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2015年9月10日

立っているとヨロヨロする脳卒中患者に効くイメージトレーニングのやり方


Effects of ankle strengthening exercises combined with motor imagery training on the timed up and go test score and weight bearing ratio in stroke patients.
2015  7月  韓国

脳卒中患者の足首強化訓練に運動イメージ訓練を組み合わせた効果を調べてみたそうな。


30人の脳卒中片麻痺患者を次の2グループに分けた。

*足首強化訓練15分+運動イメージ訓練15分
*足首強化訓練30分のみ

足首強化訓練は、バランスパッド、バランスボード使用した。

運動イメージ訓練は、背もたれのある椅子に座り、目を閉じて足首や膝、腰の関節、関連する筋肉の動き感じ、動作中のバランスをイメージする。

これらを週4回 x 4週間継続したところ、


次のようになった。

・両グループ共に、タイムアップアンドゴーテスト、麻痺側下肢荷重率、麻痺側前後荷重率、バランスエラーが改善した。

・特に、運動イメージ訓練グループは全ての評価項目で比較グループよりも優れていた。


運動イメージ訓練は脳卒中患者の静的バランス能力を改善する有効な方法である、


というおはなし。




感想:

階段昇降訓練を始める前の晩は怖くて怖くて、おなじイメトレをベッドのなかで気を失うまでやってた思い出。

2015年9月9日

脳卒中啓発テレビCMの成果 in 青森


Effect of educational television commercial on pre-hospital delay in patients with ischemic stroke.
2015  8月  日本

脳卒中の血栓溶解治療は時間との勝負である。

そこで、テレビメディアによる脳卒中啓発活動の成果を調べてみたそうな。


2010-2014に青森県立中央病院に入院した脳梗塞患者1144人ついて、

2012から始まった脳卒中啓発コマーシャル(顔、手、言葉の麻痺、救急車要請)の前後での病院到着時間などの違いを調査比較したところ、


次のことがわかった。

・コマーシャル以前の入院患者数は544人、それ以降では600人だった。

・コマーシャル以降、発症から病院到着までの平均時間は13.5→12.0時間に短縮され、

・発症から3時間以内に到着した患者の割合は 46.5%→55.7%に増加し、

・6時間を超える患者割合は 39.5%→32.7% に減少した。

・r-tPA治療を受けた患者の割合は7.5%→6.0%になったが有意な差ではなかった。


TVコマーシャルによる脳卒中啓発活動で脳梗塞患者の病院到着までの時間が短縮した。しかし血栓溶解治療が可能になった患者割合は変わらなかった、


というおはなし。

たぶんこれがそのコマーシャル


感想:

仮に瞬間移動装置が発明されたとして、どのくらい助かるかな?

脳卒中って、電気のスイッチ入れるみたいに「ハイ、いま始まった!」ってもんじゃないから 症状に気付いた時点で血栓溶解治療的には手遅れなケースがほとんどだと思うんだ。

2015年9月8日

緑茶を飲まないと脳内出血リスク1.24倍


Green tea consumption and risk of cardiovascular and ischemic related diseases: A meta-analysis.
2015  1月  中国

緑茶と脳卒中など心血管疾患との関連を調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選し、データを統合して再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者25万人を含む9件の研究が見つかった。

・緑茶1日1杯以上に比べ全く飲まない場合の脳内出血リスクは1.24倍、脳梗塞1.15倍、心血管疾患1.19倍だった。

・1日1杯未満に比べ1-3杯飲む場合の心筋梗塞リスクは0.81倍、脳卒中0.64倍で、

・4杯以上では心筋梗塞リスク0.68倍だった。

・10杯以上ではLDLコレステロールが大きく低下した。


習慣的に緑茶を飲むと、脳卒中など心血管疾患の予防になることがわかった、


というおはなし。

写真:緑茶


感想:

特に脳内出血の予防効果は大きいようなので、毎日抹茶溶いて飲んでる。


2015年9月7日

損傷脳半球と同側の感覚障害について


Sensory deficits in ipsilesional upper-extremity in chronic stroke patients.
2015  9月  ブラジル
通常、脳卒中で損傷した脳半球と反対側に麻痺や感覚障害が現れる。

損傷脳の同側について感覚障害を調べてみたそうな。


慢性期脳卒中患者28人と健常者22人について、両方の手首や手の触覚、温度感覚、運動機能を測定した。


次のことがわかった。

・患者の25人は損傷脳の反対側に感覚障害があった。

・また、患者の18人(64%)には同側に感覚障害があった。

・同側の感覚障害は左利きの患者がもっとも酷かった。

・右脳損傷患者の同側の触覚は左脳損傷患者よりも悪くなかった。


脳卒中患者の損傷脳半球と同側に 深部感覚、触覚、温度感覚の低下が見られた。右脳損傷、右利き患者は同側の感覚障害になりにくかった、


というおはなし。



感想:

この種のはなしはときどき出てくる。

多かれ少なかれ両方の手に影響があるようなので、「非麻痺手」とか「健常側」とかいう表現を使うのは適切でないって言ってる。

2015年9月6日

Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた


The efficacy of Wii-based Movement Therapy for upper limb rehabilitation in the chronic poststroke period: a randomized controlled trial.
2015  9月  オーストラリア

WiiリハビリとCI療法の効果を比較してみたそうな。


発症から2-46ヶ月の脳卒中患者41人を次の2グループに分けた。

*Wiiリハビリ
*CI療法

14日間の治療の効果を比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループともにいずれの時点でも有意な差はなく、上肢機能は改善し、その効果は6ヶ月後も持続した。

・Wolf Motor Function Testの課題遂行時間は、Wiiリハで2.1→1.7秒、CI療法で2.6→2.3秒に短縮した。

・上肢使用頻度の動作の質は、Wiiリハで67.7→102.4、CI療法で64.1→93.0に改善した。

・患者の好み、支持、持続性は、CI療法よりもWiiリハビリが高かった。


Wiiを使った上肢リハビリの効果はCI療法に匹敵し、患者の受け入れ度はCI療法よりも高かった、


というおはなし。
図:WiiとCI療法の比較


感想:

コストも考えたらWiiの圧勝だな。

2015年9月5日

脳の損傷位置と睡眠の質の違い


Research of Sleep Disorders in Patients with Acute Cerebral Infarction.
2015  8月  中国

脳梗塞と睡眠障害の関連を梗塞部位ごとに調べてみたそうな。


急性期脳梗塞患者101人と健常者86人について、睡眠ポリグラフ検査を行い比較したところ、


次のことがわかった。

・睡眠障害の発症率は脳梗塞グループで高く、特に女性患者で多かった。

・脳梗塞と特定の種類の睡眠障害の関連はなかった。

・梗塞の位置によって睡眠の質が異なっていた。

・右脳損傷よりも左脳損傷で、後頭部よりも前頭部梗塞で 睡眠の質が悪かった。

・視床に梗塞の患者は他の患者に比べ睡眠時間が長く、すぐに眠りに落ちた。


急性期脳梗塞患者には睡眠障害が多く、梗塞の位置によってその特徴も異なっていた、


というおはなし。


感想:

夢日記をつけるようになって2年近く経つ。枕元にノートを置いて、夢から覚めたら真っ暗な中すぐに内容を記録する。

翌朝読み返すと、1日の出来事が倍に増えたように感じられて やめられない。

2015年9月4日

やや重度の脳卒中患者でもグループセラピーでじゅうぶん間に合った


Group therapy task training versus individual task training during inpatient stroke rehabilitation: A randomised controlled trial.
2015  8月  ドイツ

グループ訓練と個人訓練の効果の違いを調べてみたそうな。


脳卒中でリハビリ病院に入院中の中等度-重度の脳卒中患者73人を、グループ訓練と個人訓練に分けた。

歩行能力を改善するための訓練を1回90分間、計30セッションを6週間にわたり行った。


次のようになった。

・いずれのグループも有害事象はなかった。

・脳卒中影響尺度の移動能力面でグループ間の有意な差はなかった。

・歩行スピード、他の歩行パラメータ、ウツや疲労の面でもグループ間の差は見られなかった。


中等度-重度の脳卒中患者へのグループ訓練で、個人訓練と同等の成果が得られた


というおはなし。



感想:

この種の研究は近い将来の遠隔リハビリを見据えたものであり、顧客の大量獲得、人件費の大幅削減を可能とする病院経営改革プランのエビデンスとして利用される、と考える。
Wiiが脳卒中リハビリに有効であることを文句なしに証明することにした

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