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2019年7月21日

脳卒中後の腸内細菌を長期観察


Persistence of Gut Microbiota Dysbiosis and Chronic Systemic Inflammation After Cerebral Infarction in Cynomolgus Monkeys
2019  6月  中国
腸脳軸(gut–brain axis)は免疫システムを介した腸と脳の双方向コミュニケーションを意味する。

脳卒中を経験すると腸内細菌の多様性やそれらの生成物、炎症因子のバランスがおおきく崩れるディスバイオシス(dysbiosis)がみられるという報告がふえている。

しかしこれら研究のおおくはネズミをつかった実験でしかもフォロー期間が短いためヒトへの解釈には制約がおおきい。

霊長類をつかえば免疫システムや遺伝構造、食事形態、神経系、消化管構造がヒトに近くネズミよりも参考になる。

そこでサルをつかって長期に腸内細菌叢の変化をしらべてみたそうな。

2019年7月20日

風力発電で脳卒中がふえる?


Association Between Long-Term Exposure to Wind Turbine Noise and the Risk of Stroke- Data From the Danish Nurse Cohort
2019  7月  デンマーク

交通(自動車、鉄道、飛行機)ノイズが高齢者の脳卒中リスク要因であることがわかっている。

ノイズによるストレスが全身によわい炎症反応をひきおこし最終的にコルチゾールが心房筋細胞に影響して脳卒中にいたるとも 考えられている。

風力発電ノイズ(wind turbine noise)についても同様の影響が予想されるが、これまで調査は1件しかなくサンプル数もすくない。

デンマークは2016時点で総電力の37.6%を風力でまかなっており2021までに50%超えを目指している。

さらに国民の12%が風力発電機から6キロ以内に居住していて、風力発電ノイズの健康への影響が関心の的になっている。

そこで 風力発電ノイズと脳卒中との関連を大規模にしらべてみたそうな。



デンマークの44歳以上の女性看護師23912人をおよそ20年間フォローした調査記録をもちいて、

風力発電ノイズ、交通ノイズ、大気汚染と脳卒中の発生との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・この間に1097の脳卒中がおきた。

・調査開始の1982年、居住地から6キロ以内に1基以上の風力発電機のある者は10.3%で、2013年には13.3%になっていた。

・風力発電ノイズのおおきさの平均は26.3dBだった。

・風力発電ノイズへの暴露期間を考慮しても脳卒中発生率とのあいだに関連はみられなかった。

風力発電ノイズへの長期暴露と脳卒中との関連は確認できなかった、


というおはなし。

図:風力発電



感想:

コペンハーゲン大学、国策に反するような結論はだせんわな。

福島医大ですら甲状腺がんふえても因果関係みとめないし、、
飛行機の騒音と脳卒中

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道路交通騒音と大気汚染 脳卒中的にどっちが深刻なのか

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2019年7月19日

脳卒中やったひとの障害余命


Disabled life expectancy with and without stroke- a 10-year Japanese prospective cohort study
2019  7月  日本

日本で脳卒中は死亡原因の4位である。脳卒中経験者の3分の1は永続的になんらかの障害を負うという。

平均寿命が長い日本では彼らへの長期のケアが必要になり社会経済的な負担もおおきい。

そこで障害をもった状態での余命(disabled life expectancy)が脳卒中経験の有無でどのくらいかわるものなのか くわしくしらべてみたそうな。

2019年7月18日

小脳の梗塞で感情を読み取れなくなる?


Cerebellar contribution to vocal emotion decoding- Insights from stroke and neuroimaging
2019  7月  スイス

大脳皮質にふくまれる神経細胞はその体積の20%程度にすぎない いっぽう、小脳はおよそ70%が神経細胞でその数は680億個以上あるという。

小脳と非運動系の機能 とくに感情のはたらきとの関連は70年代に指摘されてはいたものの長らくみすごされてきた。

最近になり小脳と感情認識についての報告がふえ、小脳後部との関連が指摘されている。

音声感情(vocal emotion, emotional prosody)認識についての研究はまだ結論がでていないので小脳梗塞の患者をつかってくわしくしらべてみたそうな。

2019年7月17日

脳卒中で長生きに必要な栄養素2つ


Controlling Nutritional Status (CONUT) Score as a Predictor of All-Cause Mortality at 3 Months in Stroke Patients
2019  7月  スペイン

脳卒中患者の栄養不良はめずらしくなく 彼らの回復はわるく死亡率も高いという。

患者の栄養状態は見過ごされがちで 脳卒中に適した栄養評価方法がきまっているわけでもない。

この1-2年間に Controlling Nutritional Status (CONUT)スコアが脳卒中患者の栄養評価に適しているとする報告がNaitoさんとIwakamiさんによってなされた。

これをたしかめるべく3ヶ月後の脳卒中死亡リスクをCONUTスコアで評価してみたそうな。

2019年7月16日

サプリメントと脳卒中のアンブレラレビュー


Effects of Nutritional Supplements and Dietary Interventions on Cardiovascular Outcomes- An Umbrella Review and Evidence Map
2019  7月  アメリカ

栄養補助食品(サプリメント)や栄養指導(dietary intervention)の心血管疾患予防効果はいまだあきらかではない。

これらのエビデンスを検証するためにメタアナリシスのメタアナリシスであるアンブレラレビューをこころみたそうな。

2019年7月15日

脳卒中患者にしめるがんの率


Cancer prevalence higher in stroke patients than in the general population; Dutch PSI Stroke study
2019  7月  オランダ

がんと心血管疾患は世界の死因1,2位を占める。がん患者の解剖研究によると15%に脳血管障害の痕跡が確認できたという。

がんがあると血液が凝固亢進状態になり血栓性内膜炎や血管の圧迫がおきる。また治療での放射線や抗がん剤の毒性が脳卒中の原因になりうる。

そこで、脳卒中患者に占めるがんを有する者の率とその種類について大規模にしらべてみたそうな。

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