元2025 4月 シンガポール
脳卒中後の「復職(Return to Work, RTW)」は、患者の生活の質と社会的自立において重要な目標である。特に若年層(18〜50歳)の脳卒中患者は、就労年齢にあることから、復職できない場合の社会的・経済的損失が大きい。
近年、若年者の脳卒中が世界的に増加している一方で、身体機能は回復しても復職に至らないケースが多く、その背景は十分に解明されていない。そこで、脳卒中後の復職率とその関連要因をくわしくしらべてみたそうな。
元2025 4月 シンガポール
元
Return to work after stroke- A Swedish nationwide registry-based study
2019 10月 スウェーデン
・復職率は、3ヶ月以内50%、70%が1年以内、80%は2年以内で、85%にたっするまで復職は続いた。
・復職をうながす要因として、男性、脳梗塞、大学までの教育歴、があり、
・復職の障害要因は、発症時の意識障害、年齢が高い、だった。
・1年後での「復職の意志」がある者の5年間の復職成功のオッズ比は3倍だった。
元
Return to Work after a Stroke in Working Age Persons; A Six-Year Follow Up.
2017 1月 スウェーデン
・最終的に74.7%が復職した。
・48%は1年内に復職し、 3年間は復職者は増加し続けた。
・脳梗塞と脳内出血で復職率に明らかな違いはなかった。
・退院時の身体障害度と脳卒中まえの病気休職が復職できないリスク要因だった。
元2020 8月 スウェーデン
元2023 1月 デンマーク
元
Return to work after subarachnoid hemorrhage- The influence of cognitive deficits
2019 8月 オランダ
・復職できなかった者(35.2%)は「注意と実行機能」のスコアがあきらかに低かった。
・さらに、脳脊髄液ドレナージ有りと実行機能障害アンケート高値がのちの復職不可と強く関連していた。
くも膜下出血のあと 復職できない理由
元
Factors predictive of return to work after stroke in patients with mild-moderate disability in India.
2015 10月 インド
・52.5%が復職した。
・発症3ヶ月後の生活自立度が高く、若くて 専門性の高い職もしくは会社員だった患者は復職しやすかった。
・不安やウツ、社会的サポートは復職に影響しなかった。
元
Impact of Upper Limb Function and Employment Status on Return to Work of Blue-Collar Workers after Stroke
2019 5月 日本
・38人(53.6%)が復職し、そのうち21人は自営業者だった。
・上肢運動機能のSTEFスコアが復職と関連していて そのオッズ比は1.08だった。
・「自営業者」であることと復職との関連は著しく、オッズ比は185だった。
元
Return to work after ischemic stroke in young adults- A registry-based follow-up study
2018 10月 フィンランド
・非就労率は、1年後 37.6%、2年後 42.0%、5年後 46.9% だった。
・年齢、性別、社会経済状況、入院時の重症度で調整すると、非就労の要因として、
・前頭部の広範な梗塞、アテローム血栓性、心原性、失語症、手脚の麻痺、重度の視野欠損が関連していた。
復職後 なん年間仕事を続けられるのか 日本で
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
元
Return to work after stroke: The KOSCO Study.
2016 2月 韓国
・60.0%が復職していた。
・性別、年齢、教育レベル、合併症が復職に関係していた。
・65歳未満女性と65歳以上男性の復職率は同レベルだった。
・復職できた患者の情動状態は 復職できなかった者よりも良好だった。

元
Return to work after mild-to-moderate stroke: work satisfaction and predictive factors.
2017 4月 オランダ
・50%の患者は元の仕事内容に戻っていて、残りの 28%はまったく働いていないか 22%は少ない労働時間になっていた。
・フルタイムの仕事に戻れた者の90%はその状況に満足していた。いっぽう復職できなかった者で満足している割合は36%にとどまった。
・復職の関連要因は認知機能とうつ症状だったが、とくに認知機能との関連がつよかった。
元
Self-rated health and return to work after first-time stroke.
2016 3月 デンマーク
・3ヶ月時点での主観的健康度と1年後 2年後の復職状況は強く関連していた。
・1年後、 50%は復職または求職しながら自活しており、11%は完全退職、39%は療養中だった。
・2年後、 48%が自活(復職or求職中)しており、36%が完全退職、16%が療養中だった。
・3ヶ月時点で療養中だった者の30%は 1年後、2年後には仕事ができるようになっていた。
・3ヶ月時点で復職できていた者の91%は1年後も自活していた。

元
Factors, trends, and long-term outcomes for stroke patients returning to work- The South London Stroke Register
2019 3月 イギリス
・940人が脳卒中の直前まで職に就いていて、かれらのうち19%が3ヶ月後に復職していた。
・その率は、1年後では18%、5年後12%、10年後3%に低下した。
・機能的に自立していて入院が短い患者は早くに復職していた。
・若い患者は 5年後、10年後に就労しつづけていることがおおかった。
・非肉体労働者は10年後の就労可能性がたかかった。
・早くに復職した者ほど5年後、10年後の就労可能性がたかかった。
・機能的に自立状態にあった患者のうち、1年後に48%、5年後42%、10年後28%が就労していた。
・不安やうつの程度がひくくQoLの高いことが1年後の就労と関連していた。

復職後 なん年間仕事を続けられるのか 日本で
元
Work-related predictors for return to work after stroke
2019 1月 スウェーデン
・早くに復職できる要因として、専門資格を持っている、組織の従業員規模がおおきい、ことがあげられた。
・専門資格で復職が早くなるのは男性だけであって女性には影響はなかった。
・女性の復職には退院時の要介助度のみが影響していた。
元
The effect of a workplace intervention programme on return to work after stroke: A randomised controlled trial.
2014 10月 南アフリカ
・その後6ヶ月間フォローした時点での職場介入グループの復職率は60%、従来型リハビリでは20%だった。
・職場介入による復職のしやすさは5.2倍だった。
・職場介入グループは日常生活動作や認知機能、QOLのスコアも高かった。

元
Return to Employment After Stroke in Young Adults
How Important Is the Speed and Energy Cost of Walking?
2019 9月 イギリス
・脳卒中経験者の歩行は健常者にくらべ著しく遅く、代謝が非効率だった。
・23%のみが復職できていた。
・数ある歩行パラメータのうち、「歩行スピード」が復職のもっとも強い予測因子で、
・ROCカーブ解析では歩行スピードが0.93m/s以上あるとあきらかに復職しやすかった。

元
Experiences of returning to work and maintaining work 7 to 8 years after a stroke: a qualitative interview study in Sweden
2018 7月 スウェーデン
・女性5人、男性8人で調査を完了できた。
・全員が復職への強い意志をもち、障害をもちながらも徐々に適応していった。
・障害により失った機能を嘆く気持ちと、ふたたび働ける喜びが入り混じっていた。
・復職後7-8年たったのちもほとんどが後遺症によるなんらかの制限を経験していた。
・疲労や認知機能障害により仕事を減らしたり休憩しなければならない状況がうまれ、自由時間はいつもぐったりとしていた。
・症状の悪化と再発のおそれから仕事上のストレスをできるだけ避けるようになった。
・仕事を続けるうえで上司や同僚の理解とサポートはなくてはならないものだった。
元
Return to work after young stroke: A systematic review.
2017 11月 カナダ
・29の研究がみつかった。
・復職率は時間経過とともに上昇し、
・0-6ヶ月後 41%、1年後 53%、1.5年後56%、2-4年後 66%だった。
・*日常生活動作の自立度が高い、*神経症状が少ない、*認知機能が良好、がもっとも復職を可能にする要因だった。

元
Factors influencing return to work after aneurysmal subarachnoid hemorrhage.
2014 7月 アメリカ
・病気認知度が高いと復職可能性が低かった。
・高いレベルの病気認知は復職が失敗する要因だった。
・一方、結婚していることは復職が成功する要因でもあった。

Returning to Paid Employment after Stroke: The Psychosocial Outcomes In StrokE (POISE) Cohort Study.
2012 7月 オーストラリア
・仕事に就いていた者のうち、75%の患者が12ヶ月以内に同じ仕事に復職できた。
・若くて、発症から1ヶ月時点での日常生活動作が自立できている患者が復職していた。
・仕事のストレスや脳卒中後ウツと復職との関連は見られなかった。