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2013年4月25日

イメージトレーニングは脳卒中リハビリに使えるのか?


Effectiveness of motor imagery or mental practice in functional recovery after stroke: a systematic review.
2013  4月  スペイン

イメージトレーニングを使った脳卒中リハビリでは実際の運動の様子を頭に思い描く。

イメトレ中の脳活動パターンが実際の運動に近いことが脳機能撮影により明らかになっている一方で、実際にはリハビリ現場にイメトレはほとんど普及していない。


そこで、これまでの研究をまとめて再評価してみたそうな。


過去1年間のイメトレ脳卒中片麻痺リハビリに関する研究を23件厳選して内容を解析した結果、

次のようになった。


・イメトレは通常の理学療法と組み合わせると運動機能、生活動作の改善に効果的だった。

・ただ、イメトレの方法がそれぞれ大きく異なるため、トレーニング方法の最適化のさらなる研究が必要であることがわかった


というおはなし。




左:実際の運動、右:イメトレ
写真:イメージトレーニング


2013年4月24日

【中国人も証言】脳卒中には鍼治療よりも理学療法のほうが断然いいヨ


Prospective, Randomized Controlled Trial of Physiotherapy and Acupuncture on Motor Function and Daily Activities in Patients with Ischemic Stroke.
2013  4月  中国

脳卒中患者への鍼治療の効果を、理学療法と組み合わせた場合も含め検証してみたそうな。


複数の病院施設で、計120人の脳梗塞患者を次の3グループに分けて治療を行った。

・理学療法のみ

・鍼治療のみ

・理学療法+鍼治療

各々の運動機能と自立度の回復を28日、56日後に測り、比較した。


次のようになった。

・全てのグループで大きな改善があった。

・理学療法は鍼治療よりも30-40%良好な結果を出した。

・上肢機能に限定すると、全グループでほとんど改善がなかった。

・スコア比較では理学療法+鍼治療が鍼治療のみよりも高かったが、統計有意ではなかった。


脳卒中患者への鍼治療は理学療法よりも効果が低かった。

さらに理学療法に鍼治療を組み合わせてもなんのメリットもなかった


というおはなし。




感想:

中国からこういう報告が出ることに感心した。


2013年4月23日

半側空間無視はクラシック音楽で治る


Listening to Classical Music Ameliorates Unilateral Neglect After Stroke.
2013  4月  台湾

クラシック音楽が半側空間無視の緩和に役立つか調べてみたそうな。

右脳の脳卒中で半側空間無視になった16人の患者について、
つぎの3つの条件下での行動性無視検査の結果を比較した。

1.クラシック音楽

2.白色雑音

3.無音

また、覚醒度、快適度も自己申告してもらった。


次のようになった。

・検査スコアは概ね、クラシック音楽で最も高く、無音で低かった。

・ほとんどの被験者はクラシック音楽時にもっとも覚醒度が高いとしていた。


クラシック音楽は脳卒中で半側空間無視になった患者の

視覚注意力を改善するかもしれない


というおはなし。

2013年4月22日

人生に目的がある人は脳卒中になりにくいことが判明


Purpose in life and reduced incidence of stroke in older adults: 'The Health and Retirement Study'
2013  3月  アメリカ

人生の目的と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


50歳以上の健常人6739人について、人生の目的についての心理アンケートを行い、脳卒中の発生を4年間追跡調査した。

関連する要因(年齢、性別、人種、職業、学歴、資産、嗜好、生活習慣、疾病既往 等)を考慮に入れて解析したところ、


次のようになった。

人生に目的がある、というただそれだけで脳卒中リスクが著しく低下した


というおはなし。
図:人生の目的と脳卒中リスク


感想:

とてもわかる気がする。

けど人生の目的は他人に与えてもらうものではない。


2013年4月21日

すごくシンプルなロボット訓練装置作ったった


The Resonating Arm Exerciser: design and pilot testing of a mechanically passive rehabilitation device that mimics robotic active assistance.
2013  4月  アメリカ

上肢麻痺のロボット支援療法は患者のやる気を引き出し、回復を促す。

しかし構造が複雑で、ほとんど普及していない。

そこでシンプルな構造の上肢運動支援装置を作ってその効果を検証したそうな。


共振アームエクササイザーは車椅子に取り付けられたレバーにゴムバンドを張って、エネルギーを蓄える。
これが車椅子の約10センチの前後移動とレバーの振動運動を生み出す。
この振動周期に合わせて上肢を動かすことで、あたかもロボット支援を受けているのと同じ状況を生み出すことができる。


8人の慢性期脳卒中患者について共振アームエクササイザーで訓練したところ、


次のようになった。

・患者はすぐにこの装置に慣れた。

・関節可動域が2倍近くになった。

・運動機能スコアも上がった。

・なんの不満も起きなかった。

・効果が3ヶ月後も続いた。



共振アームエクササイザーは慢性期脳卒中患者の

上肢機能を改善できるシンプルで安全な装置であることがわかった


というおはなし。




これが共振アームエクササイザーだ!

どやろか?

2013年4月20日

髪の毛1本から脳卒中リスクがわかる可能性について


High Long-Term Cortisol Levels, Measured in Scalp Hair, Are Associated With a History of Cardiovascular Disease.
2013  4月  オランダ

ストレスは脳卒中などの心血管系疾患と関連がある。


ある時点でのストレスの強さは血清や唾液中のコルチゾール(ホルモン)を量るとわかる。

一方、毛髪のコルチゾールを量ることで長期間のストレス状況を知ることができる。

これと心血管系疾患との関連を調べてみたそうな。


65-85歳の283人について頭皮に近い毛髪3cmを採取してコルチゾールを測った。

これはおおよそ過去3ヶ月間のコルチゾール量を反映している。

同時に脳卒中や冠動脈疾患、糖尿病、その他疾患の有無について申告してもらった。

これらの関連を解析したところ、


次のようになった。

・毛髪のコルチゾールは男性よりも女性でとても低かった(26.3 vs 21.0pg/mg)。

・毛髪のコルチゾールが多いと心血管系疾患リスクもかなり高かった。

・また、2型糖尿病リスクも高かった。

・心血管系疾患以外の病気との関連は見られなかった。



心血管系疾患になったことのある人は長期にわたりコルチゾールが高かった。

毛髪を調べれば将来の脳卒中リスクがわかるようになるかも知れない


というおはなし。



2013年4月19日

【本場中国】大気汚染でやっぱり脳卒中患者が増えた。


Estimation of Short-Term Effects of Air Pollution on Stroke Hospital Admissions in Wuhan, China.
2013  4月  中国

大気汚染物質と脳卒中患者の発生との関連を、中国で調べてみたそうな。


武漢の、2006-2008の毎日のNO2、SO2、PM10の濃度及び、気温、湿度の記録と4つの病院の脳卒中入院者記録との関連を解析した。


次のようになった。

・大気汚染物質濃度はNO2,SO2,PM10ともに、平均で10-3月が4-9月の1.5倍ほど高かった。

・寒い季節にはNO2レベルが10μg/m3増える毎に同日の脳卒中入院患者が2.9%増えた。

・同様にPM10が10μg/m3増えると脳卒中患者が1%増えた。

・脳卒中入院患者数とNO2濃度との関連が特に強かった。

・暖かい季節にはこのような関連は見られなかった。



中国の武漢では寒い季節に大気汚染濃度が50%ほど増加する。

そして、NO2濃度が上がると脳卒中患者も増えた


というおはなし。



武漢の大気汚染 2012
写真:武漢の大気汚染

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