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2013年2月28日

松果体の石灰化は脳梗塞のもと?


Pineal Calcification is Associated with Symptomatic Cerebral Infarction.
2013  2月  タイ



松果体の石灰化と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


松果体は睡眠リズムの調節に関わるメラトニンを分泌する脳の器官。

石灰化はCT画像で診断できる。


15歳以上の入院患者のCT画像と、関連する医療情報を解析したところ、

次のようになった。

・1614人の患者のうち620人が脳梗塞だった。ただし心原性梗塞と脳出血患者は除外した。

・この620人のうち、男性57%、50歳以上85%、高血圧58%、糖尿32%だった。

・松果体の石灰化は、1614人のうち1081人(67%)に見られた。

・松果体の石灰化があると脳梗塞リスクが3割増しだった。





松果体の石灰化は脳梗塞リスクの1つかもしれない


というおはなし。





感想:

退院後、自分のCT画像を見ていて松果体の石灰化(矢印)を見つけた。

松果体の石灰化

宇宙人のインプラントかっ!? と非常に驚いた思い出。

2013年2月27日

左手を動かしてあげる → 半側空間無視対策


Limb activation ameliorates body-related deficits in spatial neglect.
2012  12月  ドイツ



半側空間無視患者は損傷脳と反対側の身体のイメージが弱くなっている。


そこで、注意喚起をするために手を動かす方法と、音による方法との比較をしてみたそうな。



8人の右脳卒中で半側空間無視の患者について、

スクリーンに手の平または手の甲の絵を表示して

それが左右どちらの手に相当するのかを瞬時に答えさせるテストを行った。


・実験者が被験者の腕を曲げ伸ばしをしながら行う場合と、

・絵を表示する直前に音を鳴らす場合、

の両方でのエラー率を比較した。




次のようになった。

・左手の絵のときにエラーが圧倒的に多かった。

・左腕に曲げ伸ばし刺激を与えた場合にエラーが激減した。

・音刺激時のエラー減少効果はあまりなかった。

・右手の絵に関しては なにをやっても同じような結果だった。





半側空間無視患者の左手を曲げ伸ばし刺激すると

身体のイメージが改善されるのかもしれない



というおはなし。




感想:

半側空間無視はないけれど、

左半身密度の希薄感がずーっとあるので、

これはわかるような気がする。

2013年2月26日

血圧がちょっとでも高かったら降圧薬を飲むべきなのか?


Pharmacotherapy for mild hypertension.
2012  12月  ブラジル


軽い高血圧(140-159/90-99 mmHg)の人への降圧薬治療の効果について調べたそうな。


関連する論文をデータベースから抽出し、再解析した結果、


次のようになった。

・被験者8900人を含む4つの研究を厳選した。

・死亡率は降圧薬と偽薬とで差がなかった。

・脳卒中や冠動脈疾患などの疾病率も変わらなかった。

・副作用で服薬をやめるひとが少なくなかった。



軽度の高血圧症への降圧薬治療は

死亡率も脳卒中発症率も改善しなかった。

しかも9%が副作用のため服薬をやめていた



というおはなし。



感想:

血圧問題は若いころから悩まされた。

健診のたびに再呼び出しをくらった。

血圧を自在に下げる方法をマスターしたおかげで

一時的にこの問題から解放されたが、結局 脳卒中になった。
一時的に大きく血圧を下げる方法


降圧薬もこれと一緒で、

簡単に変えられる数値を薬でごまかしているだけ…の気がする。

2013年2月25日

脳卒中のあと無気力そうに見えるのはフツーのことなんだからね!


Apathy secondary to stroke: a systematic review and meta-analysis.
2013  2月  ポルトガル


脳卒中のあとのアパシー(無気力、無感情)の頻度や予後について調べてみたそうな。



医学研究データベースから関連する論文を抽出、データ統合して再解析した結果、


次のようになった。

・1399件の論文から患者2221人を含む19件の研究を厳選した。

・アパシーの割合は36.3%だった。

・急性期もそれ以降も割合はほぼ同じだった。

・アパシーはウツよりもかなり多かった。

・アパシーになる人はやや歳を喰っていた。

・男女で差はなかった。

・アパシーがあるとウツや認知障害もついてきた。

・脳梗塞、脳出血、左脳、右脳で違いはなかった。

・脳卒中からの回復程度にアパシーの有無で差はなかった。





脳卒中のあとのアパシーはウツよりも頻繁だけれども、

予後に影響があるわけではなさそうである



というおはなし。


2013年2月24日

歯医者さんが好きなひとは脳梗塞になりにくい


Dental Prophylaxis and Periodontal Treatment Are Protective Factors to Ischemic Stroke.
2013  2月  台湾



歯周病と脳卒中との関連は明らかになっている。

そこで、歯科の予防や治療が脳梗塞の発生率を抑えることができるのか、調べてみたそうな。


歯周病患者51万人と、歯周病のない20万人について

脳梗塞の発生を10年間追跡調査したデータを解析した。



歯周病患者は、・歯科予防していた ・集中治療した ・治療しない、の3グループに分けた。


次のようになった。


・歯周病のないグループでは脳梗塞発生率は年0.32%だった。

・歯科予防していた歯周病患者の脳梗塞発生率は年0.14%だった。

・抜歯したり集中治療した歯周病患者の脳梗塞発生率は年0.39%だった。

・予防も治療もしていない歯周病患者の脳梗塞発生率は年0.48%だった。

・予防や治療をしていた歯周病患者の脳梗塞危険率は歯周病でない人よりも低かった。

・治療をしない20-44歳の若い歯周病患者では

脳梗塞危険率が歯周病でない人の2倍以上だった。






いつも歯医者さんに行って手入れしてもらっているひとは

歯周病になっても脳梗塞の心配はいらない



というおはなし。






感想:

よし数十年ぶりに歯医者に行くか、と一瞬思ったが

なんど通ってもいつ終わるとも知れない歯科治療

のことを考えたら 行く気がなくなった。

2013年2月23日

半側空間無視になったら好きな音楽を聴け


Effects of listening to pleasant music on chronic unilateral neglect: A single-subject study.
2013  1月  台湾



好きな音楽で気持ちがポジティブになると認知機能が改善する。

脳卒中で半側空間無視になった2人の患者について

好きな音楽を聴かせて症状が改善するかどうか実験してみたそうな。



好きな音楽を毎日、5週間聴かせた後、

・星印☆抹消課題

・線分二等分課題

・視野探索課題

の成績を介入前後で比較したところ、

次のようになった。

・2人ともテスト成績が著しく向上した。

・ただし1人の線分二等分テストスコアは変わらなかった。

・この効果は音楽終了の2週間後も持続していた。





好きな音楽を聴かせると半側空間無視の症状が緩和することがわかった。

もっと詳しい研究をしたい



というおはなし。


写真:音楽を聴く



感想:

こういう話にはとても関心がある。

2013年2月22日

あるく練習したかったのにPTずっと脚もんでたは…


Physiotherapists systematically overestimate the amount of time stroke survivors spend engaged in active therapy rehabilitation: an observational study.
2013  2月  オーストラリア



理学療法士さんが見積もるトレーニング時間の正確さを調べてみたそうな。



8人の理学療法士が作成した脳卒中患者向け47件のリハビリスケージュールについて、

その現場をビデオ撮影し、見積もった時間と実際に費やした時間とを比較した。



次のようになった。

・見積もり時間と実時間とのズレの平均は、

 1セッション全体で+7.7分、患者の実働時間は+14.1分、

 じっとしている時間は-6.9分だった。


・実働時間を過大評価、じっとしている時間を過小評価してしまう傾向が理学療法士全員にみられた。






理学療法士が見積もるセラピー中の患者の実働時間は正確さを欠いていた。

客観的に評価する方法を導入するべきかもしれない



というおはなし。


写真:PT


感想:

リハビリ入院しているとき、

PTの1セッション40分間のうち、30分間脚を揉んでくれて、

実際に歩いたのは5分足らず…

なんてことが何度かあったので関心をもった。

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