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2017年6月25日

片麻痺の杖の長さは大転子 これほんとうか?


Are patients with hemiplegic stroke really walking with a cane fitted at the greater trochanter?
2017  6月  韓国

脳卒中の片麻痺患者に必要とされる杖の長さは、ふつうの高齢者がつかう杖の長さとは異なると考えられる。

過去のいくつかの研究から大腿骨の外側の突起したでっぱり部分である「大転子」または手首の「近位手根線」から床までの長さが適当である、とも言われている。

明確なガイドラインがないなかで 実際にはどの程度の長さの杖が使われているのかしらべてみたそうな。

2017年6月24日

脳卒中は血圧が140/90より低い者におおかった


Incident Cardiovascular Disease Among Adults with Blood Pressure < 140/90 mm Hg.
2017  6月  アメリカ


数十年前まで脳卒中など心血管疾患になる患者のおおくは血圧が140/90より高かった。

さいきん 血圧が140/90よりも低い患者が増えてきたという報告があるのでキッチリと確かめてみたそうな。


2000年以降で 男女計31856人をフォローした複数の研究データを解析したところ、


次のことがわかった。

・平均7.7年間に2584人が心血管疾患になった。

・このうち63.0%は血圧が140/90未満で、

・彼らは 降圧薬使用者の58.4%、降圧薬を使用しない者の68.1%を占めていた。

・心血管疾患発生率は、血圧140/90未満グループが1000人あたり年間8.0人に対し、140/90以上グループでは18.1人だった。

・140/90未満で降圧薬使用者の中にはコレステロール治療が必要な者が少なくなかった。

これまで脳卒中など心血管疾患は高血圧との関連が強かったが、現代では患者のおおくが血圧140/90未満であった。心血管疾患の発生率はこれまでとおり血圧が高いほど高いので ひきつづきもっと血圧をさげましょう、


というおはなし。
図:血圧測定

感想:

血圧はいったいどこまでさげればいいのか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね

2017年6月23日

母乳をあたえるかあちゃんは脳卒中にならない


Breastfeeding and the Risk of Maternal Cardiovascular Disease: A Prospective Study of 300 000 Chinese Women
2017  6月  中国

妊娠によって母体の心血管代謝系に生じたさまざまな変化が、母乳をあたえることでもとに戻るという考え方があるが 研究例はすくない。

これを東アジア人について大規模にしらべてみたそうな。


中国全土、平均年齢51 出産経験のある約30万人を8年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・母乳を与えた経験のない者にくらべ母乳経験があると脳卒中および心血管疾患のリスクが10%ほど低かった。

・母乳経験が2年以上あると、冠動脈疾患リスクが18%、脳卒中リスクは17%低かった。

・母乳経験が6ヶ月間ふえると心血管疾患リスクがさらに3-4%低下した。

母乳で子供を育てた経験があると脳卒中など心血管疾患リスクが10%ほど低下した。この関連は母乳経験が長くなるほど強くなった、


というおはなし。
図:母乳を授乳

感想:

なぜなのか。

2017年6月22日

脳内出血で蘇生措置拒否指示がでる患者


Emergency department do-not-resuscitate order in patients with spontaneous intracerebral hemorrhage.
2017  6月  台湾

医療の進歩にもかかわらず脳内出血患者の死亡率はいまだ非常に高く 生き残っても重い障害が残る。

この状況への緩和医療行為のひとつとして積極的な心肺蘇生、気管挿入や人工呼吸器を使わない "蘇生処置拒否指示"(DNR)がある。

救急部でのDNRの有無と脳内出血患者の予後との関連をしらべてみたそうな。


脳内出血患者835人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・12.1%の患者に救急部でDNRが出た。

・DNRは高齢で病状の重い患者におおかった。

・入院時の重症度レベルがいっしょであれば30日死亡率はDNRの有無でかわらなかった。

・30-90日の死亡率はDNRグループがあきらかに高かったが、

・神経症状の改善度にはあまり差はなかった。

高齢で病状の重い脳内出血患者は蘇生措置拒否指示がでやすかった。指示の有無で回復度に明らかな違いはなかった、


というおはなし。

図:

感想:

延命行為をあれこれ経ずにすんなりと亡くなってくれたほうが臓器のクウォリティは高いから?

どうしても勘ぐってしまうよ。

2017年6月21日

脳梗塞の有病率 さいきんの傾向


Long-term trends in the prevalence of patients hospitalized with ischemic stroke from 1995 to 2010 in Sweden.
2017  6月  スウェーデン

高齢化で脳卒中患者数の増加が予想される。そこで 脳卒中のおよそ85%を占める脳梗塞の有病率のさいきんの傾向をしらべてみたそうな。


スウェーデンの患者データベースから脳梗塞で入院した事例を抽出して1995-2010の傾向を解析したところ、


次のことがわかった。

・過去15年間の総患者数は1995年時点で129418人で、2010年時点では148778人だった。

・この間に脳梗塞で入院したことのある患者は人口10000人あたり189人の有病率だった。

・有病率は2000年までは増加傾向にあったがそれ以降 ほぼ安定した。

・45歳未満の有病率は増加したが その増加スピードは低下傾向にあった。

・85歳以上では有病率はやや低下傾向にあった。

脳梗塞の有病率は2000年までは増加し、その後緩やかに減少している。しかし若年者脳梗塞の有病率は増加傾向にあった、


というおはなし。
図:

感想:

日本で脳血管疾患で入院か通院中の患者は2014に118万人だから、1.2億人で割ったら10000人あたり約100人ってことになる。
スウェーデンのはんぶん。

総患者数の決め方が調査によってまちまちなんだな。

2017年6月20日

くも膜下出血→脳死→臓器摘出 の頻度がわかった


Irreversible Total Loss of Brain Function and Organ Donation in Patients with Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017  6月  ドイツ

臓器移植は待機者が増えるいっぽうで 供給はまったく増えていない。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血患者は死亡率が非常に高いので 救急医療の現場では臓器提供者候補として期待されている。

そこで、どのくらいの患者が脳死になり 臓器提供の同意が得られているものか 実際にしらべてみたそうな。


2011-2016の脳動脈瘤性くも膜下出血患者395人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・全体の18.0%が集中治療室で死亡した。

・死亡患者の42.3%には脳内出血、22.5%には動脈瘤の再出血、87.3%には脳室内出血があった。

・死亡患者の50.7%は脳死判定され、32.4%(23人)が臓器提供者になった。

・女性よりも男性のほうが明らかに臓器提供者になりやすかった。

・脳死からの臓器提供は60歳未満の患者でおおかった。

・23人から計85の臓器(腎臓42、肝臓21、膵臓3、心臓11、肺8)が摘出された。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血から脳死 そして臓器提供への流れはまったくめずらしいことではなかった、


というおはなし。
図:くも膜下出血からの臓器提供

感想:

つまり亡くなる3人に1人(全体の6%)が臓器提供していることになる。

一人の重症患者を脳死判定するだけで 複数人の命を救えるのが臓器移植。

提供の意志をチラつかせたら どういう結果になるかは想像に難くない

だから運転免許証の裏には臓器提供拒否に二重丸をつけてある。

2017年6月19日

若年者が脳卒中予防のために改善すべき2つのこと


Contribution of Established Stroke Risk Factors to the Burden of Stroke in Young Adults
2017  6月  ドイツ

脳卒中のリスク要因で改善が可能なもののうち、およそ9割が 高血圧、脂質異常、糖尿病、冠動脈疾患、喫煙、飲酒、運動不足、肥満 の計8つで説明がつくといわれている。

脳卒中発症年齢が低下傾向にあることから、55歳以下の若年脳卒中患者のリスク要因にどういった特徴があるものかしらべてみたそうな。


26の脳卒中センターから18-55歳の患者2125人の記録を抽出し、健常者サンプル8500人と比較したところ、


次のことがわかった。
・改善可能な要因のうち、全脳卒中の59.7%を運動不足が、 27.1%を高血圧が占めていた。

・これら要因の集団寄与危険度は脳梗塞の種類ごとにほぼおなじで、高齢なほど高かった。

改善可能なリスク要因のうち、運動不足と高血圧で若年者の脳卒中原因のほとんどを説明できた、


というおはなし。
図:若年者の脳卒中リスクファクター8

感想:

運動不足 やばいな、、

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