute Immune Response and Development of Postischemic Neuronal Damage.
2011  8月  カナダ
魚を摂ると冠動脈疾患や脳梗塞の予防になると言われている。


そこで、魚の油に含まれる成分、ドコサヘキサエン酸(DHA)の

脳梗塞治療効果を調べてみたそうな。




マウスを

・不飽和脂肪酸のない食事と

・DHAのいっぱい入った食事を摂るグループ

とに分けて、3ヶ月間飼育した。

その後人為的に脳梗塞にし、脳の状態を詳細に調べた。


その結果、
・DHAグループでは梗塞で傷ついた脳組織のグリア化が抑えられ、

・梗塞の大きさが小さくなり、

・組織の壊死を防ぐ分子が増え、

・脳組織の炎症を促す物質が著しく減っていた。

・また、DHA強化食によって脳内の不飽和脂肪酸の構成が大きく変わっていた。


日頃より脳に蓄えてきたDHAによって、

脳梗塞によるダメージから脳組織が保護されることがわかった。


DHAは安全でしかも簡単に入手できるので、

気になる人はDHAサプリメントを摂りましょう、


というおはなし。


写真:DHAで脳梗塞治療

2011年8月22日

デブが脳梗塞に強いは間違い → ヤセが弱すぎるだけ


Body mass index, initial neurological severity and long-term mortality in ischemic stroke.
2011  8月  韓国




肥満は脳梗塞や冠動脈疾患の原因とされている。

一方で、心血管系疾患の予後が

BMI(ボディマス指数:体重/身長2)の高い人ほど良い

という証拠も増えてきている。(→肥満パラドックス




そこで、脳梗塞後の長期的な死亡率とBMIとの関連を調べてみたそうな。




・1592人の脳梗塞患者を4年間追跡調査した。

・この間に23%の患者が死亡した。

・解析の結果、BMIが高いほど発症時の神経症状が軽い傾向が見られた。

・年齢、性別を考慮に入れてもこの傾向は顕著であった。

(体重が軽いほうが症状が重く、肥満で体重が重いほうが症状が軽い)


・しかし、初期症状の軽重も考慮に入れると、

体重が軽い患者で症状が重い、という関係だけが残った。





BMIと脳梗塞症状との逆の相関関係は、

体重の軽い(やせ)患者で顕著
に見られ、


体重が重いと症状が軽いかと言うと

必ずしもそうではなさそうである
ことがわかった、



というおはなし。




写真:ひまん

2011年8月21日

3月の月曜、カラッとした晴天日には脳梗塞に注意


Biometeorological phases influence on stroke morbidity.
2011  8月  セルビア


脳卒中の発生と天候、気温、月、曜日、などとの関連について調べたそうな。



2003-2009に入院した脳卒中患者4700人について

その記録を調査、生物気象学的に解析した。



その結果、

・脳卒中が一番多い月は3月で、2月が一番少なかった。

・週のうちでは月曜日が一番多く、日曜日が最も少なかった。

・6割の患者は市街地に住んでいた。

・男女の割合はほぼ同じだった。

・そのうち約80%が70歳以上だった。

・平均入院日数は12日間だった。

・患者の88%は脳梗塞、9%が脳出血、3%がくも膜下出血だった。

・41%が高血圧、19%が心不全、15%が糖尿持ちだった。

晴れて天気の良い暖かく湿度の低い日

寒冷前線の通過に伴い突然天候が変わる霧で曇りがちな日に起きやすい。


ことがわかった、  

というおはなし。





感想:
Biometeorology:生物気象学っていう分野があって、
気象と生物との関係を学問するらしい。


で、気象状況を表現するために
こんな分類をしている。(メモ)

biometeorological phases
phase 1 CWD: cyclone, warm, dry;
phase 2 CWW: cyclone, warm, wet;
phase 3 CWF: cyclone, warm front;
phase 4 CCF: cyclone cold front; →低気圧、寒冷前線
phase 5 CCW: cyclone, cold, wet;
phase 6 CCD: cyclone, cold, dry;
phase 7 ACD: anticyclone, cold, dry;
phase 8 ACW: anticyclone, cold, wet;
phase 9 AWD: anticyclone, warm, dry; →高気圧、温暖、乾燥
phase 10 AWW: anticyclone, warm, wet



フェーズ9と4で脳卒中が多いとのこと。

おもしろそう。

2011年8月20日

[注目!] NHKスペシャル|脳がよみがえる ~ 脳卒中・リハビリ革命 ~


2011年9月4日(日) 午後9時00分~9時49分 総合テレビ

脳がよみがえる脳卒中・リハビリ革命




4年間リハビリを頑張ってきても動かなかった指が、わずか10分の訓練で動き始めた」。

今、脳卒中の治療で新たなリハビリが次々に開発され、驚異的な効果 を上げている。

約280万人にのぼる脳卒中患者、医療の発達で命を落とすケースは減ったものの、

マヒの問題は深刻で、介護が必要になる原因の第一位だ。

解 決にはリハビリが重要だが、発症後6ヶ月を超えたあたりから効果が落ちるとされてきた。

しかし最近、脳科学の急速な発達により、傷ついた脳が再生するメカ ニズムが次第に明らかになり、

時間を経過した患者でも、マヒを改善する手法が発見されている。

リハビリの効果を上げる誰でも出来る意外な方法や、脳波とマ シンを連動させる最新科学まで、

脳卒中リハビリの最前線で起きている急激な変化を取材、

人間の脳に秘められた驚きのパワーに迫る。…







これ見なくちゃ。


ここまで煽ってくれるのだから

いったい どんな奇跡の治療法が出てくるのか ホント楽しみ。

わたしの感想はこちら(←クリック)

玉子をいっぱい食べて脳梗塞リハビリ対策


Functional outcome of elderly survivors of ischemic stroke: a retrospective study comparing nonhypercholesterolemic and hypercholesterolemic patients.
2011  8月  イスラエル




一般に総コレステロール値が高いと脳梗塞になりやすくなる、

と考えられている。


高コレステロール血症と高齢者の脳梗塞後の

回復具合との関連について調べたそうな。



総コレステロール値が200mg/dl以上を高コレステロール血症とし、


脳梗塞でリハビリ入院した60歳以上の患者551人について

その入退院時での自立度をFIMスケールで評価した。





その結果、

・高コレステロール血症の患者の割合は26.7%だった。

・入院時のFIMスコアは高コレステーロール血症の患者で著しく高かった。

・退院時のFIMスコアも同様に、高コレステロール血症の患者で高かった。

・しかし、回復の大きさを示すFIMスコアの変化分は

 コレステロール値の高い患者も低い患者も同じであった。






コレステロール値が高い高齢の脳梗塞患者は

入退院時の自立度が高い傾向が見られた、



というおはなし。



写真:コレステロールの摂り方

2011年8月19日

人前でタバコを吸うと逮捕される法律が出来ればイイと思う


Regional and Racial Differences in Smoking and Exposure to Secondhand Smoke: the Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke (REGARDS) Study.
2011  8月  アメリカ




喫煙、人種と脳卒中の地域間格差の関係を調べたそうな。



2003年からの4年間、

45歳以上の白人およびアフリカ系アメリカ人2万6千人あまりについて、

脳卒中発生率がことさら高い地域を含む周辺地域での

喫煙および間接喫煙の割合を調べ、分析した。




その結果、

・白人では喫煙および間接喫煙の地域間の違いはなかった。


・アフリカ系アメリカ人の場合、脳卒中発生率の高い地域での

喫煙および間接喫煙の割合は むしろ低かった。





喫煙や間接喫煙が脳卒中の地域間格差を生み出している

原因ではなさそうである ことがわかった、



というおはなし。




stroke belt:アメリカの脳卒中発生率が突出している地域
写真:脳卒中地帯

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