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2011年10月1日

触覚が回復してくると手も動くようになる


Increase in Sensorimotor Cortex Response to Somatosensory Stimulation Over Subacute Poststroke Period Correlates With Motor Recovery in Hemiparetic Patients.
2011  9月  アメリカ



片麻痺患者の運動機能回復と

触覚との関係を調べたそうな。




10人の片麻痺患者について、

発症後1年間、


麻痺側の指への触覚刺激に対する反応を

ファンクショナルMRIで確認し、

ついでに運動機能の回復具合を調べた。




その結果、

触覚刺激への反応の増加と

運動機能の回復具合との間に強い関連が見られた。





亜急性期の脳卒中患者では、

触覚(体性感覚)の回復が

運動機能の回復につながるのではないか、


というおはなし。






感想:

そのとおり、と思う。


体性感覚が無いと、自らが起こした運動の結果を

頭の中のイメージと結びつけることができず

いつまでたっても動作を身につけることができない。




でも、

この体性感覚の無さは視覚で補うことが出来ると思う。




感覚運動野と体性感覚野

2011年9月30日

隣近所が貧乏人ばかりだと脳梗塞になりやすい


Neighborhood Disadvantage and Ischemic Stroke: The Cardiovascular Health Study (CHS).
2011  9月  アメリカ



住んでいる地域の人々の経済的状態が

脳梗塞に及ぼす影響をしらべたそうな。



65歳以上の、白人3824人、黒人785人について、

居住地域の社会経済的状況を調査し、解析した。



その結果、

社会経済的に恵まれない地域に住んでいる白人は

脳梗塞になる危険性が、

豊かな地域の白人に比べ3割増しになった。



一方、黒人ではこのような関連はまったく見られなかった。





白人のみに見られる脳梗塞と貧困地域との関連は

行動学上の理由というよりは

生物学的な要因によるものと考えられる、   



というおはなし。








感想:

もともと社会経済的に厳しい状況を強いられてきた黒人は

ストレス耐性が高くなっている、 というだけの話と思う。


こういった背景も考慮に入れているんだろうけれども、


それを生物学的要因に帰着させようとする姿勢に 

人種差別を感じる。

2011年9月29日

PTの時間に太極拳教えてくれたらよかった


Community-based Yang-Style Tai Chi is safe and feasible in chronic stroke: a pilot study.
2011  9月  アメリカ



脳卒中リハビリへの太極拳の応用について調べたそうな。


50歳以上、発症後3ヶ月以上の脳卒中患者について、

週3回の楊式太極拳トレーニング(50分/回)に12週間参加させた。


その結果、


途中脱落する者もほとんど無く、

転倒や体調を崩す者もいなかった。


回復具合も悪くなく、参加者の満足度は非常に高かった。




理学療法の代わりに太極拳はいいかも、

というおはなし。



楊式太極拳




感想:

これは現場に取り入れて欲しい、と思う。


科学的根拠に乏しいという点では

促通理論とドッコイドッコイだけど


太極拳にはとても長い歴史がある。

2011年9月28日

話しながら歩くオバちゃんたちが道を塞ぐわけがわかった


Older adults with and without stroke reduce cadence to meet the demands of talking.
2011  9月  アメリカ




歩行しながら会話をする能力の違いを、

脳卒中経験のある高齢者について調べたそうな。



脳卒中経験ある高齢者24人 と、

脳卒中経験の無い高齢者12について、

曲がりくねった道を話しながら歩いてもらった。



その様子をビデオ記録して、

歩行のペース、話すスピード、流暢さ、文法的複雑さ、意味内容、

などについて分析した。



次のことがわかった。

・脳卒中経験の有無に関わらず、話しながらだと歩行ペースが低下した。

・一方、両グループともに 話すスピードは変わらなかった。

・脳卒中経験者では歩きながらだと、話す文法的複雑さと意味内容が低下した。





歩きながら話す必要があるときには、

高齢の脳卒中経験者は 特に、 ゆっくりと歩きなさい、


というおはなし。






感想:

たしかにその通りで、


一度に複数のことに気を配る能力が著しく低下

しているという実感がある。


特に自動車運転中は、他のことがまったくできなくなり、

音楽を楽しむ余裕もない。





面白いな...と思って研究者の名前を見たら睡眠学習のシエングシュコン先生だった。

見直してみると この研究(←)もそうだった。

2011年9月27日

脳梗塞後6ヶ月以内に自殺する可能性について


Case Reports of Unexpected Suicides in Patients within Six Months after Stroke.
2011  9月  日本



脳梗塞後6ヶ月以内に自殺を図った患者6人について、

その原因を調査したそうな。



・そのうち2人は生き残った。

・6人の患者にうつの病歴はなかった。

・6人中4人は梗塞の範囲が側頭葉から頭頂葉に広がっていた。

・6人中4人は脳卒中後うつ症状を示していた。

・6人中5人は中程度の後遺症だった。

・6ヶ月以内の自殺率は一般人の約3倍だった。




というおはなし。






感想:

発症後6ヶ月以内というのは 場合によっては

リハビリの効果も未だ充分ではなく、

今後の生活への不安が非常に大きい時期である。



だから 自殺率がもっと高くても不思議ではない、と思った。

2011年9月26日

脳卒中になったのは宿命に違いない...orz → 死亡 & 再発


Fatalism, Optimism, Spirituality, Depressive Symptoms, and Stroke Outcome: A Population-Based Analysis.
2011  9月  アメリカ




脳卒中患者の性向が、楽観的、宿命論的、スピリチュアル、抑うつ傾向、

のいずれであるかが予後に与える影響を調べたそうな。



2004-2008年に発症した失語症のない脳卒中経験者669人

について調査をおこなった。



その結果、


・宿命論的考えの脳卒中患者は死亡率が4割高く、再発率も高かった。

 しかし症状の重症度には関連はなかった。


・同様に、抑うつ傾向の強かった患者は死亡率、再発率、

 重症度いずれも やや高かった。



・楽観主義、スピリチュアル好きな患者はいずれも死亡率、再発率、重症度

 との関連は見られなかった。






抑うつ傾向のある宿命論者は

脳卒中後の死亡率、再発率 共に高い、


というおはなし。

2011年9月25日

中性脂肪が低いは自慢にならない

Serum Lipid Levels and the Risk of Intracerebral Hemorrhage: The Rotterdam Study. 2011  9月  ドイツ


脳出血とコレステロール、中性脂肪との関連を調べたそうな。

9000人あまりの健常人を10年以上追跡調査した結果、
次のことがわかった。

・血液中の中性脂肪が高いほど脳出血になりにくい。
・コレステロール(HDL,LDL)との関連は見られなかった。




血中の中性脂肪が低いと脳出血になる危険性が大きくなる

というおはなし。





感想:
健康診断ではいつも中性脂肪、コレステロールなど
ほとんどがA評価だった。


高脂血症の同僚の おそらく短命であることを
心のなかでは上から目線で哀れんでいた。



ところが自分がまっさきに死にそうになるとは
夢にも思っていなかった。


健康診断クソくらえ! と思う。

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