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2017年6月18日

脳卒中のあと精神病になった例


Post-stroke psychosis: how long should we treat?
2017  6月  ポルトガル

脳卒中のあと精神病症状をしめし、抗精神病薬でいったん治ったものの けっきょく薬が手放せなくなった患者がいたそうな。


・65歳男性が精神科救急を訪れ、妄想性嫉妬、目の錯覚、焦燥を訴えた。

・彼は6ヶ月まえに右後大脳動脈の梗塞を経験しており、そのひと月後から精神病症状が現れた。

・抗精神病薬のリスペリドンを与えたところ症状は消えた。

・2年後フォローしたところ、症状は消えており薬も徐々に飲まなくなっていた。

・そして薬を完全に断った1週間後、ふたたび症状がもどったので同じ薬を10分の1の量で与えたところ治った。

・その後、薬をつづけながら1年以上安定している。

脳卒中の合併症として精神病になることは稀で、さらに抗精神病薬が必要になるケースは初めて経験した、


というおはなし。
図:

感想:

精神病と認知症の違いがよくわからない。


ところで 精神病といえば思い出す。

大学入学時に自身の性格アンケート調査があって、それに実験的な回答を試みたところ有名な精神病学者に目をつけられてしまった。

3-4回呼び出されては面談をくりかえした。
さいごに1時間くらいのロールシャッハテストが終了した瞬間、
『あ~安心した!きみが正常とわかって安心したよ。てっきり心の病気だと思っていたんだよ。もう来なくていいから』、、 だって。

2017年6月17日

乗馬や音楽で慢性期患者のリハビリを工夫してみた


Long-Term Improvements After Multimodal Rehabilitation in Late Phase After Stroke
2017  6月  スウェーデン

慢性期脳卒中患者への多様な刺激をもたらす治療法として、リズム音楽療法と乗馬療法をためしてみたそうな。


発症後10ヶ月-5年の脳卒中患者123人を、リズム音楽療法と乗馬療法、通常リハビリの3グループに分けた。

これら治療を週2回x12週間継続し、回復度の自己評価、バランス、歩行、上肢機能、認知機能を6ヶ月後までフォローしたところ、


次のようになった。
・回復度の自己評価は 乗馬療法>リズム音楽療法>通常リハビリ の順であきらかに高かった。

・この回復効果は乗馬とリズムの両グループで6ヶ月後も持続していた。

・バランス、歩行、握力、認知機能も改善していた。

脳卒中の慢性期であってもリハビリ方法をいろいろと工夫することであらたな回復を実感させることができた、


というおはなし。
図:リズム音楽療法と乗馬セラピーの脳卒中回復効果

感想:

Stroke誌に載って やたらニュースになっていたので関心をもった。

でも乗馬はやり過ぎだと思う。
シングルブラインドだから被験者はだれが乗馬療法に当たったかハズれたかがわかる。

つまり当選者は馬に乗れて上機嫌、落選者(通常リハ)は不機嫌。
こういう結果になるのは実験するまでもないと思うんだ。

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2017年6月16日

脳卒中になりやすいミルク なりにくいミルク


Substitutions of dairy product intake and risk of stroke: a Danish cohort study.
2017  6月  デンマーク

低脂肪乳製品は脳卒中予防になると考えられているが、確かなエビデンスがあるわけでもない。

乳製品の細かい種類別に脳卒中リスクとの関連をしらべてみたそうな。


50-64歳の健康な男女55211人に食事調査を行い、脳卒中の有無を13年ほどフォローした。


次のことがわかった。

・この間に脳梗塞が1870件(大血管アテローム硬化318、ラクナ839、心塞栓102 他)、

・脳出血389件(脳内出血273、くも膜下出血116)があった。

・成分調整した発酵乳やチーズを摂ると脳梗塞になりやすかった。

・成分無調整の発酵乳は、低脂肪乳や成分無調整乳 バターミルクにくらべ脳梗塞リスクが低かった。

・脳出血と乳製品との関連はみられなかった。

成分無調整の発酵乳が脂肪含有率にかかわらず脳梗塞リスクがもっとも低かった、


というおはなし。
図:代替乳製品と脳卒中リスク

感想:

そういえば加工乳の類をのむと高確率でお腹壊す。共通するものがあるのかもしれない。

2017年6月15日

睡眠が8時間を超えると脳卒中経験者の生活動作が、、


Longer Sleep Linked to Poorer Daily Function After Stroke
2017  6月  アメリカ  

手段的日常生活動作能力(IADL)は、たとえば買い物や料理、お金の管理といった活動に要する能力を指し 認知機能的側面がつよい。

脳卒中経験者の睡眠時間とIADLとの関連をしらべてみたそうな。

先週の米国睡眠学会での発表。


平均年齢46の健診記録110万人ぶんの記録をつかって解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験あり と申告した者の30%はIADLに問題を抱えていた。

・IADLに問題ありと答えた者の34%は睡眠時間が6時間以下だった。

・脳卒中経験者のうち 睡眠時間が8時間よりも長い者はIADLに問題を抱える率が1.97倍だった。

・脳卒中経験がない者でも睡眠時間が長いとIADLに問題をもつ傾向があった。

・どういうメカニズムかは不明。

脳卒中経験があって睡眠時間が長い者は手段的日常生活動作能力に問題がある可能性が高い、


というおはなし。
図:睡眠時間

感想:

好きなだけ眠らせてくれよ。
睡眠が6時間を切ると脳卒中経験者は死ぬ:米国睡眠学会

2017年6月14日

脳卒中やったのに喫煙はじめる患者


Long-term trends and predictors of smoking behaviors among men following first-ever ischemic stroke.
2017  6月  中国

喫煙は脳卒中患者にとっては 再発リスクを高める要因のひとつと考えられる。

にもかかわらず喫煙を再開してしまう患者の特徴を長期的にしらべてみたそうな。


2010-2014に 男性脳卒中患者372人を3ヶ月毎にフォローして喫煙状況を確認したところ、


次のことがわかった。

・全体の41.7%が脳卒中をきっかけに喫煙をやめた。

・そのうちの39.3%は57ヶ月以内に喫煙を再開した。

・自宅の外や職場での喫煙環境、独身、病気前のヘビーな喫煙習慣、が喫煙を再開する患者に特徴的だった。

喫煙を再開してしまう脳卒中患者には環境的な理由がつよかった、


というおはなし。

図:脳卒中後の喫煙再開率

感想:

たばこは高次脳機能てきには よさそうに思うのだが、、、

2017年6月13日

Stroke誌:抗血小板薬を複数使っていると脳内出血で死ぬ


Association Between Previous Use of Antiplatelet Therapy and Intracerebral Hemorrhage Outcomes
2017  6月  アメリカ

抗血小板薬の使用は脳内出血リスクを高めると考えられているが、それを複数使用したときの脳内出血の予後についてはよくわかっていないので しらべてみたそうな。


アメリカ1574施設の脳卒中患者データベースから、抗凝固薬を使用していなかった脳内出血患者82576人を抽出した。

入院以前に抗血小板薬を1種類のみ使っていたグループと、複数使っていたグループにわけ院内死亡率を比較したところ、


次のことがわかった。

・脳内出血以前、65.8%は抗血小板薬を使わず、29.5%は1種類のみ、4.8%が複数種類の抗血小板薬を使っていた。

・院内死亡率は 24% vs. 23% でわずかに抗血小板薬使用グループが高かった。

・1種類のみ使うグループの院内死亡率は抗血小板薬を使わないグループと差がなかった(23% vs. 23%)。

・複数使うグループの院内死亡率は 抗血小板薬を使わないグループよりもあきらかに高かった( 30% vs. 23%)。

脳内出血をおこすまえに複数の抗血小板薬を使っていた患者は、まったく使っていなかったか 1種類のみの患者にくらべ明らかに院内死亡率が高かった、


というおはなし。

図:抗血小板薬の組み合わせ

感想:

血腫の拡大がとまらなくなるんだって。

ところで 脳内出血患者にしめる抗血小板薬使用者ってこんなにもおおかったん?
ちょっと衝撃。

2017年6月12日

玉子 おどろきの脳卒中予防効果


A case-control study on egg consumption and risk of stroke among Iranian population.
2017  6月  イラン

欧米にくらべ玉子を摂る頻度が低い中東では なぜか脳卒中の発生率も低い。

そこで玉子と脳卒中との関連をイラン人についてしらべてみたそうな。


イランの大学病院の脳卒中患者195人と、脳卒中以外の患者195人について過去1年間の食事調査をおこない 関連を比較したところ、


次のことがわかった。

・玉子摂取量が週に1個未満グループにくらべ、週に2個よりおおく摂るグループでは脳卒中リスクが77%低かった。

・肥満度も考慮に入れると80%のリスク低下になった。

イランでは玉子をおおく摂る人(週2個以上)の脳卒中リスクが明らかに低かった、


というおはなし。
図:1日の玉子の個数と脳卒中リスク

感想:

週にたったの2個程度ですごい効き目だな。

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