~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

検索キーワード「メンタルプラクティス」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示
検索キーワード「メンタルプラクティス」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示

2023年12月10日

リハビリ革命:メンタルプラクティスが上肢を劇的向上!

2023  11月  韓国


メンタルプラクティス(MP)は実際の動作をともなわず、認知的に身体活動のリハーサルを行うことであり、近年、脳卒中患者に対する有望なリハビリテーション法として注目されている。

そこで、脳卒中患者の運動機能に対するMPの総合的な効果を推定するために、既存のエビデンスを批判的に評価したメタアナリシスをこころみたそうな。

2023年2月22日

運動イメージ・メンタルプラクティスで上肢リハビリ

2023  1月  スペイン


脳卒中患者の30-66%はリハビリテーションをおこなっても上肢機能が十分に回復しない。

運動イメージ(MI)やメンタルプラクティス(MP)は、実際に運動をおこなうことなく認知プロセスのみで運動をシミュレートし、共通する中枢神経系の再活性化をはかるものである。

これらのメカニズムはミラーニューロン理論によっても支持され、たとえば手の動きの映像を観察することでも回復を促すことができる。

亜急性期、慢性期脳卒中患者の上肢機能へのMI・MPの有効性について体系的にレビューをこころみたそうな。

2020年12月5日

最重症の上肢麻痺に効くメンタルプラクティスとは

2020  10月  イギリス


脳卒中後の上肢麻痺患者へのメンタルプラクティスの有効性と、いつどのように実施するべきかを明らかにすることを目的にシステマティックレビューとメタアナリシスをこころみたそうな。

2020年8月25日

ミラー療法は両手運動が良さげ

2020  7月  台湾


脳卒中患者へのミラー療法時に両手または片手のみを動かしたときの運動野の活性化の程度を脳磁図(MEG)でくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月5日

運動イメージ訓練とスローファイブ(Slow-5)


Motor Imagery Training After Stroke Increases Slow-5 Oscillations and Functional Connectivity in the Ipsilesional Inferior Parietal Lobule
2020  2月  中国

運動イメージ訓練(Motor Imagery Training)やメンタルプラクティスは実際の身体活動をともなわない認知機能上のリハーサル訓練であり、通常の脳卒中リハビリに組合せるとより効果的であるとする報告が数おおくある。

そのメカニズムとして、運動野をふくむ前頭-頭頂ネットワークの機能再編が考えられている。

こんかい、シンプルかつデータ再現性の高い「安静時fMRI」で観測できる灰白質由来のシグナル "Slow-5"(0.01-0.027Hz)に着目して、脳卒中患者での運動イメージ訓練の効果についてランダム化比較試験をこころみたそうな。

2019年9月25日

TIA患者のデフォルト・モード・ネットワーク


Altered Functional Connectivity within Default Mode Network in Patients with Transient Ischemic Attack- A Resting-State Functional Magnetic Resonance Imaging Study
2019  9月  中国

一過性脳虚血発作(TIA)では神経症状は24時間以内に解消し梗塞も残らない。

しかし認知障害や脳卒中を起こしやすくなることから脳の異常性をあきらかにすることは重要である。

さいきん安静時脳機能MRI(Rs-fMRI)によりデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の存在を確認できるようになった。

これまでの報告からDMNは認知機能に関連するとされ、脳卒中患者ではDMN内の一部の機能結合性の低下が指摘されている。

TIA患者でのDMNについてはわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。



TIA患者48人と年齢の一致する健常者41人について、
Rs-fMRIを実行し、DMNにについてシードベースの機能結合性評価をおこなった。



次のことがわかった。
・左の中側頭回(MTG) 角回(AG)と 内側前頭前皮質(mPFC)および後帯状皮質(PCC) 楔前部(Pcu)との機能結合性が健常者にくらべあきらかに低下していて、

・さらにmPFCと右Pcu,左PCC,左AG, および右Pcuと左PCCの結合性の低下も見られた。

・1年後までに次の虚血イベントを経験した患者では、mPFCと左PCCとの結合性が有意に低下していた。

・臨床症状、生理学的、生化学的マーカーと機能結合性との関連は確認できなかった。

TIA患者のデフォルト・モード・ネットワークには結合性の異常な箇所がいくつか見られた。そのうち内側前頭前皮質と左の後帯状皮質との結合性低下は虚血イベントの再発と関係がありそうだった、




というおはなし。

図:デフォルト・モード・ネットワーク


感想:

上の図がデフォルト・モード・ネットワークの要所。脳が安静状態のとき、これらの活動が数十秒周期で同期するんだって。
安静時fMRIでみたTIA脳の異常

nature.com:急性期の脳機能結合と予後

感覚障害の機能的ネットワーク結合

脳幹梗塞のデフォルト・モード・ネットワーク

心房細動患者のデフォルトモードネットワークに異常

脳卒中後うつ患者の脳内ネットワーク

脳卒中後うつのfALFF解析

脳卒中後のうつ不安とデフォルトモードネットワーク

メンタルプラクティス+理学療法の効果を脳のネットワーク的に見ると、、

脳卒中患者のデフォルト・モード・ネットワークは…

2019年8月12日

エビデンスレベルⅠ 推奨度Aの脳卒中リハビリ法とは


Motor imagery as a complementary technique for functional recovery after stroke- a systematic review
2019  7月  スペイン

脳卒中後のリハビリのおおくは特定動作を繰り返させるやり方にもとずいている。しかし重い麻痺をかかえている患者にとってこのような方法はほとんど意味をなさない。

その点、運動イメージ訓練(Motor Imagery:MI)は実際の動作をともなうことなく頭のなかだけで訓練が完結するので重度麻痺にも適している。

運動イメージ訓練により運動野から小脳 大脳基底核が活性化し機能の再構築がすすむという。

運動イメージ訓練には2種類あって、1つは暗示的(Implicit)MIとよばれ、他人の動作やビデオを見てミラーニューロンシステムを介するもの。

もう1つは明示的(Explicit)MIと呼ばれ、意識的 自発的にイメージ動作を構築するものである。

そこでこれまでの研究について脳卒中患者への運動イメージ訓練の効果のシステマティックレビューをこころみたそうな。



関係する論文を、2007-2017に出版されたものに限って厳選した。



次のことがわかった。

・13のランダム化比較試験がみつかった。

・方法論的 研究の質を CriticalReview Form-Quantitative Studiesで評価したところ、15点中9-13点に相当した。

・エビデンスレベルと推奨度を U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) assessment で評価したところ、最高レベルの IA 、II-B1 に相当した。

・とくに上肢機能、バランス、歩行機能であきらかな改善がみられていた。

運動イメージ訓練を通常のリハビリに加えると脳卒中患者の機能回復に効果的である、


というおはなし。

図:運動イメージ訓練のエビデンスレベル


感想:

数あるリハビリ法のなかでもっとも成果をあげているのが運動イメージ訓練なんよ(イメージトレーニング、メンタルプラクティス、メンタルリハーサルともいう)。
Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2019年7月7日

運動イメージ訓練の上肢リハビリ効果


Efficacy of motor imagery additional to motor-based therapy in the recovery of motor function of the upper limb in post-stroke individuals: a systematic review
2019  7月  ブラジル
脳卒中経験者の85%は上肢機能になんらかの障害をもつとする報告がある。その回復は神経可塑性によることになるが、これを促す方法の1つとして運動イメージ訓練(motor imagery)がある。

腕や指を「動かそう」という意思だけで、関連する脳のネットワークが活性化するとされている。

やり方には2種類あって、心の中で一人称視点で動作をシミュレートするものと、一人称または三人称視点で視覚化された動作パフォーマンスを観察する方法がある。

今回、通常のリハビリに運動イメージ訓練を組み合わせたときの効果についてのこれまでの研究のシステマチックレビューをこころみたそうな。



脳卒中上肢麻痺への運動イメージ訓練に関係するランダム化比較試験を厳選して、その効果とエビデンスの質を評価したところ、



次のようになった。

・被験者104人を含む エビデンスレベル(PEDroスコア)中-高 の4つの研究に絞り込んだ。

・すべての研究で統計学的有意な上肢運動機能の改善が見られた。

・肘や手首、指の曲げ伸ばしといった総体的な運動機能の向上は全研究でみられたものの、

・髪をまとめたり 物を取ったりする日常生活動作の向上がみられたのは1つの研究のみだった。

通常の上肢リハビリへの運動イメージ訓練の追加が効果的である とする確かなエビデンスが存在する。より効果的な訓練頻度や手法の研究が期待される、


というおはなし。
図:運動イメージ訓練研究のPEDroスコア



感想:

数あるリハビリ法のうち、もっとも成果をあげているのが運動イメージ訓練(イメージトレーニング、メンタルプラクティス、メンタルリハーサルともいう)なんやで。
磁気刺激上肢リハビリに運動イメージ訓練を足してみた

中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは

メンタルプラクティスの上肢リハビリ効果

上肢の運動イメージ訓練とネットワーク変化

2019年4月9日

磁気刺激上肢リハビリに運動イメージ訓練を足してみた


The Effects of Combined Low Frequency Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation and Motor Imagery on Upper Extremity Motor Recovery Following Stroke
2019  2月  中国

脳卒中の上肢麻痺を改善する方法として、経頭蓋磁気刺激rTMSと運動イメージ訓練MIがある。

いずれも非侵襲的でかつ楽な姿勢でできるので重度の麻痺や慢性期であっても可能である。

これら手法を組み合わせたときの効果を検証してみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢麻痺の患者42人をつぎの2グループに分けた。

実験グループ)rTMS+MI
コントロール)rTMS+環境音でリラックス

rTMSは病変と対側の運動野に1Hzの刺激。
MIは録音された指示にしたがって想像上で上肢を動かし日常生活動作の具体的動作を思い描くこと30分間。

これを2週間に合計10セッションおこなった。

上肢機能を4種類の指標(WMFT,UE FMA,BBT,MBI)で評価し、4週間後までフォロー比較したところ、



次のようになった。

・両グループともにすべての評価項目で改善した。

・改善効果は4週間後まで持続していた。

・とくに、運動イメージ訓練を加えた実験グループで改善著しかった。

低周波数の磁気刺激に運動イメージ訓練を加えたところ、磁気刺激のみよりもおおきく改善した、


というおはなし。

図:脳卒中の運動イメージ上肢訓練


感想:

高価な磁気刺激装置を買ったはいいが、ぜんぜん効果がないとわかり しかたなくMIと混ぜて結果をひねりだしたという感じ。

磁気刺激の上肢リハビリは根拠なしってことですでに↓結論でてる。
[結論] rTMSの上肢リハビリ効果について

数ある上肢リハビリのなかで↓ 運動イメージ訓練(メンタルプラクティス)だけが最後の希望。
Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2018年12月12日

中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは


A systematic review of physical rehabilitation interventions for stroke in low and lower-middle income countries
2018  12月  アイルランド

脳卒中による障害や早死による世界全体の人的損失年数の78%は中低所得国で発生しているという。

これらの国々では脳卒中リハビリにあてられるあらゆるリソースが限定的であり高所得国の真似をすることができない。

そこで中低所得国で効果的とされる脳卒中の身体リハビリテーションの種類についてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


中低所得国の成人脳卒中患者を対象とした身体リハビリテーションに関係する質の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者2115人を含む62の研究がみつかった。大半はインドのものだった。

・内訳は、上肢関連が26件、下肢22件、その他14件だった。

・研究の質的には、強7件、中16件、弱39件と分類でき、

・全体として身体リハビリテーションにより患者の回復が促された。

・特にエビデンスレベルが高かったものは、CI療法とミラーセラピーによる上肢リハビリおよび、

・運動イメージ訓練による歩行リハビリだった。

・次いで、立ち上がり訓練(sit-to-stand training)でのバランス改善効果だった。

中低所得国の脳卒中リハビリ研究の結果、ミラーや運動イメージによる脳内トレーニングおよび上下肢の繰り返し運動が効果的でかつ低コスト シンプルな方法として評価されていた、


というおはなし。

図:中低所得国の脳卒中リハビリ


感想:

むしろこういう環境でこそ真の実力が試される。

CI療法(=課題指向型訓練)はナンセンスであることが最近あきらかになったので除外するとして、

ミラーセラピーの発案者はインド人だから一番人気は納得。

そして安定のメンタルプラクティス(運動イメージ訓練)か。

2018年12月11日

メンタルプラクティスの上肢リハビリ効果


Mental practice for upper limb motor restoration after stroke- an updated meta-analysis of randomized controlled trials
2018  12月  中国

脳卒中上肢麻痺のリハビリにはいくつもの方法がある。
しかしこれまでもっとも頼りにされてきた特定動作の繰り返し(課題指向型訓練)には効果がないことが最近わかってきた。

メンタルプラクティスは実際の動作を行う必要がないことから重症患者にも適用でき、安全かつ簡単で退院後も続けることのできるリハビリ方法として期待されている。

過去のメタアナリシスでは評価方法のばらつきがおおきくその効果をあきらかにできていなかった。

そこで最新の研究をふくめてメンタルプラクティスのメタアナリシスを再度こころみたそうな。


メンタルプラクティスによる脳卒中上肢リハビリの論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者268人を含む12の研究がみつかった。

・Egger's testでは出版バイアスは見られなかった。

・メンタルプラクティスにより上肢運動機能FMAスコアがあきらかに向上していた。

・同様に上肢機能ARATスコアもおおきな改善をしめした。

・これらの関連は任意の研究データを除外しても影響を受けず保たれていた。

メンタルプラクティスは脳卒中上肢麻痺のリハビリに有効である。ぜひ推奨したい、


というおはなし。

図:

感想:

メンタルプラクティスと運動イメージ訓練(motor imagery)は同じ。これに場の雰囲気やじぶんの気持ちを加えた脳内リハーサルを総称して「イメージトレーニング」とよぶ。


これまでも上肢リハビリがいろいろあるなかで唯一まともそうなのがメンタルプラクティスだった。↓
Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2017年10月23日

メンタルプラクティスとミラーセラピーのちがい


Immediate effect of mental practice with and without mirror therapy on muscle activation in hemiparetic stroke patients.
2017  10月  ブラジル

メンタルプラクティスとミラーセラピーは実際の運動をともなわないという点で共通している。

これらの違いをさぐるべく、筋肉反応を測定してみたそうな。


脳卒中で上肢麻痺の男女4人ずつについて、

a)手首を曲げるイメージを繰り返す。(メンタルプラクティス)
b)麻痺手を隠すようにおいた鏡の前に健常手を置き、鏡に映る手首曲げ動作を麻痺手の動きであると考える。(ミラーセラピー)
c)実際に手首を曲げる。

これら3つの動作時の筋電図をとり比較した結果、


次のようになった。
・実際の動作よりもメンタルプラクティスとミラーセラピー時に筋電活動が大きかった。

・メンタルプラクティスとミラーセラピーで筋電活動の大きさに明らかな差はなかった。

・これらの反応は麻痺手および健常手にも同様に観察できた。

メンタルプラクティスとミラーセラピーで筋電活動にすぐに反応がでた。その反応の大きさに両者の違いはなかった、


というおはなし。
図:メンタルプラクティスとミラーセラピー

感想:

ようするにミラーセラピーはメンタルプラクティスとおなじ。
鏡に映すのはイメージしやすくするための方便であって、ミラーニューロンがどうのこうのはあとづけの理屈にすぎない。

2017年9月25日

メンタルプラクティスと脳卒中患者のQoL


The influences of the mental practice on the quality of life of the stroke patients.
2017  9月  韓国

実際の運動をせずにその動作を頭のなかだけで繰り返しイメージするメンタルプラクティスは 脳卒中患者への応用がおおく報告されている。しかし生活の質(QoL)への効果についてはくわしい研究がすくないので実験してみたそうな。


発症後6ヶ月以上経つ脳卒中片麻痺患者で、認知機能が正常で、イメージ明瞭性が標準的(Vividness of Movement Imagery Questionnaire ~2.26)な32人をつぎの2グループに分けた。

*作業療法20分+メンタルプラクティス10分
*作業療法30分のみ

これを週5日x4週間 継続した。

メンタルプラクティスは、静かな環境で、本のページめくり、豆つまみ、カップ積みの各動作をイメージさせた。

脳卒中患者の生活の質を12項目x各5段階のSS-QoL評価したところ、


次のようになった。

・生活の質SS-QoLはメンタルプラクティスグループで明らかにすぐれていた。

・項目別では身の回りの世話ができる能力と上肢機能の改善がいちじるしかった。

メンタルプラクティスが脳卒中患者の生活の質の改善につながることがわかった、


というおはなし。
図:メンタルプラクティスで脳卒中のQoL改善

感想:

たとえ想像の世界であっても繰り返し成功体験を積むと幸せになる。

その逆もしかりで、努力すれば治ると思い込み「できない体験」を重ねているとどんどん不幸になる。

2017年8月14日

運動イメージ訓練の歩行リハビリ効果がわかった


Effects of motor imagery on walking function and balance in patients after stroke: A quantitative synthesis of randomized controlled trials.
2017  8月  中国

実際に身体をうごかすことなくイメージだけで練習を行うことを「運動イメージ訓練」や「メンタルプラクティス」とよび、視覚的にイメージする方法や運動そのものをイメージする方法などがある。

脳卒中片麻痺患者への運動イメージ訓練の有効性は数多く報告されているが、歩行能力に限定したシステマティックレビューはおおくない。

そこで最新の研究をふくめてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


研究データベースから関係するものを厳選し データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者735人を含む17のランダム化比較試験がみつかった。

・訓練期間は6週間、1回あたり15分間、ビデオやオーディオを用いる方法がおおかった。

・通常訓練にくらべ運動イメージ訓練は歩行能力や運動機能の改善に より効果的だった。

・ただしバランス能力に有意な改善はなかった。

・歩行能力の改善効果は短.長期的にも有効だった。

・6週間未満の短期に限定すればバランス能力の改善もみられた。

運動イメージ訓練は脳卒中患者の歩行リハビリに有効であると考えられた。ただし測定値や方法にばらつきが大きいので さらなる研究が期待される、


というおはなし。

図:運動イメージ訓練

感想:

ちなみに上肢に限定すると、数ある治療法のなかでいちばん効果がでているのが運動イメージ訓練。
上肢リハビリ 良い方法 と ダメな方法

2016年6月12日

片麻痺イメージ訓練の分散効果とは?


Retention of the spacing effect with mental practice in hemiparetic stroke.
2016  6月  アメリカ

メンタルプラクティスは頭のなかで運動をリハーサルする方法で、脳卒中リハビリで最も成果を挙げている治療法のひとつである。

メンタルプラクティスは集中的に行うべきか それとも何回かに分けた方が効果的なのか実験してみたそうな。


慢性期の脳卒中経験者27人について、麻痺上肢の理学療法リハビリとメンタルプラクティスの組み合わせを週3回x10週間おこなった。

1日あたりのメンタルプラクティスについては、

*60分間 集中するグループと 
*20分間x3回に分散するグループ

に分けた。

上肢機能を複数の指標で計り 比較したところ、


次のようになった。

・10週間後、分散グループでいずれの評価スコアも明らかに優れていた。

・さらに3ヶ月後にも この関連は有意な傾向にあった。

脳卒中の麻痺上肢へのメンタルプラクティスは、集中訓練よりも分散訓練のほうがより効果的である、


というおはなし。

図:メンタルプラクティス分散と集中

感想:

イメージ訓練の類は見た目と違ってあたまが非常に疲れる。よほどの強い意志や動機がないと5分間だって続けることは難しい。
しかも サボっても他人にはわからない。

だから分散効果(spacing effect)にはなっとく。

2015年7月30日

運動をイメージする力で手が動くようになるのだろうか


Effect of Motor Imagery on the F-Wave Parameters in Hemiparetic Stroke Survivors.
2015  6月  イラン

神経活動電位のF波は運動皮質の興奮性を反映すると考えられている。

そこで 運動イメージ法を使った脳卒中リハビリの効果を F波について検証してみたそうな。


発症後72時間以内の脳卒中片麻痺の患者21人について、

麻痺した手の指を動かすイメージをしている間のF波を、腕をとおる正中神経、尺骨神経で測定した。

麻痺していない側でも同様の測定を行い 比較した。


次のことがわかった。

・麻痺手と非麻痺手でF波は大きく異なっていた。

・運動イメージ中の麻痺手のF波持続性が両神経で改善し、

・F波反応強度も正中神経で改善した。


運動イメージ中のF波強度と持続性が改善された。運動イメージリハビリは脳卒中で弱った運動神経の働きを回復するのかもしれない、


というおはなし。



感想:

「凄絶」なはずの脳卒中リハビリが「想う」だけで済むわけがないとフツーは考える。一方で運動イメージ法やメンタルプラクティスを超える効果的な治療法が存在していないのも事実。
上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2015年4月10日

メンタルプラクティス+理学療法の効果を脳のネットワーク的に見ると、、


Functional organization and restoration of the brain motor-execution network after stroke and rehabilitation
2015  3月  アメリカ

脳の運動に関係する複数の領域は、なにもしていない状態でも低い周期(<0.1Hz)で同期して情報のやりとりをしている。

脳卒中によってこのネットワークがどう影響を受け、メンタルプラクティスや理学療法などのリハビリでこれがどのように回復するのか実験してみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者13人と健常者17人についてグループ分けし、

*メンタルプラクティスのみ または、
*メンタルプラクティス+理学療法

を1日4時間x2週間行い、その影響をfMRIで調べた。

fMRI 結果から 脳の5箇所の領域(左右の一次運動野と前運動皮質、補足運動野)のネットワークのつながりを解析した。


次のことがわかった。

・健常者も脳卒中患者も0.06-0.08Hzで脳のネットワークが同期していた。

・脳卒中患者では活動が低下しているネットワークパターンがあった。

・この低下したネットワークパターンはメンタルプラクティスのみでは改善しなかった。

・メンタルプラクティス+理学療法のグループでこのネットワーク活動が回復し、

・実際の運動機能の回復にも反映していた。


メンタルプラクティスと理学療法を組み合わせたリハビリは非常に効果的であり、脳機能ネットワークを調べることでリハビリ成果を評価できるかもしれない、


というおはなし。

脳機能ネットワーク


感想:

ちかごろ話題のデフォルト・モード・ネットワークってやつか、、

2014年10月18日

メンタルプラクティスでリハビリがはかどり脳の働きも変わった


Changes in brain activation in stroke patients after mental practice and physical exercise: a functional MRI study.
2014  8月  中国

メンタルプラクティスが運動機能の改善に伴う脳の活動にどう関連するものなのか調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中患者15人の上肢機能について、通常の理学療法を行い、そのうち10人には運動イメージ訓練を伴うメンタルプラクティスを追加した。

4週間の訓練の後、脳の活動域をfMRIで確認し、上肢の機能回復程度との関連を解析した。


次のことがわかった。

・メンタルプラクティスのグループでは上肢の機能回復程度が著しく高かった。

・fMRIでは左脳感覚野の活動が増強され、右脳運動野の活動強度が弱くなった。

・そして 麻痺した右手の運動イメージ中の右小脳の活動が強くなった。

・これら脳皮質上の変化は上肢機能の回復度と関連があった。


上肢機能の回復につながったメンタルプラクティスのあとに大脳皮質および小脳機能の再編が起きたに違いない、


というおはなし。
MP+PPとFMA
MPありだと成績がこんなに伸びる


感想:

この結果と似ている。
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに

この機会に用語をまとめてみた。

運動イメージ(motor imagery)は外部からの運動動作上の細かい指示に従うことを指し、視覚的シミュレーションは伴わない。
メンタルプラクティスは運動全体の様子を目的意識を持って主に一人称視点で視覚的に思い描くこと。
・これに加えて、五感や感情までも含めたリアルな体験を頭のなかで行うのがイメージトレーニング

こんなふうに理解している。

2013年8月14日

メンタルプラクティスは脳卒中リハビリの役に立つのか


The effects of mental practice in neurological rehabilitation; a systematic review and meta-analysis.
2013  8月  オランダ

脳卒中リハビリへのメンタルプラクティスの効果を調べてみたそうな。

医学論文データベースから関連する研究を厳選、データを統合して再解析した結果、

次のようになった。

・14件、計421人の脳卒中患者を対象とした研究がみつかった。

・9件でメンタルプラクティスが著しい改善効果を示していた。

・5件で通常のリハビリと同等の効果を示していた。

・6件のメタ解析のうち2件のみがメンタルプラクティスの著しい効果を評価していた。

・5件で認知機能の改善を示していた。


脳卒中患者のメンタルプラクティスはポジティブな効果があるのかも知れない。しかし、うわさするほどのものではなかった、


というおはなし。
図:メンタルプラクティスの効果


感想:

メンタルプラクティスとイメージトレーニングの違いを調べてたらこの文がしっくりきた。

『実際には体を動かさないで、頭の中で運動をしているイメージを思い描くことによって、運動技能を高める練習法をメンタルプラクティスと言います。また、自信をもって競技にのぞむことが出来るように、試合前に実際の競技場目を思いうかべて、心理的コンディションをととのえることをメンタルリハーサルといいます。メンタルプラクティスとメンタルリハーサルをあわせたものが、イメージトレーニングです。
また、メンタルトレーニングやメンタルマネジメントという用語があります。これは、スポーツの場面で、最高の能力を発揮するために必要な心理的側面を高め、自分の精神状態を管理できることをめざして行われるトレーニングです。』

[メンタルプラクティス]の関連記事

2011年3月25日

イメージトレーニングは時間をかけてじっくりと取り組もう


Longer versus shorter mental practice sessions for affected upper extremity movement after stroke: a randomized controlled trial.
2011 3月 アメリカ




慢性期脳卒中患者の上肢リハビリに
どのくらいの長さのイメージトレーニングが有効
なのか、を調べたそうな。



約30名の患者について
通常のリハビリに加え 長さの異なるイメージトレーニング
(オーディオテープ)を用意し、

それぞれ、

20分、40分、60分、イメトレなし

のグループに分けて評価した。




その結果、
イメージトレーニングを加えることで

回復は著しく促され、

イメージトレーニングにかける時間を延長するほど上肢麻痺の改善効果は増した、

というおはなし。




写真:イメージトレーニング
メンタルプラクティスとも言う

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *