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2013年2月7日

脳卒中のあとのけいれん発作について


Post-stroke seizure.
2013  2月  イラク



脳卒中のあとのけいれん発作について調べてみたそうな。

176人の脳卒中患者について調査したところ、

次のようになった。

・24%でけいれん発作があった。

・83%が1回限りのけいれん発作だった。

・けいれん発作があった者のうち67%が脳波に異常が認められた。

・けいれん発作の60%は脳梗塞患者だった。

・69%は全身けいれん発作だった。

・50%のけいれん発作は脳卒中後1週間以内におきていた。





脳卒中後のけいれん発作は珍しくなく、

多くは1回限りで主に最初の2週間に見られる


というおはなし。





感想:

seizure(けいれん発作)が てんかんと ごっちゃになっていたが、

その違いを意識するようになった。


1回こっきりではてんかんに昇格できないようだ。


写真:けいれん発作

2013年2月6日

これが可塑性か? 内側前運動野が生まれ変わった


Stroke damage in mice overcome by training that 'rewires' brain centers
2013  2月  アメリカ



より有効な脳卒中リハビリ法を探るべくネズミを使った実験をしてみたそうな。


ネズミに餌をこぼさずに握って取れるよう訓練を施したのち、

人為的に脳梗塞にして運動機能の中枢でもある一次運動野を破壊した。

もちろん餌を握れなくなったが、48時間後に再び餌を取る訓練を開始したところ、

1週間後に再び餌をこぼさずに握れるようになった。

このときの脳の働きを調べたら、内側前運動野という部位が活動していた。

さらにこの内側前運動野を梗塞にしたところ、餌を握ることができなくなった。






普段はなにをやっているのかよくわからない内側前運動野が、

一次運動野の代わりの機能を担うようになった。

脳卒中のあとは集中的なリハビリを速やかに始めた方がよいのではないか



というおはなし。

2013年2月5日

片頭痛があると脳出血リスクが2倍


Increased Risk of Hemorrhagic Stroke in Patients with Migraine: A Population-Based Cohort Study.
2013  1月  台湾



片頭痛と脳出血との関連を調べたそうな。


2万人の片頭痛持ちと、そうでない1万人について

2年間追跡して脳出血の頻度を調べたところ、



次のようになった。

・片頭痛持ちグループでは0.54%が脳出血になった。

・片頭痛がないグループでは0.24%だった。

・片頭痛があると脳出血リスクが2倍以上になった。





片頭痛と脳出血との関連が明らかになった


というおはなし。


写真:片頭痛



感想:

"へんずつう"には偏頭痛と片頭痛があることを知った。

どちらも同じ意味だが、片麻痺を かたまひ、へんまひ

というのと似ている...と思った。

2013年2月4日

舌を観察すると脳梗塞の症状がわかる


A pilot study on the relationship between tongue manifestation and the degree of neurological impairment in patients with acute cerebral infarction.
2013  1月  中国



脳梗塞患者の舌の状態と神経症状の程度との関連を調べたそうな。



200人の脳梗塞患者について調べた結果、


次の状態の時に神経症状が重かった。


・舌の色がピンクではなく赤、青紫。

・舌苔(ぜったい)が厚い。

・舌苔が乾いている。

・舌苔が脂ぎっている。

・舌苔が白でなく黄色。





脳梗塞患者の舌の状態と

神経症状との間に関連があるかもしれない



というおはなし。




感想:

なぜ舌なのか?と思ったが、

"舌診" で検索したらすでに世界が出来上がっていた。


2013年2月3日

運転復帰できる人の特徴


Predictors of Return to Driving After Stroke.
2013  1月  アメリカ



リハビリ病院に入院してきた脳卒中患者が

その後自動車運転ができるようになるか否か

を知る方法を調べてみたそうな。




156人の脳卒中患者データから

運転復帰ができた者、できなかった者の特徴を抽出した。


次のようになった。


・31%の患者は6ヶ月以内に運転復帰ができた。

・機能的自立度評価、および認知力、足関節の屈曲

 を評価すると運転復帰の可否を75%の精度で予見できた。






リハビリ病院に入院する時点で、

自立度が低く、ボケ気味で、足がうまく動かない脳卒中患者は

自動車運転できるようにはならないだろう



というおはなし。





感想:

運転可否の検査ってけっこうイイカゲンで、

自分がすんなりOKサインが出た時には心の隅ですこし驚いた。


その後、なんども危ない目に遭った。


おかげで脳卒中前よりも安全運転には自信がある。

2013年2月2日

痙縮は整形外科手術でよくなるかもしれない


Myotendinous lengthening of the elbow flexor muscles to improve active motion in patients with elbow spasticity following brain injury.
2013  1月  アメリカ



肘関節筋の腱延長手術で痙縮が改善するか調べたそうな。



肘関節に痙縮があり腱延長手術を受けた患者について、術前、術後の状態を評価したところ、

次のようになった。

・患者内訳は、脳卒中患者30人、外傷性脳損傷11人、脳性麻痺1人だった。

・発症から手術までの平均年数は6.6年だった。

・手術から14ヶ月後、腕の伸展と関節可動域がめっちゃ広くなった。

・筋緊張テストスコアも大きく下がった。

・手術の傷が開いた患者が2名いたがすぐに治った。





痙縮した肘関節筋の腱延長手術のおかげでかなり自由に動くようになった


というおはなし。




感想:

ちょっと前に

『整形外科選択的痙性コントロール手術』についてメール相談をもらった。

そのときは予備知識がまったくなかったので、今回関心を持った。


この種の手術ってどのくらい一般的なのだろうか?

2013年2月1日

脳内出血で手術はしないけどすぐに亡くなってしまうひとの特徴


Prognosis of Intracerebral Hemorrhage After Conservative Treatment.
2013  1月  ドイツ


脳内出血になって手術なしの保存的治療を受けた患者の予後について調べたそうな。


平均年齢72、594人の脳内出血患者について調査した結果、


次のようになった。

・10日前後の入院期間中に12%が死亡した。

・この中には80歳以上、入院時昏睡の患者が多かった。

・退院して3ヶ月以内にさらに18%が死亡した。

・この中には80歳以上、脳卒中歴あり、入院時昏睡、

・入院中の肺炎、脳浮腫の特徴を持つ患者が非常に多かった。

これらを知っていると脳内出血患者を抱えたときの覚悟ができますよ


というおはなし。
図:脳内出血 手術しないのに死亡


感想:

自分が脳内出血の保存治療だったのと、

患者家族からメールでたまに相談されるんだけど、返事する間もなく死亡しましたって連絡をもらうのがこういったケースなので関心をもった。

クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率

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