2012年5月14日

脳梗塞患者に "気" のサプリメントを飲ませてみた

元

Effects of qi-supplementing dominated Chinese materia medica combined with rehabilitation training on the quality of life of ischemic post-stroke fatigue patients of qi deficiency syndrome.
2012  2月  中国




脳卒中後の慢性疲労で気欠乏症候群(気虚)の患者に

中国医学の"気"のサプリメントを与えたらどうか 試してみたそうな。




気欠乏症候群の脳梗塞患者90人について、

30人ずつ次の3グループに分けた。


・気のサプリメントを飲ませるグループ

・西洋医学で治療するグループ

・偽の気のサプリメントグループ


全てのグループでリハビリ訓練も行い、

治療を4週間継続した。




その結果、

・気のサプリメントを与えられたグループのみで患者のQOLが向上した。

・西洋医学と偽のサプリグループでは違いが見られなかった。






中国医学が誇る気のサプリメントを飲めば、

脳梗塞後の慢性疲労も解決するかもしれない、


というおはなし。



感想:

どこで売ってるのか気になる。


以前のこんな記事を思い出した。
↓
"気" が足りない脳卒中患者は回復が遅い

2012年5月13日

重度の麻痺手が動くようになるCHASE療法とは

元
A pilot study of contralateral homonymous muscle activity simulated electrical stimulation in chronic hemiplegia.
2012  5月  日本



CHASE療法を患者で実験してみたそうな。(by 脳情報研究所)


脳卒中慢性期で重度の片麻痺患者3人について

両手首と指を伸ばす訓練を行った。


このとき、健常側の手の筋肉電流を記録して、

同様のパターンの電流刺激を麻痺手に与えた。(CHASE療法)


これを1日30分 x 2週間続けたところ、

・患者3人全てで手首伸ばしが改善した。

・痙縮も改善して、

・2人のフーゲルマイヤー評価スコアも向上した。




CHASE療法は重度片麻痺患者の上肢運動治療に使えるかも知れない、


というおはなし。

CHASE療法


感想:

CHASE療法をいままで知らなかった。

検索すると同じ研究者によるCHASE療法の資料があった。

運動制御の神経科学から機能回復支援へ
-脳卒中重度片麻痺回復への挑戦-
(pdf)


やってることはともかく 重度片麻痺患者を治療しようという志はすばらしいと思う。


以下、共感した部分を引用

『...CI療法を初め回復効果が実証されている療法の多くは、麻痺が比較的軽い人を対象としており、数多くの重度片麻痺の人には適用できません。
...

非損傷側の脳による機能回復を促進するには、麻痺手と同時に非麻痺手を動かすこと(両手協調運動)に一定の効果がある...
』

2012年5月12日

人生の一大事が脳梗塞の引き金になる可能性について

元

Stressful life events as triggers of ischemic stroke: a case-crossover study.
2012  5月  フランス




人生の一大事と脳梗塞との関連を調べてみたそうな。



247人の脳梗塞患者について、

発症からほぼ5日以内に面談を行い、


近しい人との死別などの

ストレスフルな出来事が最近起きたかどうかを調査した。




結果は、


・過去6ヶ月間の範囲では

187人の患者が1回以上、人生の一大事に遭遇していた。

またその半数以上が直近のひと月間に起きていた。



・過去4週間に限ると、

97人の患者が1回以上の人生の一大事に遭遇していた。

その多くは直近の1週間以内に起きていた。





人生の一大事が脳梗塞のリスクを急上昇させることがわかった、


というおはなし。





感想:

脳出血は関連が深いと思っていたけど

脳梗塞とは やや意外。



そもそも脳卒中自体が人生の一大事なので

脳梗塞になった1ヶ月以内にまた脳梗塞になる、

なんてことがザラにあるのかも...


と思ったり。

2012年5月11日

【決着】 CI療法(片手訓練) vs 両手訓練

元
Is modified constraint-induced movement therapy more effective than bimanual training in improving upper arm motor function in the subacute phase post stroke? A randomized controlled trial.
2012  5月  ノルウェー



脳卒中患者へのCI療法と両手を使った訓練との

効果の比較をしてみたそうな。



発症後2-16週間の脳卒中患者30人を

・CI療法(片手訓練)グループ

・両手訓練グループ

に分けた。


療法士による週4時間の訓練を4週間続け、

その後、毎日2-3時間の自己訓練を課した。




CI療法グループでは訓練時間中、健常側の手にミット(デカ手袋)を着け

麻痺手のみを使用するよう強制した。




訓練後の回復程度を複数の評価方法でスコア化して比較した結果、


両グループで回復程度に明らかな違いは見られなかった。


両手訓練はCI療法と同程度に有効であり、

わざわざ手にミットをはめる必要は無いことがわかった、


というおはなし。





感想:

自分の経験上、

麻痺手を動かそうとするときには

必ずしも意識的ではないけれど、

健常な側の手の状態、感覚を常に参照し、

心で見比べながら麻痺側の動きを修正している

という強い確信がある。


こういうときに腕を釣られ、ミットも被せられていると、

これはもう ストレスの原因にしかならないんじゃないか...

と考える。






補足:CI療法は、指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者を全て切り捨ててしまうため、ほぼ確実にトレーニング成果を観測できるという特長もある。


2012年5月10日

脳卒中で右脳をやられると運動イメージが遅くなる

元

Slowing of motor imagery after a right hemispheric stroke.
2012  4月  カナダ



脳卒中経験者の運動イメージスピードが遅いという噂を検証してみたそうな。


37人の慢性期脳卒中患者(右脳損傷19人、左脳損傷18人)と

同性、同年齢の健常者32人について、

軽く腰掛けた状態で 指示に従って足を踏み出して戻す、

という動作のイメージと実際にかかった時間を測定し、比較した。


その結果、

右脳損傷の患者は健常人、左脳損傷の患者に比べ、

動作をイメージするのに要する時間が明らかに長かった。


左脳損傷患者(LHL)と右脳損傷患者(RHL)の各時間比較図

・実行時間(黒)よりもイメージ時間(白)が長い

・麻痺していない方の足でも同様





右脳損傷患者は視空間作業記憶に

ダメージを負いやすいためではないか…


というおはなし。

2012年5月9日

脳卒中リハビリはとりあえず鏡に映せば状況改善することが判明

元

Facilitation of corticospinal excitability according to motor imagery and mirror therapy in healthy subjects and stroke patients.
2011  12月  韓国




イメージトレーニング、ミラーセラピーなどの際の

脳の命令の伝わりやすさについて比べてみたそうな。



脳卒中患者と健常人それぞれ30人ずつについて

つぎの各状況(A-G)で、

健常手の動きを観察し、麻痺手の動きをイメージして

病側脳から麻痺手へ脊髄路を伝わる

運動誘発電位の大きさ、遅延時間を

磁気刺激装置(TMS)を用いて測定した。



写真:ミラーとMEP

A)リラックス状態

B)運動イメージのみ

C)他人の手の動きを直接見て麻痺手の運動をイメージする

D)自分の手の動きを直接見て麻痺手の運動をイメージをする

E)他人の手の動きを鏡に映して同じ動きをイメージする

F)自分の手の動きを鏡に映して同じ対称な動きをイメージする

G)自分の手の動きを鏡に映して同じ非対称な動きをイメージする





結果は、

他人の手または自分の手の動きを鏡に映してみたときは

鏡に映さない場合に比べ、運動誘発電位が強くなり、遅延時間も少なくなった。




麻痺手側に置いた鏡に映った像を見て、

映った健常手と同じ動きをイメージすると

ダメージを負った側の脳からの信号が伝わりやすくなる
ことがわかった、



というおはなし。





感想:

これ、

ミラーニューロン、ミラーセラピー、イメージトレーニング

のちゃんぽんになってて、

いまいち  わけがわからない。


とにかく "ミラー" をつけりゃイイ って風潮を感じる。



こんな記事を思い出した。
 ↓
ミラーセラピーが脳に働きかける説は 文字通り "幻" かも

2012年5月8日

加齢黄斑変性と脳卒中との関連について

元

Age-Related Macular Degeneration and Long-Term Risk of Stroke Subtypes.
2012  4月  シンガポール



加齢黄斑変性と脳卒中との関連を調べたそうな。


12216人について網膜撮影検査を行い、脳卒中の発生を13年間追跡した。


その結果、

・この間に548件の脳梗塞、57件の脳出血が起きた。

・591人が加齢黄斑変性だった。

・加齢黄斑変性と脳卒中との関連は強く、

・特に脳出血の危険性が3倍近くになった。





加齢黄斑変性になると

脳卒中リスクも高くなることがわかった、


というおはなし。




感想:

以前 こんな記事があったのを思い出した。
↓

病院に行ったらなぜか目を覗かれた



2012年5月7日

rTMSリハビリで脳の回路が変わる

元

rTMS with motor training modulates cortico-basal ganglia-thalamocortical circuits in stroke patients.
2012  3月  韓国




反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の脳卒中リハビリ効果を

脳機能画像検査で確認してみたそうな。



21人の脳卒中片麻痺患者を

・rTMS刺激

・偽のrTMS刺激

の2グループに分けて手の指運動のリハビリを行った。



rTMS刺激は10Hzのパルスを1000発、

ダメージ側脳の運動野に当てた。

これを10日間継続し、

その前後での脳機能MRI検査を行った。



その結果、

・本刺激のグループでは偽刺激グループに比べ

 指を動かす正確さが著しく向上した。


・本刺激グループでは脳の皮質-視床-尾状核に渡る活動領域に変化が生じた。


・本刺激グループの病側脳の活動が増強された。




10日間の高頻度rTMS治療と運動リハビリにより

運動機能の向上のみならず、脳の活動領域も変化することがわかった、


というおはなし。





感想:

1回あたり10ヘルツ1000発なので、

要する時間は100秒→わずか1分半。


こんなに短い時間で

効果がでるのだから

まさに奇跡の治療法。


すぐに担当のリハ医に相談しなくちゃね。



オマケ:わたしの右手の指を動かしている時の脳の活動

2012年5月6日

脳梗塞後すぐにうつになるひとの特徴

元

Relationship between poststroke depression and ischemic lesion location.
2012  3月  タイ




脳梗塞の早期にうつになる患者の特徴について調べたそうな。


平均年齢60歳の脳梗塞の男女39人について、

発症2週間後の時点でのうつの状態を調べ、

梗塞位置などとの関連を解析した。



その結果、

・28%の患者にうつが見られ、


これは次の3つの特徴


・左脳梗塞である

・女性である

・高血圧症でない



と関連が強かった、



というおはなし。

2012年5月5日

糖尿病じゃなくても 血糖の高いひとは脳梗塞になったときに...

元

Higher Blood Glucose within the Normal Range Is Associated with More Severe Strokes.
2012  3月  アメリカ




糖尿病の人が脳卒中になると回復が良くないことは知られている。


血糖値が正常範囲(70-130mg/dL)にある場合はどうか、調べてみたそうな。



糖尿病でない脳梗塞患者361人について

発症7日後の空腹時血糖値を測定し、

その後の回復程度との関連を解析した。




その結果、


・正常範囲内であっても、血糖値が上昇すると自立度が下がる関連が見られた。


・高めの正常血糖値(110-130)の患者は低め(70-90mg/dL)の患者

 と比べると脳梗塞後の重症度は2倍だった。






日頃から空腹気味に過ごしているひとは

脳梗塞になっても治りが早いことがわかった、


というおはなし。

2012年5月4日

イメージトレーニングはどこに視点を置くと効果的ですか?

元

Effect of Imagery Perspective on Occupational Performance After Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2012  5月  アメリカ




脳卒中後のイメージトレーニングリハビリをするときの

視点の位置が結果に影響するかどうかを調べたそうな。




19人の脳卒中片麻痺患者を次の3グループに分けた。


・自分視点で作業イメージトレーニング

・客観視点で作業イメージトレーニング

・リラックスするイメージトレーニング





また、全てのグループには作業療法を週2回x6週間施した。



その結果、

・作業イメージトレーニングを受けたグループでは片麻痺と手の動きが改善した。

・その改善は視点の位置に関わらず同程度だった。






脳卒中後のイメージトレーニングリハビリをする際の

視点の位置はあまり気にしなくて良さそうなことがわかった、



というおはなし。

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