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2018年8月4日

認知訓練と運動を組み合わせる効果


Effects of combined intervention of physical exercise and cognitive training on cognitive function in stroke survivors with vascular cognitive impairment: a randomized controlled trial
2018  8月  中国

脳卒中のあとは認知障害になりやすい。

認知訓練は認知機能の低下をおさえる効果が期待できる。さらに身体運動が認知機能を改善するという報告もおおい。

しかし認知訓練と身体運動を組み合わせたときの効果についてはじゅうぶんな研究がないのでくわしくしらべてみたそうな。


発症から6ヶ月未満の脳卒中患者で血管性認知障害の225人について次の4グループに分けた。

*認知訓練のあと身体運動
*身体運動のみ
*認知訓練のみ
*ビデオ鑑賞

認知訓練はコンピュータベースの視覚運動、学習、記憶、注意、実行機能などを網羅した60分間のトレーニング。
身体運動は心拍数をモニターしながらの50分間の有酸素運動。

これらを週3回x12週間続けたのち、6ヶ月後まで複数の認知機能評価(Trail Making Part B、Stroop、forward digit span、mental rotation test)をフォローしたところ、


次のようになった。

・79.56%がこの過程を完遂した。

・すべての認知機能評価で、認知訓練と運動を組み合わせたグループがあきらかな改善を示していた。

・特に認知機能改善度は認知訓練や身体運動を単体で行うばあいよりも有意にすぐれていた。

血管性認知障害をしめす脳卒中患者への認知訓練と身体運動の組み合わせは、それぞれを単独で行うよりもおおきな認知機能の改善を長期にわたりもたらした、


というおはなし。
図:運動プラス認知訓練の効果 脳卒中で

感想:

腕立て伏せをすると論文よみがはかどるのと似たような理由かな。


メモ:
きのう駅の階段を降りる際に左足首のうごきがなめらかで足裏の感覚が戻っている感激をもった。
今年の夏はおなじことがこれで2度め。「暑い」ことと関係があるとおもう。

いつも夏になると脛やふくらはぎがかゆくなる。このかゆさが今年は左足でも右足と同程度にかゆい。暑さのおかげで敏感になってるのか。

2018年8月3日

半側空間無視の過小診断率


Underdiagnosis of Unilateral Spatial Neglect in stroke unit
2018  7月  スペイン

半側空間無視は損傷脳半球の反対側からの刺激に反応しない症状で、脳卒中で優位脳でない方にダメージをうけたときにおきやすい。

その発生率は8-90%と報告によりおおきなひらきがある。神経症状を評価するNIHSSではじゅうぶんに捉えられずに過小診断になっている可能性がある。

過小診断されている半側空間無視の割合を確認するべく くわしくしらべてみたそうな。


非優位脳半球を損傷して21ヶ月未満の脳卒中患者について、
線分二等分課題(Line Bisection)のほか “TrianglesCancellation” や “Circle Gap Detection Task” で半側空間無視を確認した。

その結果とルーチン検査のNIHSSの結果とを比べたところ、


次のようになった。

・平均年齢74、62人の患者を対象とした。

・25人(40.3%)が半側空間無視と診断されたが、

・このうちの56%はNIHSSでは半側空間無視を検出できなかった。

脳卒中後の半側空間無視は通常の検査ではかなりの過小診断になっていた、


というおはなし。
図:半側空間無視 線分二等分検査

感想:

本人すら気づかないものを証明するのは難しんだな。

2018年8月2日

日本人脳卒中の2年間生存率


Two-Year Survival After First-Ever Stroke in a General Population of 1.4 Million Japanese - Shiga Stroke Registry
2018  7月  日本

最近の50年間で日本の脳卒中死亡率は低下している。しかし高齢化にともない患者数は増加することが予想される。

そこで脳卒中から2年間の累積生存率を一般住民について大規模にしらべてみたそうな。


滋賀県の住民140万人を対象とした2011-2013の脳卒中患者登録データを解析したところ、


次のことがわかった。

・2176人の脳卒中患者があった。

・この間に663人(30.5%)が死亡して、脳卒中後2年間の累積生存率は69.5%だった。

・脳卒中の種類別の生存率は、ラクナ梗塞 87.2%、主幹動脈閉塞 76.1%、心原性塞栓 55.4%、脳内出血 65.9%、くも膜下出血 56.7% だった。

・ほかに 高齢、男性、入院時意識障害が死亡しやすさに関連していた。

日本の一般住民を対象とした調査では脳卒中のあと2年間の累積死亡率は30%を超えており、とくに心原性塞栓、くも膜下出血、脳内出血で高かった、


というおはなし。
図:脳卒中後の生存率

感想:

滋賀県の脳卒中予防事業といったらこれ↓を思い出す。
YouTube の脳卒中ビデオってどうなのよ?

2018年8月1日

片麻痺の水中療法の効果は


Effects of water-based and land-based exercises on walking and balance functions of patients with hemiplegia
2018  7月  トルコ

脳卒中患者をプールで運動させる水中療法にはバランスや歩行能力の改善効果が期待されている。

しかし水中療法と地上訓練についてのランダム化比較試験の例が少ないのでやってみたそうな。

2018年7月31日

主観的認知機能障害と社会参加とうつ


The role of subjective cognitive complaints and depressive symptoms in social re-integration following stroke: a mediation explanation in a cross-sectional sample
2018  7月  オーストラリア
軽症脳卒中経験者の70%は仕事や社会生活になんらかの不満を抱えているという。

そこで認知障害の前段階でもある主観的認知機能障害と社会参加との関連およびそれを媒介する要因についてしらべてみたそうな。

2018年7月30日

手の周りには意識が集中している 脳卒中患者では?


Time-dependent decline of body-specific attention to the paretic limb in chronic stroke patients
2018  7月  日本

手のひらに近い位置ではつづく握り動作にそなえて注意力が高まっていて、この付近からの視覚刺激への反応が遠い位置からよりも速くなる現象が報告されている。

これをつかって脳卒中患者の麻痺側への注意力の低下を定量化できれば学習性不使用や空間無視の理解につながるかもしれないので実験してみたそうな。

2018年7月29日

コクランレビュー:歩数計を着ける効果


Activity monitors for increasing physical activity in adult stroke survivors
2018  7月  オーストラリア
脳卒中経験者は再発予防と機能回復を促すために運動をこころがけることが望ましい。しかし現実はじっと座っている時間が長い。

じぶんの活動量をフィードバックすることで日々の行動をあらため運動量が増えるとする考え方がある。

そこで、歩数計(Fitbit、ガーミンウォッチ)やスマートフォンアプリ(Runkeeperなど)のような活動量を計るウェアラブルデバイスが脳卒中経験者の運動量に与える効果についてこれまでの研究をまとめてみたそうな。

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