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2014年1月31日

太極拳リハビリは転倒が少なく安全


The Effect of Tai Chi on Physical Function, Fall Rates and Quality of Life among Older Stroke Survivors.
2014  1月  アメリカ

太極拳の脳卒中リハビリ効果を検証してみたそうな。


平均年齢70、発症後3年の脳卒中経験者145人を次の3グループに分けた。

*太極拳:53人
*筋トレ柔軟体操:44人
*普通のリハビリ:48人

太極拳は1回1時間×週3回×12週間行った。


次のようになった。

・各訓練期間中に転倒した人数は、太極拳グループでは他のグループの3分の1だった。

・太極拳と筋トレ柔軟体操グループでは有酸素持久力が大きく向上した。


太極拳と筋トレ柔軟体操は有酸素持久力を高めかつ容易に実践可能なリハビリ法だった。とくに太極拳は転倒回数も少ないのでよりオススメである、


というおはなし。


この研究者が行っている太極拳教室のシーン(4:30-)

2014年1月30日

なぜ脳卒中のあとに糖尿病になってしまうのか


High Incidence of Diabetes after Stroke in Young Adults and Risk of Recurrent Vascular Events: The FUTURE Study.
2014  1月  オランダ

もともと糖尿病で脳卒中になった若年患者は再発しやすい。

そこで、脳卒中になってから糖尿病になった若年患者の再発について調べてみたそうな。


1980-2010にわたり脳梗塞やTIA患者を対象に行った調査結果をフォローし、糖尿病、空腹時血糖異常、血管性発作の再発頻度についてさらに調べた。


次のようになった。

・平均年齢40、糖尿病歴の無い427人の患者を約10年間追跡調査した。

・糖尿病になった割合は8%で、普通の人の2倍だった。

・空腹時血糖異常の割合は21%だった。

・これら糖尿病や血糖異常になった者は、血管性発作が数倍再発しやすかった。


若年脳卒中患者が糖尿病や血糖異常になることはよくあることで、脳卒中の再発と関連があった、


というおはなし。

写真:糖尿病

2014年1月29日

肘の痙縮が治るツボの位置が判明


Selection of acupoints for managing upper-extremity spasticity in chronic stroke patients.
2014  1月  台湾

電気鍼療法が上肢の痙縮にどれくらい効くのか検証してみたそうな。


15人の慢性期脳卒中患者について、

・電気鍼療法を受ける9人 と
・比較のための微小鍼刺激6人 に分けた。

電気鍼療法は1回20分間×週2回×6週間行った。

刺激したツボは、前腕上の4箇所。
写真:ツボ上肢痙縮


次のようになった。

・全治療期間を通じて電気鍼グループで肘の関節を自らの意志で大きく動かせるようになった。

・手首の痙縮には大した違いは見られなかった。

6週間の電気鍼治療によって慢性期脳卒中患者の肘の痙縮が大きく改善された。しかし手首の痙縮に影響はなかった。別のツボも検討してみたい、


というおはなし。

2014年1月28日

脳卒中経験者は喫煙を控えなくてもいいのか?


Smoking and Mortality in Stroke Survivors: Can We Eliminate the Paradox?
2014  1月  アメリカ

脳卒中経験者の喫煙は死亡率の増加にはつながらないと多くの研究が示している。

そこで、脳卒中経験者の喫煙状況と各種死亡率との関連について調べてみたそうな。


1997-2004の死亡調査データベースから45歳以上の脳卒中経験者を抽出し、総死亡率、心血管系疾患死亡率、ガン死亡率と喫煙状況との関連を解析した。


次のようになった。

・18.7%の脳卒中経験者が喫煙していた。

・死亡者数の50%は心血管系疾患によるもので、15%はガンが原因だった。

・現在喫煙者は非喫煙経験者にくらべ総死亡率が高く、がん死亡率は3.8倍だった。

・現在喫煙者の心血管系疾患死亡率は、社会経済状況を考慮に入れると高いとはいえなかった。


脳卒中経験者で喫煙している人は総死亡率が高かったが、その主な要因はガンだった。心血管系疾患死亡率の高さは社会経済的状況を反映しているだけかも、


というおはなし。


感想:

なるほどこれまでの記事で喫煙はあまり悪そうに見えない。
喫煙を経験しておいた方が脳卒中的には良い と考える理由

喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い

タバコや酒をやっていたからといって、脳卒中のあとはやくに死んでしまうわけではなかった

喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い

【パラドックス】タバコ好きの脳梗塞患者にはtPA治療が良く効くぅ



2014年1月27日

麻痺上肢の痙縮を簡単に改善する方法を日本の研究者が発見!


Immediate Effects of Unaffected Arm Exercise in Poststroke Patients with Spastic Upper Limb Hemiparesis.
2014  1月  日本

脳卒中患者の健側上肢運動が麻痺側上肢にどう影響するか調べてみたそうな。


平均年齢65、発症後9年前後の脳卒中経験者41人について、健側上肢で最大筋力50%のクランク回転運動を10分間継続させた。


次のようになった。

・麻痺上肢の筋緊張度が著しく低下した。

・機能面での変化はなかった。


健側上肢の10分間の運動によって、麻痺側上肢の筋緊張が改善した、


というおはなし。

写真:ハンドエルゴメーター



感想:

同じ研究者のこんな資料が見つかった。
げんき開発研究所:治療としてのリハビリテーション(pdf)
ちょっと変わってておもしろい。

2014年1月26日

転倒しやすい患者の特徴


Can overestimation of walking ability increase the risk of falls in people in the subacute stage after stroke on their return home?
2013  12月  イタリア

脳卒中患者の転倒は珍しいことではなく、歩行スピードと関連があると言われている。

そこで、全力で歩くときのスピードと、楽に歩く場合のスピードが 転倒リスクとどう関連するかを調べてみたそうな。


歩行可能な脳卒中患者75人ついて、退院時に10m歩行テストと6分間歩行テストを行った。
その後1年間、2ヶ月置きに転倒した回数を電話調査し、両者の関連を解析したところ、


次のようになった。

・6分間歩行テストと10m歩行テストのスピードの比が転倒回数と関連していた。

・短距離の歩行時にやたらスピードが上がる患者はより転倒しやすかった。


短距離と長距離を歩かせた時のスピードの違いをみれば、その脳卒中患者の転倒しやすさが予想できる、


というおはなし。



感想:

達成できるスピードや距離そのものではなく、どのくらいせっかちなのか という患者の性向が転倒と関係している ってことと理解。

看護師同伴で廊下を歩くことを許可された当初、異常にスピードが速いと注意されて、案の定転倒しかけて間一髪で助けてもらった思い出。

2014年1月25日

AB型は脳卒中リスク1.8倍と判明


ABO Blood Type and Stroke Risk: The REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke (REGARDS) Study.
2014  1月  アメリカ

ABO式血液型は凝固因子や血管系に関連した遺伝的性質である。

そこで血液型と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


30239人が参加した脳卒中研究調査から、血液型のわかる646人分の脳卒中患者データを抽出し関連を解析した。


次のようになった。

・5.8年間追跡の結果、O型に比べAまたはB型の脳卒中のなりやすさには差がなかった。

・一方AB型はO型に比べ脳卒中リスクが1.8倍ほど高かった。

・糖尿病があるとこの関連が弱くなった。

・AB型と脳卒中リスクとの関連は、血液凝固第Ⅷ因子に原因がありそうだった。


血液がAB型だと脳卒中リスクが非常に高くなることがわかった、


というおはなし。

図:血液型と脳卒中リスク

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