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2015年5月7日

やっぱり肥満だから脳梗塞になりやすいの?


Obesity Increases Risk of Ischemic Stroke in Young Adults
2015  5月  アメリカ

ボディマス指数(BMI)が高い高齢者は脳梗塞になりやすいことがわかっている。

若い人ではどうか、調べてみたそうな。


15-49歳の脳梗塞患者1201人分の医療記録を健常者1154人と比較し、BMIとの関連を解析した結果、


次のことがわかった。

・BMIが肥満レベルである30kg/m2を超えると脳卒中リスクが1.57倍に上がった。

・しかし、喫煙、高血圧、糖尿病を考慮に入れるとBMIと脳卒中リスクとの関連の有意度は非常に弱くなった。


肥満は若年成人が脳梗塞になるリスク要因の1つではあったが、高血圧や糖尿病などがより直接的な原因かもしれない、


というおはなし。

肥満

感想:

なにをいまさら感があるが、ようするに肥満それ自体は 実は大した問題じゃない って言いたいんだと思った。

2015年5月6日

入院したての脳卒中患者は日中なにしてるの?


Hospital Differences in Motor Activity Early after Stroke. A Comparison of 11 Norwegian Stroke Units.
2015  4月  ノルウェー

脳卒中で入院してすぐの患者の活動状況を調べてみたそうな。


11施設に入院中の 18歳以上、発症14日以内の脳卒中患者393人の日中(am8-pm5)の活動状況を10分刻みで記録し、解析したところ、


次のことがわかった。

・患者は日中の44.1%の時間をベッドで過ごしていた。

・43.2%の時間はベッドの外で座り、

・8.3%の時間は活動的に過ごした。

・理学療法士と過ごす時間が多い場合や食事を共用スペースで摂る場合に身体活動が増えた。

病院ごとの差はあっても 患者は日中の多くの時間をベッドの外で過ごしていた。理学療法士との時間や食事場所の違いが活動時間の差に反映していた、


というおはなし。

日中過ごす場所
トイレ時間(緑)とセラピー時間(黄緑)が同レベルってとこがおもしろい。


感想:

リハビリ病院に移っても結局、動いてる時間ってほとんどない。軽症の脳卒中患者を長く入院させて構いすぎると 心身ともにダメ人間になると思う。

2015年5月5日

鍼治療の効果をいつもより多くの脳卒中患者で確かめてみたよ


Acupuncture Efficacy on Ischemic Stroke RecoveryMulticenter Randomized Controlled Trial in China
2015  4月  中国

脳卒中患者への鍼治療の効果は未だよくわかっていない。

その効果と安全性について大きな規模で調べてみたそうな。


複数病院に入院する 発症から3-10日以内の脳梗塞患者862人について、

*通常治療+鍼治療
*通常治療のみ

の2グループに分けた。

鍼治療は週5回x3-4週間行った。


次のようになった。

・6ヶ月後、死亡または身体機能に障害を残した患者の割合は、20.7% vs. 25.8% で鍼治療グループがやや少なかった。

・鍼治療を10セッション以上受けた患者で効果的だった。

・6ヶ月後、死亡または介護施設送りになった患者の割合は、グループ間で有意な差はなかった。

・深刻な有害事象の割合は7.6% vs.8.3%だった。


亜急性期の脳梗塞患者への鍼治療は概ね安全と言えそうである。今後、明らかな効果が確認されることを期待する、


というおはなし。

鍼治療


感想:

超巨大な人口を抱える中国に固有の治療法で いまだ効果が確認できないってことは、、、

その実力は推して知るべし。

2015年5月4日

2つの大震災からみる震度と脳卒中死亡率の関係


Comparison of cardiovascular mortality in the great East Japan and the great hanshin-awaji earthquakes - a large-scale data analysis of death certificates.
2015  4月  日本

巨大地震は脳卒中など心血管疾患と関連があると言われている。

都市直下型の阪神淡路大震災と海溝型の東日本大震災とで心血管疾患の死亡率がどのように異なるのか調べてみたそうな。


震源周辺の市町村の住民死亡記録を、地震の前後約3年間について 脳卒中と急性心筋梗塞に分類し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・震災後、急性心筋梗塞および脳卒中の月毎の死亡者数が有意に増加した。

・地震から2ヶ月後では、阪神淡路大震災でのみ依然として急性心筋梗塞の死亡者数が多かった。

・地震発生から2週間後までの急性心筋梗塞の死亡率は、両震災共に 震度と明らかな関連があった。

・脳卒中死亡率と震度との関連は見られなかった。


阪神淡路大震災および東日本大震災の後、心血管疾患死亡率が急上昇した。この影響は阪神淡路大震災で数ヶ月間持続したが、東日本大震災では早く収束した。また、急性心筋梗塞死亡率は震度と関連があったが、脳卒中死亡率と震度との関連は確認できなかった、


というおはなし。





感想:

震度ってけっこういい加減だからね、、

2015年5月3日

若い脳梗塞患者でガンで亡くなってしまう人の特徴


Cancer in Young Adults With Ischemic Stroke
2015  4月  スウェーデン

ガンは脳梗塞の原因となり得る。

そこで脳梗塞患者にガンが見つかる頻度と死亡リスクを調べてみたそうな。


15-49歳の脳梗塞患者をおよそ10年間フォローした医療記録から1002人ぶんを抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・77人(7.7%)がガンと診断された。

・そのうち39人(3.9%)は脳卒中以前にガンと診断されていた。

・ガンと診断された者の53.2%(41人)はフォロー期間中に死亡していた。

・ガンと診断されてから脳卒中になるまでの期間はおよそ 4.9年で、

・脳卒中からガンが見つかるまでの期間は 6.7年だった。

・脳卒中後のガンは40歳以上で大酒飲み、喫煙者に多かった。

・亡くなった者の割合は、ガンあり68.6% vs. ガンなし19.7% だった。

脳梗塞の原因が明らかでなく、しかもガンが見つかった若年患者は生存可能性が低い、


というおはなし。

ガン細胞


感想:

このひと月で脳梗塞とガンについての記事をよく見かけるようになった。なぜだろう、、
軽い脳梗塞とホッとしていたのも束の間 実はガンでしたと告げられる患者の割合と見分け方

なぜ脳梗塞患者はガンになりやすいのか

2015年5月2日

音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?


Music-supported therapy (MST) in improving post-stroke patients' upper-limb motor function: a randomised controlled pilot study.
2015  4月  中国

楽器の演奏ついでに動作を繰り返す「音楽サポート療法」は、脳卒中患者の運動機能のリハビリに有効と言われている。

この効果が動作の繰り返しによるものなのか、それとも音楽そのものに由来するのか、確かめてみたそうな。


音楽訓練を受けたことのない脳卒中患者33人について、通常のリハビリ訓練に加えて楽器演奏訓練を4週間おこなった。

患者は2グループに分けて、一方には音がでない設定にした。


次のようになった。

・4週間後、両グループの上肢の運動機能は大きく改善した。

・音のでないグループに比べ、音が出るグループで改善度が有意に高かった。


音楽サポート療法では 繰り返し訓練の効果以上に 「音楽」そのものが上肢機能の改善に特別な役割を演じているらしいことがわかった、


というおはなし。

図:音楽サポート療法

感想:

たまにビデオゲームを音量ゼロにしてやってみると異常にいいスコアが出たりする。でもすぐに飽きちゃう。

そういうことかな、、

2015年5月1日

アタマに動脈瘤が見つかったけど手術すれば元気になれるの?


Recovery to Preinterventional Functioning, Return-to-Work, and Life Satisfaction After Treatment of Unruptured Aneurysms
2015  4月  オランダ

将来 くも膜下出血の原因になるかも知れない未破裂の脳動脈瘤を手術した人の予後について調べてみたそうな。


手術を経験した159人にアンケート調査を行った結果、


次のことがわかった。


・110人(69%)から回答が得られた。

・手術から平均6年間経っていた。

・54人は血管内手術(コイル塞栓術)を、56人は顕微鏡下手術(クリッピング)を受けた。

・81%は3ヶ月ほどで手術前の状態に回復できた。

・78%は職場復帰ができた。

・手術後、人生満足度は76%→52%に低下したが、長期的には67%にまで持ち直した。

未破裂脳動脈瘤の手術後、人生満足度が大きく低下した。長期的には およそ5人に1人は元の身体機能に回復できなかった、


というおはなし。

図:未破裂脳動脈瘤の手術の回復曲線


感想:

ある女性が幼い我が子のために健康でいなければと考え、なにも病気の症状はなかったが進んで脳ドックを受診した。
ところが動脈瘤が見つかってしまった。

この方法なら安全だからと医師に薦められるままに血管内手術を受けることになった。

手術中、脳の中でカテーテルが引っかかって抜けなくなり その日のうちに死亡した、
っていうリアル話を思い出した。

死んでしまったらこの種のアンケートには答えられないね。

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